◆概要・特徴
・人気シリーズ ライザのアトリエの第一弾
・なんてことなくないキャラクターたち
・錬金術によるアイテムクリエイト
・リアルタイムのコマンド入力式戦闘
◆ストーリー・キャラクター
本作は、小さな島「クーケン島」で暮らす少年少女たちが、なんてことない日常を守るために立ち上がり、成長していく青春冒険物語です。
登場人物は、幼馴染の仲間たちをはじめ、島に暮らす人々や大陸から訪れる来訪者など多彩ではありますが、物語の舞台はあくまでクーケン島とその周辺地域に限られており、別の町などが登場するわけではないため、登場人物も案外と少なめなイメージでした。
主人公のライザや幼馴染のレントとタオは、既に滅んでしまったクリント王国の遺跡を調査するために島を訪れた錬金術師アンペルと、その護衛であるリラと出会い、自分の可能性や「やりたいこと」に向かって歩みを進めていきます。
また、商人の父とともに旅をしていたクラウディアは森で窮地に陥ったところをライザたちに助けられ、行動を共にするようになります。
メインの物語はアンペルたちとのクリント王国の調査であり、謎を追いながら少年少女たちがそれぞれの成長を遂げていく構成です。
各々のキャラクターを深掘りするシーンも多く、物語を通じて仲間たちの成長を実感できる内容になっています。
キャラクターデザインに関しては、どのキャラクターも個性的で、服装や装飾品に至るまで丁寧に描かれており、個人的にはとても美しく感じられました。
もっとも、やはりライザについては“なんてことない”とは言えないボディをしているため、ストーリーに集中できない瞬間が何度もありましたw
◆ゲームシステム(調合編)
農家の娘であるライザは、錬金術師アンペルから錬金術を学び、街での困りごとを解決したり、行動範囲を広げていくことになります。
素材の採取に関しては、街の中を含めたほぼすべての場所で素材を気軽に入手可能ですが、更に採取方法を変えることで入手できる素材が変化するというユニークな仕様があり、探索がより楽しく感じられました。
調合システム自体は複雑ではなく、必要な素材や属性が分かりやすく示されるため、アトリエシリーズ初心者の私でも簡単にアイテムや武具を作成できました。
また、条件を選択すると自動で素材を投入してくれる機能も搭載されており、大量に必要となるインゴットや糸などの作成も非常に快適です。
◆ゲームシステム(戦闘編)
本作の戦闘はリアルタイムのコマンド入力式で、敵味方それぞれのアイコンがアクションラインに到達したキャラクターから行動を選択できます。
ただし、コマンド入力中も時間が進むため、素早い判断が求められ、特に物語終盤ではHPの増減も激しく一度の判断ミスで全滅の危険があるなど、場面によっては難しく感じることもあるでしょう。
回復や攻撃など戦闘中に使用できるアイテムは、武具と同じように事前に各キャラへ装備しておく必要があります。
戦闘中はこの装備したアイテムしか使用できませんが、使用しても消費されず、代わりに「アイテムポイント」を消費する仕組みです。
このポイントは全キャラで共有されるため、誰がどのタイミングでどのアイテムを使うのかを考える必要があり、物語後半になるにつれて戦略性が大きく増していきます。
このシステムのおかげで、RPGをある程度遊び慣れた私でも十分に歯ごたえを感じられる、奥深いバランス調整になっていました。
◆気に入ったポイント
・便利なファストトラベルや時間帯の変化があること
本作は冒険の範囲がそれほど広くなく、拠点に戻る場面も多いため、移動が煩わしくなるのではと最初は思いましたが、物語開始直後からファストトラベルが解放されるため、移動は非常に快適です。
また、フィールドには時間帯の概念があり、昼夜で雰囲気や景色が変化します。
加えてBGMも変わるため、同じ場所を行き来していても新鮮さがあり、飽きにくい工夫がされている点も魅力的です。
・美しい世界観と季節感の表現
本作は夏を舞台にした物語であり、蝉の鳴き声などの環境音まで凝っており、非常に心地よくプレイできます。
特に海や空の表現は秀逸で、眺めているだけでも癒されるほど美しく、私はよく海岸に素材集めに行っていました。
・ライザの“なんてことなくない”ボディ
このゲームを知らない人でも、ライザの外見だけは見たことがあるという方は多いのではないでしょうか。
むちむちとした体つきに加え、際どいデザインの衣装も相まって、非常に人気の高いキャラクターとなっています。
実際にプレイしてみると、その魅力を常に感じられ、ついつい無駄にカメラをグルグル回してしまうこともありましたw
◆残念に感じたポイント
・採取道具の切り替え
本作では非常に簡単にアイテム採取ができる仕様となっていますが、物語が進むにつれ、採取道具を切り替えながら素材を集める必要が出てきます。
道具によって入手できる素材が変化するという面白いシステムではあるものの、切り替え操作にやや煩わしさを感じる場面もありました。
一応ワンボタンで切り替えは可能ですが、道具が増えてくると目的の道具にたどり着くまでボタンを連打する必要があるため、快適性という点では少し惜しいと感じました。
・戦闘中のカメラがキャラに近い
物語が終盤に近づくにつれて戦闘の展開が早くなり、状況把握が難しく感じる場面が増えてきます。
その要因のひとつが、戦闘中のカメラがキャラクターにやや近めで、視野が狭く感じられる点です。
臨場感があるのは確かに魅力ですが、個人的には設定でカメラの距離や動きを調整できるようになっていれば、より快適にプレイできたのではないかと思いました。
◆最後に
私はこれまでアトリエシリーズをプレイしたことがなく、本作『ライザのアトリエ』が初プレイとなりました。
長いシリーズ作品ということもあり、インターフェースや操作性は非常に洗練されており、快適にプレイできた点には大変満足しています。
プレイ前は「キャラクターデザインで売れている作品」というイメージを持っていましたが、実際に触れてみると冒険の規模こそ小さいものの、しっかりとしたストーリーが展開され、各キャラクターの成長や心境の変化を楽しめる良作だと感じました。
さらに、ストーリーを補完する追加シナリオやプレイアブルキャラクターが増えたDX版も発売されているそうなので、未プレイの方はこの機会に“ひと夏の冒険”を体験してみてはいかがでしょうか。
記:2025/8/24
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