量子技術で新しい素粒子実験を創る


量子コンピューターに使われている量子ビットは一般にノイズに非常に敏感です。例えば超伝導量子ビットの場合、薄膜結晶構造の乱れ、電気的なノイズ、宇宙線の通過などによって簡単にビット状態が変わりエラーを発生させます。コンピューターの観点からは何一つありがたくないですが、これは量子ビットが外場に対する高感度なセンサーになれることも意味します。京大高エネルギー研究室では2024年5月に量子グループが新たに発足しました。ダークマターや重力波といった極限的に弱い相互作用の検出が鍵となる実験に焦点を当て、量子ビットのセンサーを応用する研究を行っています。全く新しい検出原理を持つセンサー技術で、従来手法では到底手の届かないような物理に迫るための開発を日々頑張っています。