慶應義塾大学商学部
元木康介研究会
2026年度から慶應義塾大学商学部で新設された研究会です(商業学フィールド)
消費者行動 × 心理学をテーマに掲げ、五感(感覚マーケティング)や食(食品消費/食行動)関わる現象を実証的に解明します
慶應義塾大学商学部
元木康介研究会
2026年度から慶應義塾大学商学部で新設された研究会です(商業学フィールド)
消費者行動 × 心理学をテーマに掲げ、五感(感覚マーケティング)や食(食品消費/食行動)関わる現象を実証的に解明します
感覚マーケティング
色・音・香り・手触り・味といった五感が、消費者の知覚・判断・行動にどう影響するかを研究します。さらに、デザイン・審美性・感性・店舗/空間雰囲気も研究対象です。単一の感覚だけではなく、複数の感覚が互いに作用する多感覚相互作用にも取り組みます。
キーワード: 店舗内装の色彩, ブランド名の響き, 音楽・環境音, 広告の声質, 香りマーケティング, 手触りや素材感, パッケージ/ロゴデザイン, 味覚評価, クロスモーダル効果, 生成AI画像など
おいしさ・健康・サステナビリティ・感情・社会・倫理といった多様な観点から、人が食をどう捉えているのかを研究します。味わい・共食・フードツーリズム・ダイエッター・栄養など、食に関するあらゆることが研究対象です。フードテックや新奇食品など、これからの食のあり方にも取り組みます。
キーワード:食と健康, サステナブルな食, 食と感情, 食と社会, 美味しさ, フードサービス, フードテック, フードロス, ブランディング, ダイエッター, ガストロノミー, 食の価値観, 新奇食品など
基本情報
人数:12名(1期生)
本ゼミ:月曜4限
サブゼミ:月曜5限
研究会の進め方
ゼミ自体:ゼミ生の発表とディスカッションを中心に進めます。
ゼミの準備:ゼミで扱う論文の読解、事前課題レポート作成、発表準備、グループ発表打ち合わせ、グループ研究準備などを行います。ゼミ時間外にも相応の時間を要するので、ゼミ活動に優先的に時間を割り当てられることが前提となります。グループでの取り組みが多いため、他のゼミ生と時間を調整しながら活動できることも重要です
消費者心理学研究の考え方、実験デザイン、心理統計、データ分析を学びます。
発表担当者が研究方法論に関するテキストの指定箇所をプレゼンテーションし、消費者心理に関連するケースのディスカッションや、データ分析演習を行います。
ゼミの冒頭に、消費者心理・感覚マーケティング・食に関する最近の話題・ニュースについて、ミニプレゼンをしています。
担当ゼミ生が自分が関心を持ったテーマを取り上げ、内容を紹介したうえで、問題意識や見解を共有します。
消費者心理学、感覚マーケティング、食品消費/食行動に関する英語実証論文を輪読します。
担当グループが論文内容を整理し、プレゼンテーション資料を作成・発表します。発表後は、論文の理論的背景・方法・結果・示唆などについてディスカッションを行います。
論文の実験をデモとして体験してみます。パッケージサウンド・香りキット・味覚実験など、五感が心理に与える影響を実際に体感します。
エレキソルトスプーンなどのフードテックも実際に体験してみて、テクノロジーがこれからの食や感覚をどう変えるのかを考えます。
グループごとに関心のある英語実証論文を選び、その研究で行われた手続きを参考にして、日本の文脈で実際に消費者心理学実験を行います。
実験素材作成からデータ収集・分析・結果解釈までの一連の研究プロセスを体験します。日本の文化的背景や消費者特性を踏まえて研究手続きの調整や拡張も行い、自分たちなりの問いを加えた発展的研究として実践することを目指します。
グループの関心に基づいてグループ研究を行います。研究テーマは、消費者心理学・感覚マーケティング・食品消費/食行動に関連するものであれば自由に設定できます。このプロジェクトでは、関連する先行研究を踏まえたうえで、独自のリサーチクエスチョンを立て、自主的に研究を進めてもらいます。
自分たちで概念モデルの作成や仮説の導出を行い、その上でデータ収集・分析・結果の解釈を行います。得られた成果は三田論として取りまとめます。
様々なゲストが来てトークを行なってくれています。ゲストとの懇親会も開催します。
マーケティングリサーチのアナリスト実務
超高齢社会の「食」ー口腔・嚥下機能の観点から
グループ研究の成果発表の場として、学会発表・インゼミでの合同研究報告会を行います。学会発表や合同研究報告会を通して、他大学との交流を深めながら、研究をわかりやすく伝えるプレゼンテーション力や、質問に的確に対応する論理的思考力・応答力を養います。
2026年度は3年生のみのため、月曜5限をサブゼミとし、本ゼミと時間的に連続させて実質2コマで一体的に進めていきます。
「フード班」・「センサリー班」・「消費者心理班」に分かれて、各班で関心がある日本語・英語の実証論文を読みます。
グループ研究での準備や、ゼミ運営に関する話し合いを行ったりもしています。
3年次では、三田論執筆。『三田商学研究学生論文集』への掲載を目指します。
4年次では、卒業研究として個人で研究活動に取り組みます。感覚マーケティングや食品消費/食行動に関わるテーマだけでなく、消費者心理学研究であれば、関心のあるテーマに自由かつ主体的に取り組むことができます。
これまでに身につけた知識とスキルの集大成として、厳密な論理構成と適切な研究手続きに基づいた卒業論文を作成してもらいます。
卒業論文は日本語・英語いずれの言語でも執筆可能です。前々職(宮城大学)および前職(東大院)では、卒業論文や修士論文を基にした研究が査読付き英語論文として複数発表されています(本ページ下部参照)。卒業研究としても、このレベルに到達することは十分に可能です。
各種イベントもやっていきたいです!
夏合宿:9月に秩父に行きます(2泊3日)
現場見学:センサリー・フード系ならではのところに行きたいです。思い浮かぶところとしては、Tokyo food instituteに関連するイベント、分身ロボットカフェ、チームラボプラネッツ、イノベーティブキッチン8go、没入型アート体験とかです。
懇親会@明華楼
*内容は昨年度のもの
募集人数:10名程度
評価方法:提出物および面接の総合評価
独自ES:リンク先からダウンロードして記入してください。英語スコアは入学時のTOEIC IPテストでも可です。
指定英語論文レポート:英語論文についてのレポートを提出してもらいます。
・食・感覚・消費者心理に関するレビュー論文です。細部まで理解する必要はないです。レポート内容は上記リンク内に記載していますので、ダウンロードして記入してください。
成績表:最新のもの(1年春〜2年春学期まで)
面接:三田キャンパスで対面で実施
・日時:12月6日(土)
・内容:独自ESと指摘英語論文レポートの内容を中心に質問します
・応募人数に応じて、面接前に書類選考の選抜および面接時間・形態を調整する場合があります。服装は普段着の私服で構いません。時間と教室については前々日の12月4日(木)までにメールで連絡します。
提出方法:独自ES、成績表、指定論文についてのレポートをpdf化してメールで送付
提出期限:2025年12月1日23時59分厳守(1次選考本登録日)
Q. 他の商業学フィールドのゼミと比較した特徴は? A. 本研究会の特徴は、消費者心理学、とりわけ五感や食に関するテーマを主な研究対象としている点です。流通、マーケティング戦略、マーケティング・サイエンスといった分野は、担当教員の専門ではないため扱っていません。また、新設のゼミであることや、担当教員が商業学フィールドの中で若いことも特徴の一つです。
Q. 必修授業は? A. 担当教員の「ミクロ・マーケティング各論(センサリー・マーケティング論)春学期月3」を履修してください。この講義で感覚マーケティングや食品消費/食行動について基本的な知識を身につけます。また推奨授業として、Rを使用したい学生は猪狩先生の「ミクロ・マーケティング各論(マーケティング・リサーチ)春学期水3」を履修してください。統計ソフトRの使用法、Rを用いたデータ分析について学べると聞いています。
Q. 他学部生の受け入れは? A. もちろん可能です。
Q. 留学予定者の受け入れは? A. 認めています。時期の問題については、応募前に相談していただくとより確実かなと思います。
Q. 英語で論文を書いてもいいですか? A. もちろんOKです。むしろ日本語より英語での執筆を推奨します。
Q. どのような学生ににフィットするでしょうか? A. アカデミックにやっていく予定なので、研究・学会発表・大学院進学等に関心がある方は大歓迎です。あとは、消費者心理・感覚マーケティング・食品消費/食行動に関心がある方です。
Q. 英語が苦手なのですか大丈夫でしょうか? A. 例えばこれらの論文 (Krishna et al., 2024; Spence & Van Doorn, 2022) を読んでみてご自身で判断してください。研究活動を進める上では、英語の実証論文を読むことがほぼ必須になります。主要な文献の多くが英語で書かれているためです。前職・現職の学生も皆、英語論文を読んで研究を行っていますし、最近では翻訳ツールも精度が高くなっているため、以前よりずっと取り組みやすくなっています。英語で情報を得るという姿勢は、研究に限らず、今後のあらゆる場面で役立つと思います。今のうちから少しずつ慣れておくことをおすすめします。
Q. 体育会なのですがやっていけるでしょうか? A. 体育会のスケジュールや、ご自身のタイムマネジメント次第だと思います。ゼミは「時間内に出席していればOK」という形式ではなく、ゼミ外での研究活動や準備の時間も必要になります。特にグループで進めることが多いため、他のメンバーと予定を合わせる柔軟さも求められます。こうした点を踏まえて、自分の生活リズムの中で続けられそうかどうかを判断してもらえればと思います。
Q. 数学やプログラミングができるかわかりませんが大丈夫でしょうか? A. 数学というより統計的検定のアウトプットを解釈したりというような数理的思考を必要とします。プログラミングの必要性は、用いる統計ソフトによります。担当教員はプログラミングを必要とするRという統計ソフトを使っていますが、GUIで操作可能な統計ソフト(例えばHADやSPSS)もあります。
Q. 研究会に関心があるのですが、読んでおいた方がいい書籍はありますか? A. 以下の書籍は研究会の内容と関わっています。
山田一成・池内裕美 (編) (2018)『消費者心理学』勁草書房
永野光朗・秋山学 (編) (2025) 『新・消費者理解のための心理学〔第2版〕』福村書店
アラドナ・クリシュナ(2018)『感覚マーケティング -- 顧客の五感が買い物に影響を与える』有斐閣
チャールズ・スペンス(2018)『「おいしさ」の錯覚 最新科学でわかった、美味の真実』角川書店
チャールズ・スペンス(2022)『センスハック:生産性をあげる究極の多感覚メソッド』 草思社
また、この動画(センサリーナッジ~感覚マーケティングで社会課題に挑む~)は感覚マーケティングやフード系の消費者心理学研究について、わかりやすく紹介されており、オススメです。共同研究者の朴先生の動画で、私との研究も出てきます。
これまでの卒業論文・修士論文タイトル(宮城大・東大院)
味覚拡張製品が消費者の摂⾷意向と⾷品期待に与える影響について
AI生成画像が消費者の観光地への訪問意欲に及ぼす影響
ホスピタリティ産業におけるバイオフィリックデザインが消費者評価に及ぼす影響: 単一感覚刺激と多感覚刺激の比較
健康/不健康な食品とブランド・パーソナリティの関係: ジェンダーブランド次元から
消費環境における周縁化された消費者のプロトタイプ研究
これまでの卒論・修論で英語論文化したもの
[カフェ画像色彩と味わい期待/訪問意向] Motoki, K., Takahashi, A., & Spence, C. (2021). Tasting atmospherics: Taste associations with colour parameters of coffee shop interiors. Food Quality and Preference, 94, 104315.
[香りと触覚オノマトペの関連性] Uchida, M., Pathak, A., & Motoki, K. (2021). Smelling speech sounds: Association of odors with texture‐related ideophones. Journal of Sensory Studies, 36(5), e12691.
[ラグジュアリー/カジュアルレストランにおけるAIシェフ] Nozawa, C., Togawa, T., Velasco, C., & Motoki, K. (2022). Consumer responses to the use of artificial intelligence in luxury and non-luxury restaurants. Food Quality and Preference, 96, 104436.
[音楽ジャンルと健康/不健康な食品選好] Motoki, K., Takahashi, N., Velasco, C., & Spence, C. (2022). Is classical music sweeter than jazz? Crossmodal influences of background music and taste/flavour on healthy and indulgent food preferences. Food Quality and Preference, 96, 104380.
[栄養サプリメントと色彩の関連性] Motoki, K., Yamada, A., & Spence, C. (2022). Color‐nutrient associations: Implications for product design of dietary supplements. Journal of Sensory Studies, 37(5), e12777.
[新奇食品の印象評価、特に背景音楽との関連] Motoki, K., Bunya, A., Park, J., & Velasco, C. (2024). Decoding the meaning of alternative proteins: Connotations and music-matching. Food Quality and Preference, 115, 105117.
[日本とアメリカにおいて食品レビューの感情が有用性に及ぼす影響] Ye, Y., & Motoki, K. (2024). Effects of emotions on the helpfulness of online reviews of healthy and unhealthy food in Japan and the United States. Journal of Consumer Behaviour, 23(5), 2611-2623.
[女性的なブランドパーソナリティと健康的な食品] Feng, H., & Motoki, K. (2024). “Feminine = Healthy Food” stereotype: Impact of feminine brand personality on consumer attitudes toward healthier food brands. Food Quality and Preference, 118, 105204.
[ダイエッターの健康的訴求が伴う食品選好] Wang, Q., & Motoki, K. (2025). Craving health: how dietary restraint shapes preferences for food carrying health claims. Journal of Foodservice Business Research, 1-24.