谷脇Partyでは、Part3で南アルプスの甲斐駒・仙丈に登ってきました。メンバーの体調不良により、一時は撤退も考えましたが、何とか3日間歩ききることができました!
Date: 09/02~09/04
Member: T脇(CL/医療/記録)、M田(SL/気象/食当)、S竹(装備)
行程
Day 1
4:56 入山 白州観光キャンプ場尾白
7:15 一合目
8:20 笹の平分岐
10:50 刀利天狗
11:45 五合目
13:11 七丈小屋
13:40 七丈小屋テント場(CS1)
Day 2
4:56 七丈小屋テント場(CS1)
7:43 甲斐駒ヶ岳
9:42 駒津峰
10:16 双児山
11:43 北沢峠
12:00 長衛小屋テント場(CS2)
Day 3
4:08 長衛小屋テント場(CS2)
5:49 藪沢大滝の頭
6:48 小仙丈ヶ岳
8:02 仙丈ヶ岳
8:34 仙丈小屋
10:51 下山 長衛小屋テント場
Day 0
14:45にJR小淵沢駅集合。3人ともそれぞれ関西から電車で移動してきた。駅からは八ヶ岳や、頂上に雲のかかった甲斐駒が見える。結局早めに駅に着いたので、タクシーの時間を早めてもらい、CS0の白州観光キャンプ場尾白へ。テン場のすぐ脇には川が流れていて、なかなか良い雰囲気のキャンプ場だった。M田が高校時代に泊まったという小屋もある。
キャンプ場の方が、「登山家の花谷さんが来てるよ~」と教えてくれた。無知なCLは知らなかったが、博識なSLによると、花谷さんは世界的な登山家で、七丈小屋の管理人でもあるらしい。キャンプ場に来ているのかと思ったがそうではなく、上の七丈小屋に来ているようだった。M田のOBにあたり、講演会を聞いたこともあるらしい。会ったら挨拶したいねと話していた。
翌日の天気は晴れの予報だったことと、気分がのらなかったこともあり、この日は天気図を描かないことにして、ご飯を食べたり大富豪をしたりしてのんびり過ごした。
Day 1 CT 8:44(内レスト3:25)↑1826 m ↓189 m →7.3 km
4:00 起床
4:56 入山
5:12-5:39 レスト
入山して間もなく、M田が気分が悪いといってレストを取ることになった。普段朝ご飯をあまり食べないM田にとっては、食パン2枚は多すぎたらしい。気持ち悪さが収まるまで待って、また出発した。
5:44-6:13 レスト
再び歩き始めたものの、M田は辛そうで、ペースもいつもに比べて遅く、やはり気持ち悪いということでレストになった。下痢と吐き気の両方あるということで、胃腸薬を飲んでもらう。相当気分が悪いらしく、この時点で撤退の可能性が見えていた。休み休みなら歩けるかもしれないということで、ひとまず笹の平までは行くことにした。
6:37-6:53 レスト
連続して歩いていると気持ち悪くなってしまうということで、M田の調子に合わせてまめにレストを取ることになった。かなり撤退が濃厚だったが、せっかく来たからには甲斐駒に登りたいという気持ちもある。そこで、①刀利天狗まで歩けるなら歩き、最終的な撤退判断はそこで行う②刀利天狗まで歩けないならその時点で撤退することを決めた。ペースを落とし、休み休み歩けば、登れないことはなさそうだった。幸いこの日は一日晴れで、また仮にCTが当初の予定の1.5倍(9時間)などになったとしても、14時過ぎにはCS1に着くことから、ゆっくり進むことは可能だった。
S竹は地図をよく見ており、今はこの辺ですねとか、次はここでレストにしましょうとか、何も言わなくても読図していた。地理強であるS竹は周囲の山の位置関係もよく頭に入っており、CLより断然詳しかった。
7:15-7:22 レスト 一合目
7:49-8:14 レスト
8:20-8:32 レスト 笹の平分岐
8:54-9:05 レスト 二合目
9:20-9:29 レスト
9:58-10:08 レスト
10:50-11:07 レスト 刀利天狗
M田の体調も少しずつ回復し、なんとか刀利天狗まで来ることができた。こまめにレストを取りながらであれば七丈小屋まで行けそうだったので、このまま進むことにした。刀利天狗手前の刃渡りは両側が切り落ちているが難易度はそれほどで、ヘルメットなしで問題なく通過できるものだった。
木漏れ日
刃渡り
11:45-11:56 レスト 五合目
黒戸尾根は日本三大急登の1つに数えられるが、ここまでの道はそれほど急登が続くことはなく、歩きやすい道だった。
12:23-12:30 レスト
五合目以降には急な梯子や鎖場が登場する。M田の体調は大分良くなっており、3人とも危なげなく登っていた。
13:11-13:35 レスト 七丈小屋
予定よりも大分遅くなったが、遂に七丈小屋までたどり着くことができ一安心。テン場の受付を済ませていると、花谷さんが登場した。会えて良かったですネ。M田は記念に一緒に写真を撮ってもらっていた。
13:40 七丈小屋テント場(CS1)
テン場は小屋から5分ほど登ったところにある。鳳凰三山が見事に見え、その良さを初めて知った。→参照:2024年度前期H田Party Part2 奥に富士山も見える。アルプスに来るのが初めてのS竹は、その景色に感動していた。
レストが多かったとは言え、行動開始から9時間近く経っており、3人ともなかなか疲れていたので、当然のごとく昼寝となる。S竹もM田も天気図を描く気力が無さそうだったので、CLだけ描くことにした。千島列島あたりの低気圧から全線が長く西側に延びており、まあ天気が悪くなりそうですねという感じ。天気予報では、翌日の午後から雨が降るような予報だったので、早めにCS2に着きたいところ。
この日の夕食は麻婆豆腐。M田が常温保存可能な豆腐を持ってきていた。毎回準備が丁寧なM田の食当では、自分では買ったことのないような食品が登場して感心する。この日は疲れていたので、夕食後は片付けをしてさっさと就寝した。
Day 2 CT 7:04(内レスト1:26)↑782 m ↓1206 m →6.5 km
4:00 起床
昨日の反省を踏まえて、M田は棒ラーメンの量を半分にして調整した。残ったお湯をアルファ米で吸収したら、量がピッタリで気持ちよかった。
4:56 出発
5:15-5:22 レスト
今日も、朝食後のM田の調子はあまり良くなく、すぐにレストを取ることになった。一応歩けるには歩けるけれども、長時間連続して歩くのが辛いらしく、またM田のペースに合わせて休み休み行くことになった。
5:37-5:46 レスト
5:57-6:10 レスト
7:10-7:20 レスト
この頃には既にM田の体調が大分良くなっており、ペースも安定していた。天気は良く、甲斐駒を見ながら登るのは気持ちよかった。鎖場の前でヘルメットを着けた。
ホールドはあるがスリリング
いい感じ
岩々
7:52-8:18 甲斐駒ヶ岳
頂上に着くことができホッとする。登りが苦手なCLにとってはなかなか大変だった。晴れて風は弱く、鋸岳、鳳凰三山、中央アルプスなどが良く見えた。
9:27-9:37 レスト 駒津峰手前
頂上からはガレ場の急斜面を下っていく。なるべく登りは避けたいというS竹の要望により刀利天狗はカット。レストを取っていたら、頂上で写真を撮ってもらったサブ装備のお兄さん達に追い抜かれた。
10:21-10:32 レスト
12:00 長衛小屋テント場(CS2)
樹林帯をひたすら下っていき、北沢峠に着くともう下界に降りてきたような感じがする。メインザックで長時間下ると、脚になかなかのダメージ。週2、3のペースで歩荷しているというS竹は、歩き方が上手くなっていた。テン場は川沿いにある広いエリアで、トイレなどの設備がよく整っている感じがする。小屋ではワンコインでシャワーが浴びられるらしい(入らなかったが)。CLは植物観察や昼寝をし、皆で天気図を書く準備をしていたが、ノイズがひどく諦めた。駒津峰を過ぎてから北沢峠までは電波が入らず、仙丈ヶ岳も電波が入ったり入らなかったりするが、山小屋Wi-fiは使える。
この日の夕食は炊き込みご飯と味噌汁。調理しやすいようにメニューをアレンジして、サバ缶と筑前煮、醤油で作った炊き込みご飯はとても美味しかった。この日は結局、雨が降らずに天気がもってくれた。
翌日は昼前から雨が降り出しそうだったので、早く下山するために4時発とし、撤収は必要ないことから3:15起床とした。
Day 3 CT 6:43(内レスト1:07)↑1187 m ↓1187 m →10.2 km
3:15 起床
4:08 出発
4時に出発しようとしていたが、皆疲労で身体がバッキバキなせいかいつもよりも動作が重く、思ったより準備に時間がかかってしまった。
5:07-5:17 レスト
今日はサブザックで身体の締め付けがないということもあってか、M田は快調で、良いペースで歩いていた。
5:38-5:43 レスト
と思ったら、今度はS竹の調子があまり良くないらしい。S竹は少々キツくても前の人のペースに合わせて歩いてしまえるので、本人も周囲の人間も気づかないが、ちょっとペースが速かったのかも。
5:49-5:53 レスト 藪沢大滝の頭
6:48-6:58 小仙丈ケ岳
レストを取った後はS竹の調子も回復し、また順調に上っていった。この日は曇りだったが、雲が流れて甲斐駒が見えたので満足。案外雨が降り出さず天気がもっていて、景色がよく見えた。道中すれ違った方に、ライチョウがいましたと教えてもらったが、どこにいるのだろうか。S竹によれば、ガスっているときにライチョウが現れるというジンクスがあるらしい。去年PW雲ノ平で見かけたときはバッチリ晴れていたが、、、
甲斐駒
まだ耐えている
7:34-7:44 レスト 仙丈ケ岳手前分岐
仙丈の手前でライチョウを発見。4、5羽いると思ったら、あれここにも1羽、あそこにも1羽とどんどん見つかり、全部で10羽ほどいると思われた。確かに周囲はガスってきており、ジンクスの信憑性が1だけ上がった。ゲエェ、ウゲエェというカエルのような鳴き声はどうやらライチョウのものらしい。ちょっと幻滅。
山頂手前の分岐
いちおういる
8:02-8:18 仙丈ケ岳
山頂は見事にガスっていた。もちろん大仙丈バリエーションはカット。
8:34-8:41 レスト 仙丈小屋
トイレレスト。今山行の中で、いちばん臭いが気にならず高評価。
仙丈小屋
カール
9:12-9:17 レスト
ただただ無心で下る。途中から霧雨が降り始めたが、セパを着るほどではない。馬の背ヒュッテ以降に渡渉箇所がいくつかある。水量はさして多くなかったが、雨天時には注意かも。
10:23-10:30 レスト
10:51 長衛小屋テント場 下山
30分ほど巻いて下山。雨が本降りにならない内にテントを撤収し、小屋の軒先でパッキングなどをさせてもらうことに。同じように軒先にいたお兄さんと話して仲良くなった。現在南アルプス全山縦走中で、これから鳳凰小屋まで歩いて移動する予定だったが、翌日は台風が来ることもあって、沈するか一旦下山するか迷っていたところらしい。我々のタクシーには空きがあったので相乗りすることになった。
13:10北沢峠発のバスに乗り、仙流荘(戸台パーク)へ。タクシーの予約は16時にしていたので、のんびりご飯を食べ温泉に浸かる。先ほど知り合ったお兄さんと話していたが、実は2週間前に豊橋の海岸から出発して徒歩で移動し、あと鳳凰三山を登れば南ア全山縦走を完遂し、この後できれば八ヶ岳全山縦走もして北アルプスにも行き、そのまま日本海まで抜けるSea to Summit to Seaを行っている最中らしい。あと剣と奥穂に登れば、日本百名山も踏破するそうだ。山のオススメを聞いたら、「やっぱり南アルプスはいいっすねぇ」とのこと。山が深いのがやはり魅力らしい。喜々として山について語る姿を見て、真の山好きとはこのことだと、しみじみ感じていたCLであります。
高遠から伊那北までバスで移動した後は、それぞれ実家なり下宿なりに向かった。
岩場あり、急登ありでなかなか変化に富んだ山行でした。体調が万全でない中でも、2泊3日歩き通せてありがたいです。アルプスらしい景色も楽しむことができて充実した山行になったのではないかと思います。本当にお疲れ様でした。
M田:体調が良くないなか、よく歩いてくれました。調子が回復してからは、パーティメンバーの調子をよく気にしながら登ってくれたと思います。
S竹:歩き方に成長が見られた山行でした。あとは体力がもう少しつくといいですね。でも無理せず自分のペースで歩いてもらえれば大丈夫です。次回の食当期待しています。
<感想>
M田:4年ぶりの甲斐駒でしたがやはり良い山だと実感でき、仙丈にも初めて足を延ばせた充実の山行でした。山行前半は他のメンバーに大分迷惑をかけてしまったので、今後は山行前からコンディション管理を念入りにしていきたいです。
S竹:睡眠の偉大さと体力面で特に成長を感じられる山行でした。後期は車内の睡眠環境向上に努めたいところ。