超伝導量子ビットを軸に様々な研究を行っています。大きく2つの方向があり、1つは量子コンピューターにおいてスタンダードな量子ビットを使用してダークマター探索などの実験を構築し良い物理成果を目指す、 もう1つはこれらの探索プログラムに特化した量子ビットセンサーを開発するというものです。前者に関しては東大ICEPP・理研とのコラボレーション (DarQ Expriment) が立ち上がり、「直接励起法」という独自のアイデアでダークフォトン・QCDアクシオンといった低質量領域における有力なダークマターの探索を開始しています。後者に関しては光子との相互作用を極限まで強くした量子ビットの開発や、高周波で駆動する量子ビットを現在精力的に行っています。またこれらを応用して高温超伝導体を使ったコライダー実験のための飛跡検出機や、多量子ビット系を使った非線形シミュレーターの開発も計画しています。ゆくゆくは宇宙背景ニュートリノや量子重力といった弱い相互作用を究めた先にある物理を捉えるのが究極の野望としてあります。
開発の中で現在特に重視しているのはなるべく自作することです。試行錯誤のサイクルが早くなるし、理解が段違いに深まって新しいアイデアを生む基礎となります。あと何より楽しいです。量子ビットも自分の手で作っていて、東大野口研など量子ビットの分野をリードするプロの薫陶を受けることで既にセンサーとして使うのは最低限のクオリティを達成し、まだ急速な改善の途上にあります。
レビュー記事/論文
"Practical Guide for Building Superconducting Quantum Devices" Y. Gao et al. (2021)
"Materials in superconducting quantum bits" W. D. Oliver and P. B. Welander (2013)
"Engineering high-coherence superconducting qubits" I. Sidiqqi (2021)
"Quantum Sensors for High Energy Physics" A. Chou et al. (2023)
量子技術の素粒子分野への応用は始まったばかりで、現状はなく展望しかない状況です。自分の手で量子デバイスを作り、自前のを測定系組み上げてダークマターや高周波重力波の探索で世界最高感度の実験を行う、フロンティア精神に溢れる仲間を募集しています。
興味があったら是非連絡ください (→Contact)。