〈研究の概要〉
ASD の発症には妊娠中の母体免疫活性化注 5が影響していると言われています。一方、多価不飽和脂肪酸の cytochrome P450(CYP)経路では抗炎症性のエポキシ脂肪酸と炎症性のジヒドロキシ脂肪酸が産生され、免疫システムに関わっています。CYP 経路代謝物の ASD への関与はマウスを用いた研究で示唆されていましたが、ヒトでは未解明でした。
本研究室教授の松﨑秀夫と医学系部門看護学領域の平井孝治講師らは、浜松母と子の出生コホートを用いて、臍帯血中のエポキシ脂肪酸とジヒドロキシ脂肪酸の各濃度が出生後の子どもの ASD 特性と関連するかどうか解析を行い、アラキドン酸由来ジヒドロキシ脂肪酸の一種である 11,12-diHETrE 注 9が、6 歳の子どもの ASD 特性の重症度と適応機能の双方に影響することを明らかにしました。本研究の結果から、臍帯血の利用による ASD の症候の顕在化に先立つ超早期判定の実現が期待されます。本研究成果は、科学誌「Psychiatry and Clinical Neurosciences」に令和 6 年 7 月 23日(電子版)に掲載されました。
詳細はこちらをご覧下さい。
当部門の國石 洋助教が、日本神経化学会で神経化学分野の優秀な研究者に対して送られる「奨励賞」を受賞しました。
当部門の松﨑秀夫教授及び連合小児発達学研究科・福井校(当領域所属)卒業生の平井孝治助教(現 福井大学医学部看護学科コミュニティ看護学分野 )が第66回日本神経化学会大会 (7月6~8日開催)の公募シンポジウムで発表しました。
Oxidative stress grabs Autism Spectrum Disorder
酸化ストレスからみた自閉スペクトラム症
座長:松﨑 秀夫(福井大学子どものこころの発達研究センター)
演者:平井 孝治(福井大学学術研究院医学系部門)
岩渕 俊樹(浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター)
加藤 康彦(浜松医科大学精神医学講座)
渋谷 淳 (東京農工大学大学院農学研究院 獣医病理)
松﨑 秀夫(福井大学子どものこころの発達研究センター)
当部門の國石 洋助教及び連合小児発達学研究科・福井校(当領域所属)卒業生の平井孝治助教(現 福井大学医学部看護学科コミュニティ看護学分野 )が第49回日本脳科学会で一般口演を行い、揃って「奨励賞」を受賞しました。
写真中央が國石助教、右から2番目が平井助教
詳細は 左記の通りです。
また、以下の JREC-IN Portal サイトにも情報を載せております。 https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekJorDetail?fn=3&id=D121102088&ln_jor=0
内容については、以下の通りです。
“VLDL-specific increases of fatty acids in autism spectrum disorder correlate with social interaction”
(日本語タイトル:「ASD における VLDL 特異的な脂肪酸増大は社会的相互作用と相関する」
「EBioMedicine」(イーバイオメディシン)2020 年 7 月 30 日電子版掲載
Webサイト: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352396420302929
DOI 番号: https://doi.org/10.1016/j.ebiom.2020.102917
プレスリリースに関しましては、以下をご覧下さい。
https://www.u-fukui.ac.jp/result/61067/
当研究室では、引続き、アルバイトを募集しております。
対象学年:学年不問(1年生、2年生を優先いたします。)
募集人数:2~4名程度
仕事内容:生物資源部門での動物行動実験の補助。主として実験動物(マウス)の世話(ケージ交換等)。
給与:福井大学の取り決めに従って支給する。
勤務時間:原則として1か月週1~2回程度、1~2時間/日、1か月にして5時間程度。当研究室のアルバイト学生(各学年2~3名程度おります。)と相談のうえ、シフトを決める。
求める人材:ルールを守れる人、神経科学・発達障害に興味がある人
以上、アルバイトを希望する学生は、子どものこころの発達研究センター・教授・松﨑秀夫の秘書・谷口(tanit(at)u-fukui.ac.jp)まで、メールにてご連絡ください。※(at)を@に置き換えた上でご利用ください。