「おはよう」と言う声が聞こえ、私の目の前に摩訶不思議な夢境がひろがっていた。
漂白されたような真っ白な病室に、2人の人間がいる。1人は白衣を纏った長身で白髪の医者らしき男で、もう1人は患者衣を着て寝台に横たわっている。患者と思わしき男が目の前に映る男をぼうっと見つめている。その顔には虚な表情が映るが、彼自身は痴呆のようには見えず、むしろ彼の目には、ま
さしく“鋭さ”というべきものが宿っていた。医者の男は白衣を纏い、患者を見ることなく手遊びをしたりしている。
「あなたの名前は?」
おもむろに患者が尋ねた。
「私の名は(夢の中のためか、聞き取れない)だよ。君の名前を君は忘れてるだろうし、ここには私と君以外がいることなどないからこのまま君と呼ばせてくれないかな」
患者はこの状況に臆することなく質問をした。
「私の記憶は戻らないのですか?」
どうやら彼は記憶を失っているようだ。
「いや、戻せるさ。実験はまだ終わっていない。これから私たちは7日間経過観察としてここで顔を合わせる。その間には、きっと思い出せるはずだよ」
患者はしばらく考え込んだのち口を開いた。
「私がこの病院に来た時、こう説明されました。『君の病気は世界でも類を見ないほど先進的技術で治療される。これが成功すれば君はその病に打ち勝ったというだけでなく、名誉ある革命的療法によって治療される人間の第一号になるのだ』私にはこの病院に入る前の記憶がありません、自分の名前も、住所も、友人や恋人がいたかも思い出せません」
「では今、思い出せることはなんだね?」
博士が訊いた。
「私は今、誰かに見られているということです」
*
2日目
博士が病室に入ると彼はおもむろに彼を見た。博士は知恵の輪のようなパイプを吸いながら現れた。彼がパイプを吸うたび管楽器のような音がした。患者は眠れなかったのか隈ができているが、やはり彼の目には鋭さが宿っていた。
「博士、この経過観察の7日間で私は自分の記憶を取り戻すことができるのでしょうか? 私の病気は記憶と引き換えになくなりはしませんか?」
恐怖の表情を見せた患者に、博士は訊いた。
「君が気になっていることはなんだね?」
「症状です」
すぐに患者が答えた。
「君の病気は君の海馬を司る神経、ニューロンの誤作動が原因だと我々は判断している。君の海馬はありもしない記憶とごっちゃになり、正常な判断、思考、会話が難しくなっている。そこで、私たちは一度記憶をリセットし、エラー状態の神経を鎮静状態にした後、君に記憶を取り戻すような手術を行ったのだよ」
博士が不思議なパイプを咥えながら答えた。
「7日間で私は記憶を取り戻し、完全に治療されるのですか?」
博士はニヤリとして答えた
「そうだ。だからゆっくり夢でもみていたまえよ」
「それにしても私になぜ大層な治療を施すのですか?今は1人の人間より、作物の方が大切じゃありませんか?」
患者は首を傾げた。
「確かに、人類が農耕や畜産をやめて約300年になる。種の繁栄に化学物質の食料は向いていない。すでに出生率は一桁すら切ろうとしている。まあ、人類は地球でもう生きられない。それは確かだ」
*
3日目
「経過観察を行なっているわけだから、訊くんだけど、何か異常はあったかね?」
博士は今日はパイプを咥えていなかった。代わりに、玩具のようなレンズが空いた赤縁の眼鏡をかけている。
患者はしばらく考え込んだのちに話し出した。
「一晩中、眠ることができませんでした。頭の中からイメージが湧いて出てくるんです。イメージを止めようとしても止めようとするイメージが頭に浮かんで、そのイメージが浮かんできた別のイメージと繋がって、さらに別のイメージになる堂々巡りが続いているんです」
博士はそれを訊くと、満足そうにうなづいた。
「いいね、これは良い兆候だよ。君の中の記憶はイメージとアイデアの反芻によって取り出せる。そのまま続けていけば、7日間の内に思い出せるだろう」
患者は困ったような顔になって
「このままじゃ記憶を戻すより先に気が狂いますよ」
とため息をついた。
「気なんて狂わない、環境に適応しただけさ」
博士は眼鏡を掛け直した。
*
4日目
「ちょっとしたクイズをしたいんだけれど、いいかな?」
博士は病室に入るなり、患者に訊いた。患者はぼうっと部屋の隅を見つめている。
「どんなクイズですか?」
部屋の隅を見ながら患者が質問した。
「君の記憶を取り戻すことにつながるかもしれない。とは言ってもはっきり役に立つとは言えないな」
「出してください」
歯がゆい回答にいらだったのか患者が急かす。
「では聞こう。人間にできて、AIにできない唯一のことがあるんだが、何かわかるかい?」
「ひらめきですか?」
患者が答えた。
博士は興味津々で尋ねた。
「すごいね、速く頭を動かしているのかい?」
「不思議な言い回しですね?『頭の回転が速い』というのが一般的だと思いますが」
患者が興味深そうに尋ねた。
「そうかい?私は一般的じゃないのか、なら良くないな、普通に変えておかないといけない」
患者が怪訝な表情をする。
「まあいい、その通りだよ。AIはビッグデータと過去の学習が思考の底にある。だから、人間のような発想はできない。人間の行う“発想”というものは、自らの潜在意識の中から湧いて出てくるものだ。そこには論理的思考は存在せず、記憶の奥底にあるイメージと深く結びつき、爆発のように突然考えつくものだ。人間はそんな不可思議で興味深いものを無意識のうちに行えるのだよ。考えるだけで人間の脳とはなんたるか、考えずにはいられないだろう?」
博士はここで長い溜め息をついた。
「つまり、博士はイメージによって私の記憶は蘇ると言いたいのですか?」
患者が訊いた。
「ああ、おそらくそれが最短ルートだよ」
突然患者が部屋の隅を見つめながら譫言を繰り返した。彼の表情には、くっきりと恐怖が刻まれている。
「あなたはどこにいるんですか⁉︎」
「私にはあなたが見えません!誰ですか⁉︎」
「おお、何が見えているんだ⁉︎教えてくれ!」
博士はまるで新種の生物を見つけた学者のようにはしゃいで患者に尋ねた。
「なんですか博士あれは⁉︎あのあれは⁉︎」
「何が見える?」
「わかりません!進んでいます!」
「きっと君のイメージだね、さすがに疲れているのだろう」
「違う、これは現実じゃない!誰⁉︎」
誰⁉︎、誰⁉︎と患者が叫び続ける。博士はご満悦の様子で病室を出て行く。
*
5日目
博士が部屋に入ると、今度は彼は部屋の隅を見ることなく、まっすぐ彼を見た。患者の目は腫れたような隈が出来ていたが彼の眼差しにはますます鋭い光が宿っていた。教授はそんな彼の様子を見て、満足そうにうなづいた。
「良い兆候なのですか?」
患者は不安そうに尋ねる。
「間違い無くね。何もかも滞りなく順調に」
「昨日からイメージがよりはっきりするようになりました。イメージが頭の中に浮かぶ時、現実のようにはっきりとはしないでしょう?漠然としていてどこがピントが合わない感覚があるのわかります?でもいまはイメージの感覚がはっきりしているんです。イメージしているものの全てが今はわかります。イメージの内容を一から百まで全て説明できるんです。瞬間的に浮かぶ全てのイメージを私は受容し、理解し、記憶しています。詳細も説明したほうがいいですか?」
「いや、その事実確認だけでいいよ。聞きたいのは眠いかどうかだよ」
博士は軽くかぶりを振って答えた。
「全く眠くありません。あなたがいる時もいない時も僕の脳は全く同じ活動をしていると思います」
「そうかい。今君には、ぼくはどう映っている?」
「わかりません。画像じゃないのはたしかです」
「興味深いね」
「興味深いのはこっちです。考えがいがあるようですから」
患者は考えに集中しているのかどこか投げやりな返答になる。
*
6日目
患者の隈はもうものもらいのように分厚くなり、もう少しで彼の目を覆ってしまいそうなほど大きくなっている。
「すまない。辛いだろうが、後1日、後1日の辛抱だから耐えてくれ」
博士はどこか切実に祈っているようにも見える。
「イメージはどうなったかね?」
博士がその顔のまま尋ねる。
「もう不思議じゃありませんよ」
彼はやはり要領を得ない返答である。
「なんというか、たくさんいて、わくわくしてます」
彼はイメージが幻覚として見え始めたようで天井をあたかもナイアガラの滝のように眺めながら答えた。
「ならよかった。此処と同じだね」
博士は安心したようで微笑んだ。
「私の視ているものが現実と同じというんですか?」
全く理解できないというふうに被験者は半笑いで質問する。
博士は少し黙った後、
「質問を返すようだが、君は現実をどう定義しているのかね?」
と聞いた。
「そんなものの定義などありませんよ、現実以外の世界を我々は知らないのですから我々が寝ているなら時以外の世界が現実ではないのですか?」
「夢以外の世界が現実ということかね?。“現実”という幻に囚われているものの答えとしては限りなく正解に近いと言える」
博士のよくわからない話を患者は目を逸らすことなく真剣に耳を傾けている。
「さて、明日になれば君の記憶は完全に元に戻るだろう。今見ているイメージや幻覚も消えるだろう。意識がはっきりして色々とわかるようになる。私たちが顔を合わせるのもそれで最後になる」
博士は彼に目を向け、病室を後にしようとする。
「博士、最後に一つだけ質問させてください!」
患者が博士を慌てて呼び止める。
「博士の定義する現実とはなんですか?」
博士がぼそりと言葉をこぼす。
「君が認識したことだけが現実となるのだよ」
博士は患者に対してきっぱりと答えた。
*
7日目
博士が病室に入ると、彼は昨日とは見違えるほどであった。目の下の隈は完全になくなり、ぎらついて血走った目はどこか眠たげであった。
「よかった。治療は完全におわったよ。ゆっくり眠って休むといい」
博士は優しく彼に声をかけた。
「はい、もう何もかもわかりました。私に病気など始めからなかったこと。あなたが、と言うよりあなた方が診断した病気など存在せず、治療は全くの出鱈目で、あなた方が私にした治療は脳髄に関わる重大な実験だと言うこともわかりました」
*
博士は彼の告白に対して動じることなく返した。
「それがわかっているのなら、実験成功だ。キミはこれから素晴らしい命の揺籠となる」
彼は自分の危機を恐れることなく、冷静に質問した。
「博士、教えられることを全て教えてください、私が命の揺籠になるとはどういうことなのですか?」
「脳髄恒久並列化演繹実験」
表情が訳がわからないという顔をする
「君にした実験の名前だよ。と言うよりこれは臨床的なものではなく、明確な結果に基づいて行われる人体改造だがね。端的に言えば、キミの脳を改造してよりハイスペックで専門的な機能に特化したマシンに改造したのだよ」
驚いたことに、被験者はこれでも表情が崩れた様子は見せなかった。
博士はそのまま説明を続ける。
「君の脳はしばらくすると覚醒状態での脳の活動が不可能になる。加えて、睡眠状態以外の活動はない訳だから、メモリが増えた分、新しくソフトをダウンロードしておいた。“演繹”の要素はこの部分だね」
「高度な電算機にでもなるのですか?」
被験者はにべもなく言った。
「いいや、君の存在はそんなちゃちな玩具にはならない。もっともっと不可思議で、現実的であるような、そんな言葉で定義できないような、物理も論理も愛も倫理も飛び越えた全く新しい概念となる」
「そうだな」
「人間的、というべき存在になる」
被験者は少々イラついた口調で訊く
「私に隠さなければならない事情がもうないのなら、私がどうなるかを全て話してください」
「この世界はもう終わる。だから君の夢の世界で暮らす必要があるんだ」
*
博士の目はこの瞬間ようやく真実を語っていた。
「我々が操作して戻したはずの記憶の中に実験の詳細は存在しなかった。どうしてキミは脳髄に関わるものだとわかったのかい?」
患者はあの部屋の隅を眺めながら口を開いた。
「あなたの質問がヒントになった」
患者が答えた。
「4日目にあなたは人間にできてAIに出来ないことは“ひらめき”だと言った。そして私のとめどないイメージはひらめきそのものとしか言いようがなかった。私の脳髄は改造され、よりひらめきという活動に特化するようになったのでしょう?」
彼はゆっくりと博士に目を合わせて訊いた。
「そして5日目は私に眠いかどうか聞きましたね?あの時私は全くと言っていいほど睡眠欲がありませんでした。ですが今私は今にも倒れこみそうなほど眠いです。この7日間、私の体は永久の眠りにつく準備をしていたのですね」
彼はまた部屋の隅に目を戻した。
「そして6日目、私は自分の答えに確信が持てなかったので質問したんです。私の問いにあなたはこう答えた。“キミの認識したことだけが、現実となる”と」
彼の眼差しが少しだけはっきりとする。おそらくこの弱々しい眼光が、眠りゆく彼が持てる最大の意志なのだろう。
「私の夢で人類は暮らすのですか?」
瞬間、彼は眠りに落ちた。
*
彼は、真っ白な世界に立っていた。まだ、生成しきれていないような未完成の領域のように見える。
「乗りたまえ。ここがキミの最後の意識領域だよ」
博士の声がするなり、エレベーターが降りてきた。とは言ってもドアではなく鉄格子が取り付けられ、鳥籠のような造りになっており全ての景色が見渡せるようになっている。
「博士、これはどこへ向かうのですか?」
彼は出どころのわからぬ声へ叫んだ。
「先へだよ」
博士が答えた。
エレベーターに乗り込むと、博士が乗り込んできた。エレベーターの内部にはメーターがあり、1から5までの数字が割り振られている。未完成の世界が丸めた新聞紙になってしわくちゃに丸まり、ゆっくりとエレベーターは昇り始めた。
「博士、私の夢でどう人類を救うのですか?」
彼が聞きたくてたまらないというふうに訊いた。
「説明すると長くなるが、いいだろう。夢の世界は時間の流れというものが存在しないからね」
下に見える新聞紙は気付けば月になって、その上でウサギが餅をついている。
「50年前、我々は極秘に世界を変えてしまう発見をしてしまった。そして脳みその未開拓領域は深海のそれとは桁違いだったと知ったのだよ。そして、人類はその未開拓領域をこれっぽっちも使えてやしない。その全ては夢でのみ使えるのだと発見した。その後かろうじて残っていたNASAを我々は吸収して、人類最後のフロンティアに挑んだ。大規模な脳髄開拓の後に、我々は人の脳髄に移住できるとわかった。そして、人間を永久的にレム睡眠状態にできる改造実験を繰り返し、その状態で生きながらえることのできるコールドスリープ装置を開発した。こうして、あとは移住先を見つけるのみとなった」
エレベーターのメーターは2を指していた。なめし革のような翼が生えた蛇や羽毛の生えた魚、結晶化した傘を持ったクラゲが空中を泳いでいる。
「移住先を見つけることは簡単だった。明晰夢を見ることができ、健康で若く、何より柔軟な発想ができることが何より大事だ」
博士はエレベーターに入ってきたクラゲの傘をつまんで天井についた豆電球と取り替えた。
「キミの溢れ出るイメージは私たちが改造してできたものじゃない。元からあったものに過ぎなかったのだよ」
エレベーターのメーターが3を指し、巨大な空中戦艦がいくつも浮かんでおり中でもとりわけ大きな母艦が絶えず周りの戦艦とドッキングを繰り返しはじめた。下で蠢く不思議な生き物たちは気付けばサラリーマンとなり、働き蟻のように歩き回っている。
「夢の中は自由だ。物理的概念は覆り、“発想”こそが物理となる。時間的概念は忘れ去られ、刹那的な永劫と永久的な須臾が同時に存在できる。なぜこんなことが人間の認識一つで可能になるかは、わからない。だが、人間の意志というものはどうやら時間も質量も置き去りにして、超科学的な力を持っていると私は信じている」
メーターが4を指し、エレベーターは宇宙に出た。エレベーターが上に進んだ軌跡には、青白い光を放つ細長い飛行機雲が残っている。
「きっと我々が進んだ軌跡は星座になるのかな?」
博士は光り続けるクラゲの傘を見ながら言った。
カンダタの糸のようだなと彼は思った。
「見たまえ、ブラックホールだよ!」
彼がクラゲの傘の光で懐中電灯のように前を照らした。
真っ黒な鯨の形をしたそれは飲み込んだクラゲの傘の光を潮のように吹いていた。
「宇宙の構造が我々の脳と酷似していることをしっているかね?」
博士はクラゲを天井に戻しながら尋ねた。
「脳の神経、シナプスのネットワークと、銀河系の構造はとても酷似しているそうだよ。ならブラックホールは細胞の死滅というべきかな?」
*
気付けば、2人は元いた真っ白い空間に戻っていた空間はゆっくりと形を帯び、やがて2人が初めて出会った病室になった。
初めて博士の顔がはっきりと見えた。彼の顔は聡明で優しそうな初老の男だった。博士を見て彼は微笑んだ。
「最初から夢だったんですね。目覚めた時から」
「ああ、明晰夢も完全に機能されると困る。起きたいという欲求に駆られ、あの7日間に見せかけた夢が崩れ、キミが構築するであろう現実が認識されない恐れがあった。手術の際に7日間の最後までオフにさせてもらった。これでキミはキミの発想が現実を創り出すと認識できただろう。これで全て終了だ。ゆっくり眠るといい」
博士は病室を出て、真っ白な光の中へ進んでいこうとしている。
「最後に一つだけ、訊きたいことがあります」
彼が博士を呼び止める。
「私があの時、誰⁉︎と繰り返していたのは、誰かに見られている感覚があったからです。きっとそれはあなたとあなたの仕事仲間だと思います。ですが今
私の脳はそう思えず、別の何かだと認識して、現実を書き換えているようです」
彼は小学生のようにまっすぐ尋ねた。
「私の夢をなぜ覗いているのですか?」
博士はいつの間にか被っていた帽子を手で押さえて言った。
「そうだね。まだ少しつづくからじゃないかな?」
博士はそう言って笑った。
「さようなら。キミが見る夢の中に、私がいるのなら大変幸いだ」
博士は光の中に溶けていった。
静かな病室の中に彼は立っていた。ベットの脇に写真が2枚落ちていた。1枚は頭のレントゲン写真のようなものであり、彼はそれが人間の脳だと認識できた。
2枚目は摩訶不思議な解析図のようで、言うならばちょうど地球を大気圏外から撮ったような、宇宙を“外から”撮ったもののようだった。
彼はその写真を重ね合わせた。病室の淡い光は2枚の写真を透過し2つの写真の輪郭はピッタリと合わさった。彼が認識したその事実は彼の視神経を走り抜け、右脳へと伝わり、やがて宇宙へ飛び出し、銀河を越え、現実となった。