USGSのカタログでM7.0(タイプによらず)を超えた場合には,自動で複数周波数帯域でBack-projection解析が走る仕組みになっています.イベントカタログは,obspyでサーチしてその後は,Tarumi & Yoshizawa (2023, 2025, EPSL)で開発してきた波形解析・BP手法でイメージングしています.我々の手法では,地球内部に存在する様々な波長スケールでの構造不均質を考慮して,複数周波数帯ごとに走時補正を行っているだけでなく,純粋なP波成分だけを抽出するために3成分波形をP波入射方向に回転することで,精度向上を図っています.またスラブ付近での地震は,そこにプレート境界がある場合を仮定して,Slab2.0モデル(Hayes et al., 2018, Science)を基にした境界面内に投影した結果も表示しています.
ここに掲載しているものは主に自動解析結果のみですので,必ずしも正しいとは限りません.結果公開後,折を見て結果を精査する場合があります.その場合精査前後で予告なしに結果が変わる可能性がありますので,何かで引用する場合は注意して下さい.なお,精査済みのものは,イベント名の前に [R]を付しています.
※自動Back-projection解析には,II,IU,G,ICの波形データをEarthScopeから入手し使わせていただいております.記して,感謝申し上げます.
※2026 or 2027年度には,北海道大学地震学研究室のHPへ移す可能性があります.そうなった場合はこのページにて告知します(2026/03).
[Reference]
[1] Tarumi, K., & Yoshizawa, K. (2023). Eruption sequence of the 2022 Hunga Tonga-Hunga Ha’apai explosion from back-projection of teleseismic P waves. Earth and Planetary Science Letters, 602, 117966. https://doi.org/10.1016/j.epsl.2022.117966
[2] Tarumi, K., & Yoshizawa, K. (2025). Frequency-dependent seismic radiation process of the 2024 Noto Peninsula earthquake from teleseismic P-wave back-projection. Earth and Planetary Science Letters, 666, 119509. https://doi.org/10.1016/j.epsl.2025.119509
[3] Hayes, G.P., Moore, G.L., Portner, D.E., Hearne, M., Flamme, H., Furtney, M. & Smoczyk, G.M. (2018). Slab2, a comprehensive subduction zone geometry model. Science, 362, 58–61. https://doi.org/10.1126/science.aat4723
概要: どの帯域でも,P波源が東に向かって卓越して動いていく様子が見られます.今回のデータセットでは,北のヨーロッパと北米あたりの観測点が中心で北半球方向のcoverageは良いので安定しているように見えますが,南北に伸びたイメージが得られているのはこの影響かもしれません.P波源のスナップショットを見ると,断層トレースをなぞるように移動しているのがわかりますが,50秒以降では断層トレース上のものの他に,やや北部の波源を見ることができます.これは解析上のartifactかもしれないので精査する必要があります.なお,Mw 7.2,Mw7.5を一つの地震として解析していますが,結果を見ると30sまでとそれ以降でやや異なる振る舞いをしているようにも見える,ということを付記しておきます.
※この地震は,自動解析公開を始めてから初めての内陸地震で,内陸地震で直線的な断層の場合震源域が広くなる傾向がありますが.自動解析で設定している領域では解析しきれませんでしたので,今回は手動解析になります.また,断層トレースを入れるようにしました.
概要: P波源が南西に移動およびその方向からの強い放射が確認できます.遠地波形では,震源から見た方位角が100~150度あたりでパルス的な振幅が強い観測点がいくらか見て取れるので,南西方向へのdirectivityが示唆されます.なおこの周辺のプレート境界は非常に複雑な形状になっていてSlab2.0を使った自動解析では,スラブ境界がうまく補完できなかったので,そちらの結果は掲載していません.
概要: 長周期側の結果がほぼ点震源ぽく見えていますが,0.05–0.5 Hzや0.1–1.0 Hzの結果を見てみると,P波源が西北西に移動していることが確認できます.遠地波形を波形を確認すると,震源からの方位で西〜西北西あたりに強いimplusiveな波形が見られるので,観測からも整合的なdirectivityが見えています.なお,高周波の0.3–2.0 Hzの結果は,使用データの観測点カバレッジがよくないので,あまり結果が安定していません.
概要:
概要: 継続時間は20秒未満程度で,主に真北にP波の放射領域が移動しているため,主たる破壊は北側に進展したと考えられる.周波数帯域によらず強い放射が見られるが,高周波P波は震源付近から破壊開始直後に強烈に放射する一方で,低周波帯では震源破壊に応じた北方向への放射源の移動が見られる.