葉の間からちらちらと顔をのぞかせる光が肌を焼きつける。めいいっぱいに伸ばされた枝が天を覆い、下を見れば横倒れになった大木の上を木の根が這いずっている。己の同士すらも養分へと変えているせいか、それともこの日照りのせいか。異常なほど成長した木々が見渡す限りの視界に広がっている。頂点は雲を掻き分けるほど高く突き上げ、その胴体は一人では到底抱えきれないほどに太い。まるで小人になった気分だ。
茹だるほどの暑さが漂う森の中をひたすら歩いている。永いながい眠りから覚めてしまったばかりに、避けられたはずの苦労が再び目の前に襲いかかっているのだ。
一度呼吸をしてしまえば、たとえ永く在りたくなくとも、消え去ることに勇気がいる。
こんなことならば目覚めた瞬間に焼かれてしまいたかった。何かを感じる間もなく消え去りたかった。
ただただ尽き果てる時に怯えることしか出来ない矮小な命がさまよっている。
何倍にも膨らんだ太陽がこの森を照らす。木漏れ日の中、私はただ一人休む場所を求めて歩き続ける。
ここにはもう誰もいない。