2024年4月1日付で長崎大学総合生産科学域(環境科学系)助教に着任しました
学部組織は環境科学部、大学院組織は総合生産科学研究科(2024年度新設)です
立ち上げ作業中の松重研究室を一緒に盛り上げてくれる卒論生(長大学部生)・大学院生(修士から入学)を募集しています!(学部HP研究室紹介リンク)
※ご興味があればresearchmapに記載のメールアドレス宛にお気軽にご連絡ください
2025年度
2025年7月 主著論文が出版されました(日本語解説はこちら;朝日新聞での紹介記事はこちら)
ウナギ保全を推し進めるには、「生き物」として接する機会以外に、「食べ物」としての側面が動機づけに重要である。
特に、ウナギ増減への関心が高まる土用丑の日前後が、保全に向けたアウトリーチ活動の好機である。
近年の低水準な資源状態の継続によって、過去の高水準な状態が忘れられ、長期的な個体数の減少が過小評価されつつある。
「生き物」としてのウナギと接する機会の減少が、今後、個体数減少の過小評価を促進するかもしれない。
2025年4月 学部4年生3名、修士1年生1名、教員(松重)の体制で研究室活動が開始しました
2024年度
2025年3月② 令和7年度日本水産学会春季大会で松重が口頭発表を行いました
2025年3月① 第35回魚類生態研究会@広島大学東広島キャンパスに学生(B4 1名&B3 2名)とともに参加し、松重が口頭発表を行いました
2024年9月② 主著論文が水産増殖に掲載されました
比較的勾配の大きい礫床河川において、ニホンウナギ当歳魚の初期の定着場所、感潮域上部での微生息地利用を調べました
当歳魚は水際部の低水深・緩流速エリアに局在しており、長径10 cm程度の礫を隠れ家として利用していました
同所的に生息する1歳以上魚は、より深い場所や流速の速い場所に分布しており、当歳魚よりも大粒径の礫に隠れていました
2024年9月① 2024年度魚類学会シンポジウム「ニホンウナギの河川生態と保全:絶滅危惧種選定以降の進展と今後の展望」でコンビーナーを務めました
2024年8月 主著論文が出版されました
水産庁「ウナギ生息環境改善支援事業」における、漁業者による石倉カゴを用いた生物モニタリングの結果の一部を報告しました
福島県富岡川からテンジクカワアナゴが採集され、これは本種の北限記録を更新するものでした
石倉カゴを用いた生物モニタリングは、気候変動による暖水性種の北進を定量的に観測できるものと期待されます
2024年7月 主著論文が早期公開されました
ラジオテレメトリーを用いて、淡水域で採捕された銀ウナギ1個体の移動を追跡しました
銀ウナギは、降雨のあった日の夜間に速やかに(約13.7 cm/s)潮止堰の直下まで川を降りました
その後、潮止堰の直下に1~2週間留まった後に海へと降ったことが示されました
今回のような情報の蓄積が、ダムや堰による銀ウナギの降河障害の解決に役立つことが期待されます
2024年6月② 東アジア鰻学会公開シンポジウム「うな丼の未来11: 改めて考える、ウナギを増やすために私たちは何ができるのか」で漁業者による石倉カゴモニタリングについて講演しました
2024年6月① The 3rd Scientific Meeting on Japanese Eel and Other Relevant Eels(ウナギに関する第3回科学者会合)で講演しました
2024年4月 4月1日付で長崎大学総合生産科学域(環境科学系)助教に着任しました
2023年度
2024年3月 日本水産学会春季大会で石倉カゴに関する口頭発表を行いました
2023年12月 『ニホンウナギの河川生態に関する論文リスト(2010年~)』を更新しました
2023年9月② 日本水産学会で河床耕耘によるニホンウナギ当歳魚の生息環境造成効果について発表しました
2023年9月① 日本魚類学会でニホンウナギとオオウナギの河川内分布と生息地利用について発表しました
2023年7月② 主著論文がEnvironmental Biology of Fishes誌でWEB公開されました.所属機関からプレスリリースが公開されました
共同研究者による河川・農業用水路での遊漁記録を解析して,水辺の強い人工照明によって,日没直後のウナギの摂餌活性が低下することを発見しました
例外的に,ウナギ筒が設置された場所では人工光の影響がみられませんでした
隠れ家の減少や人工光の時空間的な拡大が本種の摂餌活性を下げることが危惧されます
本論文は,社会的に注目度が高いウナギを糸口に,水圏生態系への光害の関心を高める役割が期待されます
2023年7月① 東アジア鰻学会公開シンポジウム「うな丼の未来10:ニホンウナギ絶滅危惧種指定から10年、これまでとこれから」で市民のウナギへの認識について講演しました
2022年度
2023年3月 有志の研究会「第3回ウナギ学の現状」で発表しました
2022年12月② 北九州市立自然史・歴史博物館特別展「うなぎの旅展」関連講演会「ウナギ研究のこれまで、これから」で講演しました
2022年12月① 共著論文がEstuaries and Coasts 誌に掲載されました.所属機関からプレスリリースが公開されました
ウナギ資源の減少を⾷い⽌めるには、汽⽔域の成育場所を取り戻すことが重要
狭い浮⽯の間隙は、汽⽔域のウナギの中⻑期的な定着だけではなく、餌⽣物の蝟集を通じて成⻑をも促す可能性を発⾒
繁殖のために⼤回遊を⾏うウナギの成熟個体の数とともに質(栄養状態)を向上させるような環境整備⽅策案の構築に寄与
2022年9月 主著論文の受理原稿がJournal of Fish Biology誌でWEB公開されました
鹿児島県の花渡川で電気ショッカーによる採集とスノーケリングによる目視観測を行い,ニホンウナギとオオウナギの分布と生息環境の違いを調べました
ニホンウナギは下流部と上流部に分布していた一方,オオウナギは中流部のみに分布していました
ニホンウナギの生息地と比べて,オオウナギの生息地は比較的流速が速く,水深の変動が大きく,底質の粒径が粗く,濁った水の供給源となる水田が流路沿いに見られないという特徴がありました
これらの結果から,河川内の環境の単調化や遡上障害によって流程方向の生息環境の多様性が失われた場合,オオウナギの生息地が容易に失われてしまう可能性が示唆されました
本研究の成果は,各地で生息地が天然記念物に指定されているオオウナギや漁獲量が激減しているニホンウナギの保全だけでなく,世界各地で同属他種と共存することが知られているウナギ属他種の保全にもつながることが期待されます
2022年9月 日本魚類学会年会でポスター発表をしました
2022年7月 所属は以前のまま助教(特定プロジェクト教員)になりました
2022年6月 新標準和名ウグマウナギを提唱した共著論文が評価され,筆頭著者の北朋紘さんが日本動物分類学会 若手論文賞を受賞しました
2022年4月 2022年3月に学位を取得して学術研究員@九州大学になりました
2021年度
2022年3月 共著論文が早期公開されました
河川汽水域に石サイズの異なる3種類の石倉カゴ(小・中・大)を設置し,ニホンウナギが好む間隙構造を生活史段階ごとに調べました
未成熟のクロコや黄ウナギは小サイズの石から成る間隙を好む一方で,成熟を開始した銀ウナギは中サイズや大サイズの石から成る間隙のみを利用していました
護岸等によって生息環境の劣化した河川汽水域の環境改善には,間隙構造の多様性を回復させることが重要だと考えられます
2021年12月 ニホンウナギが46 mの滝を登ることを報告した主著論文がIchthyological Research誌のEditer's choiceに選定されました.2か月間限定でオープンアクセスです
2020年度
2021年3月 共著論文が早期公開されました
実験池での飼育実験を通して,ニホンウナギは浮き石による間隙に隠れることでアオサギから攻撃される頻度を減らし,生残率を上げることを明らかにしました
アオサギによる攻撃はニホンウナギが活発に移動する時間帯に集中していました
さらに,浮き石のある池では浮き石のない池と比べてアオサギによるニホンウナギへの攻撃回数が少ないこともわかりました
これらのことから,河川における浮き石はニホンウナギがアオサギから見つからずに隠れながら索餌・移動・休息することを可能にする効果があると考えられました
2021年3月 共著論文が出版されました
日本初記録のウナギ属魚類Anguilla luzonensisを,沖縄島の河川で採集されたシラスウナギをもとに報告しました
黄ウナギ期の本種は体表にまだら模様がみられることから,今回得られた標本にもとづいて新標準和名ウグマウナギ(ウグマ:ゴマを意味する沖縄方言)を提唱しました
今回の報告を踏まえて,日本産ウナギ属魚類4種(ニホンウナギ,オオウナギ,ニューギニアウナギ,ウグマウナギ)のシラスウナギ期における種同定方法を整理しました