「介護」は「子育て」と違い、突然始まり、そしていつまで続くかわからないものです。
ケアマネジャーは介護が必要となった方でも、介護を受けながらも自宅での生活を続けられるように、介護をされる方の負担を可能な限り減らせるようにサポートを行うのが仕事です。
ここでは、介護サービスの利用までの流れを説明したいと思います。
何よりも、介護についてお悩みの場合には、お気軽ににお問い合わせください(電話:050-1724-3730 (月)~(金) 8:30-17:30)。
両親が年を取っていく事を感じても、自分の両親はまだ大丈夫と思いがちです。
離れて生活していると、その変化から目を背けてしまうことも少なくないですし、気付けない場合もあるでしょう。自分の子供に自分が弱っているところを見せたい親は少ないです。迷惑もかけたくないと思っている方がほとんど。
また一緒に住んでいると徐々に衰えていくために導入のタイミングが難しかったりします。
結果として、転倒をしたり、何からの病気が見つかって入院するタイミングで、介護サービスの利用を検討する方が多いのです。
でも実は、介護って本当に必要になる少し前から利用した方が、よい状態の維持にはよかったりします。
ちなみに、少し前のデータになりますが、日本の男性の平均寿命は80.98歳、女性の平均寿命は87.14歳と言われています。しかし人間老いれば怪我や病気をするもので、健康な状態である健康寿命は男性72.14歳、女性は74.79歳となっており、男性で約9年、女性で約12年の健康でない期間があると言われています。
介護サービスの利用には手順が必要です。また誰もが利用できるわけではありません。
ここでは介護サービスの利用状況について解説します。
介護保険は40歳以上65歳未満で定められた疾病が原因で介護が必要となった方か、65歳以上で何らかの理由で介護が必要となった方が利用できます。
またサービス利用までには、介護認定申請をして、要支援1~要介護5までのいずれかに該当する必要があります。介護認定結果により支援を依頼する場所も変わってきます。また利用できるサービスの種類や量も要介護度によって変わってくるのです。
40歳以上で要介護認定の申請ができる特定疾患は以下の通り。
がん末期、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)後縦靭帯骨化症、骨折を伴う骨粗しょう症、初老期における認知症、脊髄小脳変性症、早老症、多系統萎縮症、糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症、脳血管疾患、パーキンソン病・進行性核上性麻痺及び大脳皮質基底核変性症、閉塞性動脈硬化症、慢性閉塞性肺疾患、両膝の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症。
40歳以上65歳未満の人で生活保護を受給している方は申請方法が少し変わりますので個別にご相談ください。
前項で説明しました通り、介護サービスの利用をするためには介護認定を受ける必要があります。
介護認定を受けるには市役所(福岡市の場合は区役所)にて要介護認定申請を行うことが必要です。申請から結果が出るまでにスムーズに進行したとして約30日かかります。
福岡市では各区役所での申請のほか、介護認定事務センターへの郵送による介護認定申請ができますし、マイナポータルを使用したオンラインでの申請も可能です(介護保険被保険者証のPDFデータが必要 くわしくはこちら )。
介護認定申請に必要なものは、
1:要支援認定・要介護認定申請書
2:介護保険被保険者証(原本):40歳になると皆さんに発行されますので持っているはずです。紛失している方も少なくないのですが、その場合は要介護認定申請と同時に再発行手続きを行うようになります。
3.申請者の身元確認書類
4.マイナンバーの確認できる書類(マイナンバーがない場合は別途申請者の身元を証明するものを2つ用意する必要あり(福岡市の場合))
申請書を提出すると、市役所(区役所)もしくは委託を受けた業者から、自宅での介護認定調査の日程について連絡があります。入院している場合は病院で調査が行われます。入院したばかりであったり、施設に入ったばかりなどの環境の変化があった場合は1週間程度経って状況が安定してからの調査となります。
本人との調査面談と同時に、申請書に記載していた主治医のところへ意見書の依頼が届き、主治医が意見書を作成して、提出がされます。
この認定調査結果と主治医意見書のふたつを用いて、コンピューターが第一次判定を行い、要介護度が決まります。その後、介護認定審査会という会議が開催され、人間の目でコンピュターの結果でよいのか調整するのかが話し合われて、介護度が決まるという流れです。
介護度が確定されると、郵送で自宅に介護保険被保険者証が送付され、介護サービスの利用ができる状態となります。
介護保険被保険者証には期限があり、状態が安定しているか不安定化で3ヶ月~4年間の期間が記載されています。介護認定期間が切れると介護サービスの利用ができなくなるので更新手続きが必要です。介護サービスを利用している場合にはほとんどの方が担当のケアマネジャーがいる状況と思いますので、認定機関の管理や更新申請の手続きの代行をしてくれるはずです。
余談になりますが、要介護度が思っていたよりも低くでたと怒る方がいます。ここについては勘違いしている方が多いのですが、介護認定は介護が必要な時間を割り出して介護度を決めていく作業です。ですのでどんなに大変だろうとひとり暮らしで自分でやっていれば「自立」と捉えられてしますのです。介護認定調査時にはどんなに大変かをアピールするよりも実際にどんな介護をしているのかをしっかりと説明しましょう。そばに付き添うのも介護ですよ!また、その介護がどれくらいの頻度で起こっているのかも大切。半年以上前に転倒した話はしてもよいけど、それほど重要ではありません。
要介護認定が出ましたら、その結果により依頼する先が変わります。
要支援1・要支援2の場合は近隣の地域包括支援センターへの依頼となります。2024年の改正で予防居宅介護支援の指定を受けている事業所がありますので、近隣にその事業所があればそちらへの依頼でもよいです。ただ現状予防居宅介護支援事業所の数は少ないので包括支援センターへ依頼することがほとんどと思います。依頼後、包括支援センターの職員さんが担当するか、包括支援センターの委託を受けた事業所が担当をしてくれるかになります。
要介護1~要介護5の認定結果が出た場合には、居宅介護支援事業所に担当を依頼していくようになります。おそらく届いた介護保険被保険者証と一緒に近隣の居宅介護支援事業所の一覧が入っていると思います。その中から探すのです!当事業所「煌惺ライフサポート」もそのひとつになります。
ケアマネジャーがいる居宅介護支援事業所(ケアプランセンター)も、担当のケアマネジャーも、変更は可能です。しかし、実際にはなかなか交代は言いづらかったり、ケアマネジャーも人材不足なので担当してくれる事業所を探すのが大変だったりするので、最初が肝心です。
よいケアマネジャーの見つけ方は次項にて!
ちなみに、担当のケアマネジャーをつけずに、ご家族などの支援者がケアマネジャーがしているような業務を行うことも可能です。
ただし、毎月の保険請求業務や各介護サービス事業所とのやりとりなど、かなり煩雑ですのでおすすめはしません。
前項にて要介護1~5の認定が出た場合にはご自身で居宅介護支援事業所(ケアプランセンター)に連絡しないといけないと説明しました。
しかしどこに依頼すればよいのか悩みますよね。どんなケアマネジャーが担当になるかはまさに老後を左右する一大事です。
結論「相性」です!!
契約を交わす前に面談をすると思いますので、あまり相性が合わなかったのであれば、別の人や事業所に担当を依頼することもありだとと思います。私もケアマネジャーを12年していますが、担当する前に断わられたことが1件、担当していて断わられたことが3件あります。その時はショックでしたが、自分の力が及ばないことや、相性の問題もありますので仕方がないと今は考えています。
とはいえ、依頼する時点で希望を伝えておくこともできますので、いくつかポイントを記載します。
・性別 ケアマネジャーは要介護状態の場合は毎月最低1回は自宅に面談に来ます(2ヶ月に1回オンラインも条件によっては可)。男性だと怖いという方もいます。また昭和の時代を生き抜いた方はまだ女性だと話を聞き入れてくれない方もおられます。セクシャルハラスメントをしてしまう可能性がある方の場合も同性のケアマネジャーがよいかもしれません。ちなみにケアマネジャーの83%は女性です。最近は男性が増えてきてますが。
・年齢 ケアマネジャーの平均年齢は2024年の時点で54.3歳だそうです。なかなか若いケアマネジャーはいません。ケアマネジャーは知識と経験と調整力や提案力が重要になりますが、ベテランであればよいかというとそうでもなかったりします。
・基礎資格:ケアマネジャーの資格を取得するのは、介護福祉士・社会福祉士・看護師・保健師・作業療法士・歯科衛生士・管理栄養士・医師・歯科医師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・柔道整復師などの国家資格での実務経験が5年以上必要です。この基礎資格によりベースとなる知識や考え方が変わってきますので、資格で考えるのもありです。しかし現在稼働しているケアマネジャーで最も多いのは介護福祉士が基礎資格です。その次は看護師でしょうか。もしも難病を抱えているのであれば医療系の基礎資格の介護支援専門員を探してもよいかもしれません。大まかな印象ですが、福祉系基礎資格のケアマネジャーはおっとりと生きがい楽しみ重視のプラン作成、医療系のケアマネジャーはリスク対策重視型の印象があります。これも人によりますがね。
・所属するケアマネジャーの人数:ケアプランセンターを作るには法人格が必要です。この法人の方針なども大切かもしれません。複数人が所属している事業所であるかもポイント。複数人いる事業所であれば、担当のケアマネジャーが何らかの理由で急に働けなくなっても他のケアマネジャーがフォローしてくれます。もしもひとりしかケアマネジャーがいない事業所であればその人が倒れると別のケアプランセンターに支援を依頼しなければならず複雑な手順を踏む必要があります。
・法人が運営する事業所:福祉事業所はかなり報酬が少ない業種です。また人がする仕事であるため、職員ひとりのキャパシティもあるため黒字を多く出すのは至難の業。特にケアプランセンターの黒字化はかなり難しいと言われています。平均でいうと2019年度のケアプランセンターの決算では収支差率が-1.6%でした。2021年度決算では4.0%と平均で黒字化していますが数字としては低いですね。そんなこともあり、ケアマネジャーは自身が所属する法人の併設サービスの利益を意識した提案を行うところがあります。公正中立をケアマネジャーは求められていますが、ケアマネジャーだけでは黒字にならないのである程度仕方ないのかもしれません。幅広いサービス提案を受けたいのであれば、法人内で別のサービスを有していない単独のケアプランセンターを探してみてもよいかもしれません。
・依頼や質問に対するレスポンス:相談をしてから返答が遅い事業所は、実際に支援をお願いしてからも、返事が遅い事業所になります。また最初の説明がいい加減な事業所も、支援に対する説明はいい加減になるでしょう。最初の時点で、そのあたりの相性を見極めるとよいと思います。
色々と記載しましたが、ケアマネジャーの人材不足は深刻なので、探すだけでも大変かもしれません。
皆様が、よいケアマネジャーと巡り会えるように応援しています!
担当するケアマネジャーが決まりましたら、いよいよサービス利用に向けて動き始めます。
まずはケアマネジャーは自宅を訪問して介護サービス利用をする方やその支援者の方と面談を行います。
この面談で最初に行われるのが「インテーク」と言われるものです。これは簡単に言うとケアマネジャーが支援できる内容を説明して、介護サービス利用希望者が希望している支援内容が行えるかの「すり合わせ」のような作業です。中には「え~、そんなに色々しないといけないなら使わない」や「家に人が来るのは嫌だから」と断られる方もいます。
インテークの結果、ケアマネジャーによる相談支援を希望する場合は、所属しているケアプランセンターとの契約となります。契約ではまず、重要事項説明書という事業所が行う業務の説明や注意事項の説明がされて、同意の後に契約を締結します。この段階で個人情報の使用についても同意を求められると思います。また支援を受ける方の管轄の保険者に契約したケアプランセンターが支援をするということを「居宅サービス計画作成依頼届出書」という書類で知らせます。この作業はケアマネジャーが行いますが、介護保険被保険者証の原本を一旦お預かりすることとなりますのでご注意ください。
そして、重要次項説明・契約が済んだら「アセスメント」です。アセスメントとは要介護者及び要介護者を支援する人の状況を把握して、どのようなサービスを利用することが必要かを調べる作業になります。介護保険サービスは要介護者が「自身の有する能力に応じた自立した日常生活を営む」ことをサポートすることが目的ですので、たとえばヘルパーさんに掃除をしてもらいたくても、自身で掃除ができたり、家族が同居している場合には、利用ができないケースが多いです。現在の身体状況や健康状態、家族の状況について正確にケアマネジャーへ報告しましょう。またその際に介護サービスを利用する方の居室、トイレ、浴室を見せていただくことが多いですのでご協力をお願いします。経済状況も支援に必要な情報になりますので、可能な範囲で教えていただければとおもいます。いよいよ介護サービスの利用開始が近づいてきました!
アセスメントが終了して、必要なサービスや要介護者・支援者の方の希望が確認できたら、ケアマネジャーはサービス事業所の選定と調整に入ります。
ここで重要なポイントですが、ケアマネジャーは公正中立に複数の事業所を選定すること、事業所の選定理由を求められれば説明することが定められています。もしもよければケアマネジャーがこの作業をしっかりとしてくれているか確認してみるとよいでしょう。ここにケアマネジャーの質が見えると思います。特に一見するとサービス内容に差がでにくい、訪問系サービスや福祉用具サービスなどの選定理由を聞いてみると面白いと思います。
サービス調整を行うなかで、依頼の内容が複雑であったり、利用頻度が多い場合は調整に時間がかかる場合があります。
また医療系サービスを利用する場合は主治医の意見を確認する作業が必要となるので、この場合にもサービス調整には時間がかかることがあります。
サービス調整が済むと、ケアマネジャーは居宅サービス計画書(通称ケアプラン)の原案を作成して、ケアプランに位置づけられたすべての事業所を招集してサービス担当者会議と言われる会議を開催します。
そのため6事業所が位置づけられたケアプランが作成された場合、ケアマネジャーも含めて最低7人が自宅に集まるようになります。
ちなみにサービス担当者会議の開催場所は自宅でないといけないと決まっていはいませんが、たいてい自宅で開催されます。退院時であれば病院で開催されることもあります。デイサービスなどのサービス利用中には開催できないので注意が必要です。
このサービス担当者会議で、介護サービスを利用する方、支援者、サービス事業所のすべての同意が得られればケアプランが暫定プランから本プランとなり介護サービスの利用ができるようになります。
また、ケアプランに位置づけられた介護サービスを利用する際には、利用する介護サービス事業所ごとに契約や料金支払いの手続きが必要になります。最初から5つくらいのサービスの利用をする場合には5つの事業所と契約が必要となるので多少時間がかかると考えておきましょう。介護サービス事業所の契約時に注意すべき項目は、サービスを休むときの連絡方法やキャンセル料についてはしっかりと確認することをおすすめします。
ケアプランには長期目標期間と短期目標期間が記載されていて、目標期間が切れる時には再度サービス担当者会議を開催してプランを作成しなおす必要があります。なお、短期目標期間については状態が安定されている場合には会議などを開催しなくてよい場合もあります。
とにかく自宅に人がたくさん集まるのって嫌じゃないです?でもケアプラン作成時には必須の作業となるので、よく利用者さんから「またですか?」と言われたりします。新しいサービスを利用開始するときや、サービスの利用回数が変わる時や曜日が変わるときにもサービス担当者会議やケアプラン作成が必要となる(福岡市の場合)ので、これをいかに効率的に行うかもケアマネジャーの腕の見せどころ。
それとサービス担当者会議の進行の仕方も、ケアマネジャーによって随分と違います。会議の進行がうまくできないケアマネジャーは、要介護者を中心としたチーム形成が苦手な場合があるので要注意です。(例えば「会議が毎回長い」や「議論が白熱した時にまとめきれない」等)
サービス担当者会議を開催して、ケアプランが決定したら、いよいよサービスの利用が開始されます。
そうなるとケアマネジャーは1ヶ月に1回は自宅を訪問して介護サービスを利用する本人と面談するように決まっています。
この1ヶ月に1回の面談にて、介護サービスが在宅生活の継続に効果的に作用しているか、目標に向かったサービス提供がされているか、新たな問題は発生していないかなどをケアマネジャーは把握していきます。また、それを記録に残すことも行わなければならない業務です。
モニタリングの結果、介護サービスの調整が必要であると判断された場合や、新たなサービスの利用希望があった場合、それからケアプランの目標期間が満了となる場合や、介護認定内容が変わった場合には、6のアセスメントから再度実施していくようになります。
とにかく、みなさんが知らないところで、誰も見ることのない書類をたくさんケアマネジャーは作成して保管しております。本当に大変。
1ヶ月に1回の面談がどうしても嫌な場合は、当事業所の場合ですと契約を解除させていただきます。適切な介護保険サービス利用のためのマネジメントの実施が困難であるからです。どうぞご協力をお願いします。
なお、モニタリング訪問予定前に何らかのトラブルがあって入院した場合や、1ヶ月以上連続でショートステイサービスを利用している場合、また急に亡くなられた場合などは自宅の訪問ができないため病院やショートステイで面談を行います。また入院中で介護サービスの利用がまったくない場合は評価ができないため訪問は行いません。退院時にケアプランを再開するのか、見直しするのかを決めていきます。