ジカルボキシイミド系殺菌剤耐性と環境ストレス応答システム

Studies on the relationships between the dicarboximide resistance and the response systems to environmental stresses in filamentous fungi

概要

農業作物に重大な被害をもたらす植物病害の大半は、糸状菌(カビの仲間)によって引き起こされています。これらの植物病原性の糸状菌が生存し、植物へ感染するためには、菌糸細胞外の酸化ストレス・浸透圧ストレス・温度変化など様々な環境ストレスを感知し、適切に応答する必要があります。ジカルボキシイミド系やフェニルピロール系の殺菌剤は、このような病原菌の細胞システムを逆手に取り、高浸透圧ストレス応答経路を撹乱して殺菌作用を発現していると考えられています。

当研究室では、いくつかの糸状菌を用いて、まだ機能が未知な環境ストレス応答経路の因子と殺菌剤の作用機構、殺菌剤への耐性化メカニズムに関する研究を展開しています。これにより植物病害の防除にも繋がる新しい知見を得ることができると考えています。

薬剤耐性株の浸透圧感受性

薬剤作用メカニズムの現状理解