F間です。本山行計画の原初の目的は計画であり、タスクからの逃避妄想として素晴らしい機能を果たしていましたが、実地に赴き、empiricalな意味でも素晴らしい山になりました。
メンバー:F間(CL/医療/記録)、T澤(SL/気象)、T橋(装備)、SKK(食当)、AKK
日程:7/13-4 sat.-sun.
21:30集合から30分待たされていたメンバーたちの前にCLが現れ、いざ車で白山へ。まずはAKKが運転した。I南も参加予定だったが、急な補講があったらしく不憫なドタキャンとなってしまった。車内ではあれはもはやアカハラというかパワハラだと話していた。鯖江でラ・ムーを発見したが24時間営業でない偽ラムーだったので適当なコンビニへ買い出しに寄った。
そこからはT澤の運転with指導教官AKKで入山口の市ノ瀬まで向かった。T澤の運転は蛮勇だとか評されていたようだが、実際夜の山道を結構飛ばしていた。AKKが心配そうにツッコむと「飛ばして欲しそうに見ていたので」とか言い出しており、また片側通行の工事用信号を堂々と突破しそうになってAKKに止まれと叫ばれていた。AKK「今突っ込もうとしてましたよね?」→T澤「いや、あの...(反論を諦める)そうですね。」
この流れを見てCLは後ろで爆笑していたが、内心こえーなと思っていた。無事に3時前に駐車場につき、バスの混雑が怖いので4時起床として仮眠をとった。
4:00	起床
5:22	入山
7:25	甚之助避難小屋
8:46	黒ボコ岩
9:10-34	室堂
10:01-28	御前峰
11:30-50	室堂
12:13	ぐねる
14:30	CS1着
16:00	気象通報&飯
19:00ごろ	就寝
4時に起床し、混むと噂のバスを見に行ったらちょくちょく並び始めていたため急ぎめで車からバス停に向かった。5時前には、しかし、記憶を上回る5台のバスが来て待つことなく入山地点の別当出合についた。
5:22に入山した。入山地点ですでにたくさん登山客がおり、砂防新道をしばらくは抜かし抜かされしつつ登ることになった。砂防新道は急やなと思っていたが、そうでもない。セカンドにおいていたAKKがしゃべりながら登れているので余裕のあるペースで行けていた。AKKはダムとか火山に詳しいようで道から見える崖やら砂防ダムやらについて解説をしてくれていた。
入山
砂防ダム
6時半ごろにレストを一回とってのち、7:25-35に甚之助避難小屋に着いた。この辺りから南側に顕著に雲海が認められた。朝日に照らされた別山は尾根と谷がはっきりと陰影に現れており、SKKが言うにはエロティックなかたちをしていた。確かに別山は明日絶対のぼってやるぞという形をしていた。まぁ登ることにはならなかったが。
JINNOSUKE
美しき別山
甚之助避難小屋を過ぎてからは木々を脱してトラバースに入った。このあたりから日当たりもよくなり、太陽はすっかり夏山のそれであり、俺の夏休みが開幕した。白山固有の高山植物なども咲いており、白山の理論値に出会した。T澤は写真に夢中になっていた。色々噛み締めながら歩いていたのでペースが遅くなったかもしれない。8:30ごろに一度レストをとった。黒ボコ岩までの登りは12回曲がるらしいので、数えながら登っていた。歩行中に歩く以外の目的を見つけるとあっという間に時間が過ぎていってよい。生きるために生きていると冗長な人生になるのとおそらくはパラレルである。
はくさんこざくら
夏山!
8:45 黒ボコ岩から弥陀ヶ原へ。展望と開放感で優勝した。標高の高い地帯にだだっ広い野原があるのは珍しく、別山との景色で峻厳と寛容のコントラストが美しい。チンタラ歩くうちに今度は八ヶ岳の中山に遭遇し、死んでいるといつの間にか室堂についていた。9:10のことである。室堂郵便局はしまっていたが、売店で課金をすることができた。ピストン装備を準備したり一呼吸いれて9:34に御前峰に向けて出発した←遅過ぎか?
弥陀ヶ原
室堂
御前峰までの登りは2年前の記憶によればコースタイムよりも長くキツかったが、そうでもなかった。登り途中には室堂の赤い屋根がアクセントとなって写真向きの構図があった。
10:02に御前峰。山頂に着いては今度は北側の岩と池の景色が美しい。この2日は南に停滞前線と北に高気圧という感じだったので北の方が天気が良かった。周囲の山域は大日岳と毘沙門岳?と乗鞍らしきものが見えただけで、北アルプス主稜線は停滞前線野郎が邪魔をしてみえなかった(白山自体自山系で景観が完結するタイプなのでOKか)。
御前峰以北の池めぐりコースへ。素晴らしいの一言では尽きない。灰色の岩石と、雪渓の白、湖のターコイズの絶妙なバランス。九重連山をひとまとめにしたような小ピーク群の地形。7月のこの時期だからこそ見える高山植物の花畑。比良では累計1枚しか写真をとらなかったAKKが5枚写真をとったほどである。T橋の感動を目撃したほどである。SKKは山行中の呼吸配分について熱弁していた。
コースタイムは室堂〜室堂で100分だったがピストン装備だし巻けるだろうと考えていた。しかし堪能しながら歩いていると結局現地の案内の2時間が正しいことがわかった。11:30室堂着。
花畑
フルザックの準備をして11:50に室堂を出発した。だんだん雲が多くなっているような気がした。南東に標高4500ぐらいの稜線があってなんやこれとおもったら雲だった。急に人気がなくなり、あと思ったより華やげのない道だなぁと思って歩いていると、12:13にAKKが足を捻挫した。軽症でもなかったようで、ひとまず挙上してテーピングとサロンパスで処置にあたった。落ち着いて歩けるようになるのを待ち、後の時間を気にせずSLのT澤にゆっくり降りるよう言って行動を再開した。この間10分ぐらいであった。
降りる途中自らT澤が現在地確認のクイズを求めてきた。熱意があって良いことである。地形図上の尾根のサイズ感的にどれが目印になりえてどれは些末なものとして処理すべきかは難しいかもしれないが、これはひたすら慣れていくことが必要かもしれない。T澤のそんな姿勢によって読図の機運がにわかに高まり、近くに展望台があったので止まって13時過ぎから小一時間程度読図講習会的なことになった。SKKは基本的によくできていてあとは現在地特定のタイミングに気をつけるべきで、T橋はT澤とマンツーマンで地形図を読み込んでいた。なかなかに理解が早かった。コメントすべきことといえば、特にSLなどはある程度地形図から特徴的な地形をチェックしておいてから実際の地形を見ながら歩くようにすれば、地図だけでなく周りにも目がいくようになるのでそうしてほしい。
雲の稜線
青線の稜線を悩んで特定しているようではCLをすべきでない(赤は現在地)
南竜テント場
14:30にCS1に着いた。9時間ほどかかっており、読図を差し引いて行動時間8時間強かかっていた。CLは病み上がり山行がぶり返して完全に死んでいた。CS1の南竜ヶ馬場は広いが、埋め尽くすほどのテントが張られており端っこに張ることになった。今回は旧6テンをポールをペグをすべてもっていき完全体のテントを張った。いつもより広かったかもしれない。
T澤は16時までの間ラジオの調整を頑張っていたが、どうあがいても小さい音しか出なかったので苦労していた。なぜかカープvsヤクルトのラジオ中継をしていた。T橋にも天気図を描かせようかと思ったが音が小さ過ぎたので、T澤がメモをとってその情報をもとに二人で描くということにしてもらった。
16時からはT澤・T橋天気図組とCL・SKKの食当組とAKKの気絶組に分かれて準備をした。夕メニューは牛丼であり、SKKは上手にぺみを成し遂げていたが、調味料の醤油がザックの中で漏れてしまっていたらしい。かわいそう。玉ねぎは1からきって炒めてということをやったが、どうしても時間がかかるのであらかじめ炒めてぺみするともっと早い食事になると思う。SKKはしかし炊き途中の米コッヘルをまるごとひっくり返してしまうなど、全体として沼気味の食当になってしまっていたが、肝心の牛丼はしっかりおいしかった。砂糖中心の甘い味付けだったのでCLはすぐに違和感を覚えたが、他の人はこれが普通だと言っていた。思えば、彼らは皆東京以東の出身であったのだ。牛丼は米と具の残り具合が奇跡的に一致し、米をこぼしたのはやっぱりファインプレーかもしれなかった。デザートにフルーツポンチを作った。←美味!CLはフルーツポンチだけだと甘すぎるからと思いクソデカラムーチョを持ってきたが、こちらはほぼ余った。
食当で時間がかかり食べ始めは18時前とかだったが日の入りが遅かったので耐えた。T澤の描いた天気図によれば停滞前線がどう見てもこれから北上するようだった。この日の天気が良かったのは日本海の高気圧がギリギリ持ち堪えてくれていたからであった。高気圧くんに感謝を捧げるとともに、明日は晴れまたは全てを諦められるレベルの雨にならないかなぁと願って、19時前に就寝した。寝る前の夕日がきれいだった。
完全体テント
なにやってだ
味の混雑
4:00	起床
6:30	出発
7:25-35	甚之助避難小屋
9:30	下山
朝4時に起きるとボチボチ雨が降り始めており、だんだん強くなっている感じだった。朝一でAKKから昨日の足の捻挫の影響がまだあり、鎮痛剤を飲みながらという状況だったので、これから別山に登って1800下るのは無茶だろうということでEscで別当出合に降りることにした。あまり早く別当出合に降りてもしょうがないので出発を6:30とし、それまではテントの中でぐだぐだして時間を潰していた。朝ごはんはこれまたパンだった。
出発する頃には普通に雨〜大雨となっていた。今日は温泉と海鮮の日であると宣言し、下山を開始する。T澤に抑え気味で最初は歩いてもらっていたが、しばらくすると結構早いペースになっていたが、AKKが大丈夫そうということだったのでそのまま行かせた。7時半ごろに甚之助避難小屋につくと中には大量のhumanがひしめいていた。こんな雨だというのに登ってくる人がたくさんおり、すれ違いや追い越しでコースタイムよりも大幅に時間がかかった。CLは靴はおろかザックカバーを雨が貫通しており、2年前の屋久島ぶりに本格的なずぶ濡れを味わった。とはいえ今日中(しかももうすぐ)に下山できるわけだし、苦渋体験ということでT橋の糧になるとよい。9:30に下山した。コースタイムを1時間ぐらい押していた。
クソみたいな天気
早く帰ろう
しかし、この花は「悪い」天気とは思っていないだろう
下山後は定番の白峰温泉総湯というところに入り、海鮮丼を食べに福井に向かう。最初地元チェーンらしきところに入ってみたのだが、海鮮丼が売り切れていた。店の外装がやたら海鮮で塗り固められているのに内情は生姜焼き定食とは何事か、と少し腹立たしい気持ちになった。この店では最低限腹ごなしをするにとどめ、敦賀の海鮮市場で海鮮丼を食べることに決定。
敦賀についてようやく念願の海鮮丼へありつく。山→温泉→海鮮。素晴らしい休日ではないか。
敦賀→京都はT澤withAKKで再び運転したが、CLは完全に寝ていた。BOXについたあとのT澤からの運転についての自己報告(自己批判(おそらくAKKによる))によれば、「普段は問題ないのに夜道になると時折危なっかしいことをするのは、前の車についていっているうちが安全そうに見えているうちに過ぎない」ということであった。がんばれ。
下山
総湯
ガッツポ
おつかれさまでした。今回行けなかった別山はAKKがリベンジ山行を計画するとかなんとか。