4月 「好きこそ、ものの上手」
新年度が始まり、研究も装いも新たになる。できることと好きなことは違うが、好きだから頑張れる。だから、できることで好きなこと、しかも自分に向いたことを、研究テーマに選びたい。誰も手を付けていないテーマに積極的に取り組もう。
5月 「直感精読」
研究テーマに関連する分野を、しばらくは勉強。また分析手法の勉強も始まる。直感を仮説に、仮説を検証し、検証から結論を。自ら感じたことを、丁寧に分析してみたい。
6月 「コップは上から見れば丸いが、横から見れば四角い」
就職活動もおおむね終わる頃で、研究も本格化。物事の見方は、立場によって変わることが多い。ロジスティクスは関与者も多いから、多面的な見方を身につけたい。唯我独尊で、人にわかってもらえない研究だけは、避けたい。
7月 「大局観。目的と仮説と結論が重要」
8月のゼミ合宿を前に、研究の第一回目の中間まとめに入る。いいろいろと集計や分析を進めても、研究は行きつ戻りつの時期。しかし無駄な作業はないから、努力は必ず活きるし、活かしたい。すそ野が広いほど、山も高くなるはず。重要なのは、目的と仮説と結論。大枠を捉えたい。
8月 「宴会とイベントの段取りは、ロジスティクスの基本」
ゼミ合宿や研究発表の準備で、少し大変。でも宴会やイベントの運営は、ロジスティクスそのもの。イベントも研究も、他人に見えないところで、一汗多く。
9月 「現場第一主義」
ロジスティクスは現場を見て学ぶことも重要なので、できるだけ機会を見つけて、現場見学にでかける。一方、修士の学生は、学会に向けて論文書きが本格化。原稿書きが、こんなに大変とは・・・、と感じる頃。でも、やればできるのだから、せっかくの機会と才能を活かしたい。
10月 「最初に人柄、最後も人柄」
研究室配属のために、3年生が選抜される時期。このとき先輩たちは、後輩の3年生に研究内容を説明する。4年生や大学院の学生は、3年生に理解してもらう難しさに直面するとともに、人柄と研究姿勢で議論が沸騰する。
11月 「見る立場から、見られる立場へ」
3年生と修士1年生の就職活動が、目前の時期。本人たちは、見る立場から見られる立場への変化を、実感するはず。と同時に、面接試験で必ず聞かれる「研究室では、どんなことを・・・」に、対策を立てることになる。
12月 「シンプル&クリアー(簡潔、明瞭)」
簡単な日本語で、誰にでもわかるように、話したり書いたりすることが重要。文章であれば、主語述語を正しく。話し言葉では、要領よく。3年生のゼミでは、「専門用語のクイズ」を行う。「青森が産地で、甘酸っぱく赤い果物は・・・?」の正解は、「リンゴ」。 これにならって、専門用語を、類似の言葉を使わずに説明するクイズ。やってみると結構難しく、誰にも当ててもらえずに、皆ショックを受ける。
1月 「読んでいただけるものを、書きたい」
書くことよりも、読んでもらい理解してもらうことの方が大変。4年生は、論文の追い込みで、みな文章を書くことの難しさを実感する。でも、これが卒業論文や修士論文では、もっとも重要なことかもしれない。3年生にとっては、4月からの研究テーマを固める時期でもある。
2月 「研究は厳しく、宴会は楽しく」
1月末の論文締め切りの後、第3週まで、発表会が続く。論文を書いても、その後が大変と初めて気づくことになる。でも、発表会の後は打ち上げ。やっと重たい荷物から開放される。
3月 「立つ鳥、跡を濁さず」
旅行に行ったり、学会に出す論文を準備したりで、行動は皆様々。でも、卒業式の何日か前には、みんなで大掃除と模様替え。模様替えは、机の配置を含めて、研究環境最適化には重要な仕事。
「M.みどり」さん(平成14年度入学)の、入学当時から現在までの学生生活について紹介しています。
1年、春
大学入学。
人とは違った専門性の高い勉強をしたいと思って入学。 日本広しといえども、流通やロジスティクスについて工学的な視点から勉強できるのは、 東京海洋大学の流通情報工学科(当時は東京商船大学)しかないのです。
入学して驚いたのはお台場や銀座、東京ディズニーリゾートが電車で30分圏内。 だからと言って、あんまり遊び過ぎないようにしなくちゃね!
1年、夏
ロジスティクスについての授業を受けて、ロジスティクスに対するイメージが一変。 ロジスティクスって単純に輸出入や運送のことを言うのかと思っていたけれど、もっともっと奥が深い!
生産地から消費者のところにモノが届くまでにはたくさんの「物流段階」があって、 それを時間、コスト・・・など目的に合わせて最適に操作することがモノを動かす醍醐味かな。
多くの企業が物流のスペシャリストを求めているらしく就職状況もいいらしい。 がんばって勉強していこう、と意欲たっぷりです。
1年、秋
うちの学部(海洋工学部)は海洋システム工学科と海洋電子機械工学科の1ヶ月の船舶実習に合わせて、 夏休みのあとに試験があります。
流通情報工学科には、長期の船舶実習はありません。 4年間に1回だけ、2泊3日の短期自習があるだけです。
だから、船舶職員の免許は取れません。
夏休みの間にじっくり勉強ができる!と思いきや、ノートを開くのはテスト期間の一週間前・・・。 やばい、と夏休み前の記憶をたどりつつ試験勉強。
船舶実習から帰ってきた海洋システム工学科の友達は真っ黒に日焼けしてすっかり海の男、海の女に。
1年、冬
うちの学部は「指導教員制度」という制度があります。 簡単に言えば学生が自由に担当の先生を決められる制度。 単位や就職、プライベートな相談までしやすい環境です。
苦瀬先生を指導教官に選んだわたしは、先生主催の懇親会に参加。 お好み焼きを食べながら、苦瀬先生や大学院の先輩から貴重なお話をたくさん聞くことができた。
就職の話や研究の話、恋愛の相談も!? 何でも話せるざっくばらんな雰囲気で楽しかった。 先生の飲みっぷりも素敵☆
2年、春
1年のときは一般教養科目がほとんどだった授業も、2年になると専門科目が増えてくる。 物流でも、倉庫やターミナル、物流機器のことだったり、国際物流や港湾の授業だったり、と幅が広がってくる。
情報系ではいろいろなプログラムを組んだりも。 苦手なプログラムは課題の提出のために遅くまでパソコン室で居残り・・。 でも友達と協力したり、プログラムの得意な友達に教えてもらったりしてなんとか出来た!!
2年、夏
学生生活も落ち着いてきて、就職活動や卒論を考えるにはまだちょっと早いというこの時期。 時間を一番自由に使える時期かも。
周りの友達も部活やサークル、趣味、アルバイト、資格取得、と人それぞれ色んなことに熱を入れている。
わたしは、ちょくちょく旅行してたなぁ。 関東近郊の温泉街は制覇!?美人の湯を求めては色んなところに足をのばしたけれど効果はどうかな?
2年、秋
「物流センター管理」という授業では発注方式について学ぶ。
お店の倉庫などに商品を置きすぎても効率が悪いし、商品が足りないとお店の売り上げが上がらない、 というので適切な在庫の数を計算することが必要。
これをアルバイト先のカフェの食品の発注に使ってみる。
こうして授業で勉強したことをアルバイト先などで活かせるのは楽しい!
2年、冬
2年後期のテスト。
単位が足りないと3年に進級できず、留年してしまうからみんな勉強や過去問収集に必死!
こうなる前にちゃんとやっとけばいいのに。でもわたしも他人のこと言えません・・・。
3年、春
汐路丸実習に行く。 4年間で1回だけの短期船舶実習。 3泊4日(2005年からは2泊3日になるらしい)で東京湾~館山湾~大島の船上で過ごす。 操船の仕方を習い、見張りや船の旋回実験などをおこなう。
船酔いでダウンしたりしたけれど、とても貴重な体験だった。船上から見える朝日や陸の夜景は最高!
3年、夏
夏休みを利用してインターンシップに参加。 日通総研で2週間。 はじめは不安だったけど、会社の人がとても良くしてくれてあっという間の2週間でした。
授業で物流についての知識を身に付けていると思ったけれど、 現場の人と話をすることでまだまだ勉強不足だと痛感。 ビジネスマナーも少し身についた。
色んな面で、ちょっぴり成長したかな。
3年、秋
研究室配属の季節。 自分の行きたい研究室を決めるために数週間かけて色々な研究室の研究内容を聞く。
同じ学科でも研究内容の幅は広いことを知って驚き。 先生が魅力的(?)というのが一番の理由で物流システム研究室配属を希望し、決定。
先生、先輩方、よろしくおねがいしま~す。
3年、冬
就職活動開始。
流通情報工学科では物流企業40社を集めて合同説明会が行われる。 ひとくくりに物流企業と言っても、業務内容は色々。
製造業もあれば、卸小売業も。もちろん倉庫業や運輸業も。
情報システム開発に行きたい人は、ソフトウェア企業もあります。
40社以外にも興味のある会社もあるし。 自分にはどんな仕事が合っているんだろう・・。
合同説明会では何社か説明を受けたうちの1社に興味を持ちました。
4年、春
就職活動が本格化。何社か企業(主に物流子会社と物流のシステムの会社)をまわる。
結局大学の合同説明会で興味を持った物流子会社に内定を頂き、就職活動終了。
でも先輩たちから大学院進学を薦められ、女子学生の先輩も大学院にいるのでちょっぴり迷ったり・・・。
4年、夏
3年で授業の単位は、頑張って取り終えていたので、研究に全力投球。本格的に卒論についての勉強を始める。
スケジュールは自由に決めるので旅行やアルバイトの計画を立てながら、研究の計画も自分で立てていく。
夏休みの後半には他の研究室と合同で研究の中間発表(夏ゼミ)があり、それに向けて研究の整理や資料作り、 発表練習にと大忙し!学生同士の議論や、先輩からのアドバイス、先生とのゼミなど、試行錯誤の連続でした。
その甲斐あって発表の出来は・・・HPの「アルバム」参照です。
がんばった分、発表の後の懇親会はおいしいお酒が飲めました♪
4年、秋
内定先の会社の内定式があり、同期の人たちと初顔合わせ。 来春からは社会人なのかと思うと、大学の4年間は本当にあっという間! 残り少ない学生生活も、たくさんの思い出を残せるように充実した日々を送りたいなぁ。
研究は、データを採取するために研究室のメンバーの手も借りて、丸1日かけて実態調査を行いました。 車の種類や荷物を建物内に運ぶ方法を調べたり、荷物の数を数えたり。
目視でわからないことについては、実際にドライバーさんにヒアリングもしたりしました。
私の研究で、物流に関する仕事が効率的になったり、仕事をしやすい環境になったりしたらうれしいなぁ。 そのためにもこの調査結果を無駄にしないように、しっかり分析しなくちゃっ!
4年、冬
1月末日の卒論提出に向けて追い込みの時期。 卒論作成のために、連日遅くまで研究や論文を進める日々。 一生に一度の「卒業研究」なんだから、後悔するような論文にはしたくないと思って提出日ギリギリまで頑張る。
論文を提出し、その発表が終わったあとは、すごい達成感でした。 研究がこんなに楽しいのなら、大学院に行けばよかったかも!?
その甲斐あってか(いや、本当は先生や研究室の人に支えられていたからだと思います)、 わたしの論文が「日本物流学会研究奨励賞」を受賞しました。 わたしでいいのかな?と思う反面、やっぱりとてもうれしかった~!
卒論が終わってからは、卒業旅行に同じ学科の仲間たちとグアムに出発! 太陽がまぶしくて、海がきれいで、たくさん笑って、とても楽しい旅行でした。 同じ大学で同じ4年間という時間を過ごした仲間たちは、大学時代に得た一番の宝物だと思います。
春から社会人や大学院生で、みんなばらばらになるけれど、時に切磋琢磨し、 時に支え合えるような仲間たちに、この大学で出会えたと思います。 本当にこの大学に入ってよかったなぁと、グアム最後の夜にビーチで星空を見ながらしみじみ思いました・・・。
2004年度、夏ゼミ合宿(国立赤城青少年交流の家、2004年8月、高橋兵藤研究室、長岡技科大松本佐野研究室と合同ゼミ)
2004年度、懇親会(2005年2月)
2008年度、懇親会(餃子パーティ、2009年2月)
2008年度、卒業式(2009年3月)
2010年度、卒業生Junさん来日(2010年10月)
2011年度、夏ゼミ直前(2011年8月)