OB・OG会の紹介

 

沿革

 高津高校における男子ハンドボール部の歴史は、昭和23年(1948年)新制高等学校の発足とともに始まりました。それ以前、旧制中学の男子校時代、当時の校長 羽生 隆 先生の教育方針により、対外試合をする運動部は全く無く、その代わりに、バスケットボール、バレーボール、フットボール(サッカー)、テニス、送球(ハンドボール)という5種目のいずれかに全校生徒が属し、週1回、所定の曜日の放課後に運動して、11月初めに開催される「校内球技大会」の3日間に及ぶトーナメント制クラス対抗試合の順位による得点の5種目合計で総合優勝を争った様子が、中学22期 小西英博 先輩の「部誌(昭和36年11月高津ハンドボールクラブの大阪総合選手権 初優勝記念号)」への寄稿で詳しく紹介されています。昭和14年頃には、大阪府立の旧制中学校のほとんどが運動部を持ち、対外試合をして全国大会等にも出場していた中にあって、高津中学の校内球技大会方式は特殊でしたが、ともすると偏りがちな運動に全員が選手として参加するというこの方法は、それ自体一つの教育的見識を表すものとして相当高く評価されていたそうです。

 昭和23年の学制改革により、清水谷高校(旧制清水谷高等女学校)と生徒・教職員を交流して男女共学の新制高等学校が発足し、高津高校でも対外試合をする運動部が創部されました。男子ハンドボールの創部に関しては、高校3期の先輩達が2年生になられた昭和23年、当時3年生の部員は一人もいない中、2年生の同志が集まって自分達の手でクラブを創り上げ、キャプテン 橋本靖雄先輩を中心にがっちりとチームワークを固めて活動されていたと、田中さや先生が「部誌」巻頭に「伝統」というタイトルで紹介されています。田中先生曰く、当時の優等生・模範生で占められたクラブで、上級生から下級生へ、先輩から後輩へと指導する伝統が、創部以来、受け継がれていったそうです。

 創部当時、顧問の岡本先生の関係で大阪歯科大学の方々にコーチして頂いたそうですが、高校3期の橋本靖雄先輩・佐々木蔵雄先輩達がOBとなられると、寸暇を惜しんで現役の指導に来られ、その後、5期 額田晃作先輩・上田孝先輩・渡辺巌先輩、6期 山中将司先輩と受け継がれ、長くOBが現役をコーチするというクラブの伝統が築かれていきました。そして、 1954年(昭和29年)、7期の榎本秀一郎先輩・津田祐司先輩・廣田淳二先輩・松田一彦先輩達が3年生の時に、8期 西田武彦先輩、9期 佐竹貞夫先輩・辻本陽之助先輩達のメンバーで、大阪府大会においてベスト4に入りました。

 一方、女子ハンドボール部は昭和30年 (1955年)4月に当時の3年生(高校8期) 徳美(現姓:箕浦)恭子先輩、北野(豊田)喬代先輩、藤原(伊藤)聆子先輩、2年生(高校9期) 部長の菊井(福家)清美先輩、俊足の吉川(高本)登志子先輩、長身の石丸(浅田)幹子先輩、剛腕の北島(桝取)恭子先輩によって創部され、直に1年生(高校10期)の荻原(浅田)節子・岩瀬美弥子・波木(木田)康子・山口(長屋)幸代・前川(野中)寿々子らの先輩達が入部されました。当時は11人制で、1.菊井、2.平塚、3.波木、4.山口、5.岩瀬、6.松尾、7.荻原、8.吉川、9.石丸、10.森、11.田中のレギュラーメンバーで試合に臨み、試合を重ねる度に強くなって、昭和31年2月の冬季7人制大阪室内大会初出場で3位入賞と健闘されました。

 多くの逸材を輩出し、3世代70年余に亘る歴史と伝統を誇る高津高校ハンドボール部に、2004年(平成16年)5月29日、「ハンドボール」を通じ、母校の現役とOB・OGを繋ぐ組織として、大阪市中央公会堂での設立総会を経て、「高津高校ハンドボール部OB・OG会」は歩みを始めました。設立総会の当日は、村田弘元全日本ハンドボール監督(高津高校旧職員)を始め、歴代顧問の先生方、又懐かしい先輩方など大勢の方々の出席で随分盛り上り、総会にて本会の役員、規約等重要な事柄が満場一致で取り決められました。

 「高津高校ハンドボール部」は長い歴史と伝統を誇り、数多くの優秀な選手や社会人を輩出してきた名門クラブでありますが、2004年まで、OB・OGの組織がなかったこと自体高津らしいというか不思議でなりません。しかし、先輩たちの熱い想いを受けて本会が誕生したことは本当に慶ばしいことであり、皆様方のお力により本会が末長く発展していくことを願っています。

 これまでの間、物心両面で多大なご支援を頂き、現役を支えて頂きましたOB・OGの皆様には、心より厚く御礼申し上げます。お陰様で男女現役は、現在府下有数の進学校として文武両道の精神をベースに、クラブ顧問の熱心な指導の下、府下上位校を目指し日々練習に励んでおります。

 2014年にOB・OG会結成10周年を記念して、昭和37年1月に発刊された「部誌」の精神を引継ぎ、半世紀の時を経て装い新たに「部誌2」を発刊しました。「部誌2」が学生時代を懐かしく思い出させてくれる「ハンドボール部卒業記念誌」として、また、現役とOB・OGとの絆を繋ぐ「縦糸」として役立ててもらえれば幸いです。

 さて、現時点での資料によりますと会員数は約800名を超える大所帯になります。 70年を超える伝統を積み重ね、三世代に亘る歴史を作ってきたことになります。会員の皆様に関する情報など、どしどし事務局までお寄せ下さいますようお願い申し上げます。

 本会の目的であります現役への支援活動についてですが、本会の運営上どうしても皆様方からの物心両面、特に資金的なご支援が不可欠であります。毎年、総会で年間予算(案)を示させていただき、「年会費」3,000円、そして「寄付金」の納入に格別のご理解をいただき、「高津高校ハンドボール部」の次の時代を担う若い世代に対し是非とも暖かいご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。