本書では、江戸時代八戸の暦と和算についてまとめてみた。暦は、八戸市の龗(おかみ)神社に、平田周庵によって万年暦の額が奉納されており、それを調べる事から始まった。その結果、八戸では暦学の研究が連綿と続いていたことが分かった。また大小暦の伝統も八戸では続いていたことも述べる。和算では、真法恵賢から始まった伝統があり、そこへ中里安太夫により、関流の流れが入り、神山祐助が大きな峰となっていることを示した。神山祐助は、安藤昌益の思想に触発されて、数学に目を向けた人物である。
本書に引用した史料は、江戸時代の文書でほぼ漢字だけの日本語である。そのままでは、読みにくいだろうと思い、旧漢字は新漢字に直し、読点を加え、またふり仮名を付けたりした。しかしそれも徹底しなかった。
「まえがき」より
『八戸の暦と和算』目次
第一部 八戸の暦
第一章 南部の私大
第二章 八戸地方の大小暦
第三章 八戸市龗神社の万年暦
第四章 暦小論
第五章 八戸における太陽暦の受容
第二部 八戸の和算
第一章 真法恵賢と弟子たち
第一節 真法恵賢と弟子たち
第二節 『真法弟算記』
第二章 その後の和算家たち
第一節 「関流算数好一術」の和算家たち
第二節 その後の和算家たちの系譜
第三節 その後の和算家たちの著書
第四節 その後の和算家たちの系譜