現状認識
ホテル宿泊業においては、国が掲げる「持続可能な観光立国の復活」の中で、国内交流拡大の目標で、日本人の地方部延べ宿泊者数を令和7年までに3.2億人泊にする。(令和元年実績:3.0億人泊)また、インバウンド訪日外国人旅行者数を令和元年の3,188万人を超える水準にするための目標を掲げている。
しかし、コロナ禍の長引く経済の停滞で、2000年度には7万4876軒あった旅館・ホテルは、2022年度の旅館・ホテルの軒数は50,321軒と減少傾向にある。軒数は減少したが、海外のインバウンド需要の増加に伴う、ホテルの開業ラッシュが続く中、課題に挙げられているのは、慢性的な働き手不足。
生産年齢人口の減少と少子化が加速する中で、今後5年/10年後、旅館・ホテルを運営するための体制づくりはより難しくなると予測できる。
DX戦略の目的
本戦略は、このような時代の変化に、我が社がデジタルツールをどのような位置づけで、どのように活用していくのか。また今の仕事のやり方・考え方・組織体制をどのように変革させていくか、見えない社内の業務を可視化し、2025年の崖問題以降の組織全体のデジタル環境の変革を行い、長期的な視点で、どう繁栄していくのかを「DX戦略」として示すものである。
DXの歩み
株式会社錦水館が本格的にDXを推進すると決定したのは、2021年7月の経営計画発表会でした。コロナ禍の厳しい経営環境の中で、お客様の満足度の向上とスタッフの生活の安定を実現するために、時代にあった経営を行うという方針を定め、これからのDX活用の重要性を全スタッフの前で共有し、DX推進をするための準備を行ったことがきっかけ。以来、データ活用の勉強会やDX勉強会、データドリブン大会など社内教育を大切にしてまいりました。2024年10月には、これらの取り組みをまとめ、広島県廿日市市では初の「DX認定」を取得。さらなるお客様満足度の向上と、スタッフが仕事がやり易い環境を整えるべく、業務にDXツールを取り入れ、継続的な改善活動を行っている。
DXに関する方針
錦水館では、デジタル技術を活用することで、商品やサービスの向上、ビジネスモデルの変革、組織・企業文化への浸透を目的とする。競争環境が激しい状況下であっても、浸透することで、より多くのお客様に必要とされる企業となる。
DX戦略
当社では、「情報環境整備」「顧客データ」「DXツール」をボトムアップで活用し、お客様満足度の向上と生産性向上の両立を目指す。
【情報の整頓】顧客データは、いつでも活用できる状態にしておく。
【意思決定のし易さ】会社の業績、お客様評価をBIツールで可視化する。
【選択と集中】顧客データを分析し、設備投資の優先順位を明確にする。
【人財教育】デジタルツールの活用を推進するための人財育成を行う。
【外部リソースとのリレーション】パートナー企業と協力し、DX推進を行う。
DX推進においては以下の二つの基本方針とする
1.【付随業務】デジタルツールを活用することで、既存ビジネスの生産性を改善する。
2.【主業務】データ活用により顧客の新たな価値創造を行う。
DX戦略を実現するための5つの柱
1.業務システムの最適化と連携
販売から損益管理まで一気通貫のデータ管理を行い、顧客創造と顧客満足の向上を行う。そのためのシステム連携を構築する【顧客管理・労務管理・経理・発注請求】
2.組織体制の変革
DXプロジェクトを推進するための社長管轄のDX推進チームを設置し、事業部全体のデジタル化の推進を行うと共に、各部門の業務改善や、新規事業へのチャレンジを加速する。
3.IT人財の創出
デジタル技術を活用し、自ら業務改善を行うことができる人財を社内で創出するために、社内教育の体制を整え、教育訓練を実施する。
4.業務効率化【付随業務】
既存の業務の洗い出しを行い、アナログ業務をデジタル化する(紙の帳票類の削減、RPAによる単純作業の自動化、業績データの自動集計)。バックヤード業務の効率化を図り、ムリ・ムダ・ムラを排除し、お客様の付加価値を提供する時間を増やす。生成AIを活用し、業務時間の短縮を行う。
5.スピード経営【主業務】
経営の意思決定に必要な顧客データ・業績データを可視化する。意思決定しやすいグラフを作成し、業績に関わる部門がリアルタイムで経営状況を把握するデータハウスを作成する。蓄積されたデータと生成AIの分析を活用し、KKD(勘・経験・度胸)ではなく、新KKD(科学的・計画的・データ)の決定プロセスを実行する。
DX戦略を実現するための予算
1.総人件費の5%を教育投資に使う。
DX推進を行うための教育投資を総人件費の5%毎年行う。データ・AI活用を実践できる人財を育てる。
2.デジタルツールや既存システムの更新
デジタルツール及びシステム修繕・改修の予算を年間約1,000万円を予算化。
DX戦略のロードマップ
DX戦略を全社で共有し、DX戦略5つの柱の取組みを長期計画で実行する。毎年DXセレクションに挑戦し、自社の進捗確認と目標設定を行う。
【業務システムの最適化と連携】
現在の基幹システム・クラウド型の会計システム・POSシステムを連携することで業績状況をスピーディーに把握する。
業績状況のデータソースは、デジタルツールと連携し、最新情報がリアルタイムで更新する。
「Kinsui Studio」へ各業績データを集約する。
【データ連携の流れ】
例.基幹システムのデータ連携
1.基幹システムのデータは、Googleクラウドに蓄積。
2.その後スプレッドシートにデータを反映。
3.スプレッドシートに紐づくGoogleルッカースタジオのデータが自動更新。
DX推進体制
DXプロジェクトを推進するための社長管轄のDX推進チームを設置し、事業部全体のデジタル化の推進を行うと共に、業務の見える化を進める。
DX推進チームのミッション
Process to Value. (プロセスを価値へ)
毎日の業務プロセスを、誰かにとっての「価値」へと昇華させる挑戦です。
デジタル技術を用いてプロセスを再構築し、生まれたリソースを顧客への新たな「価値」へ転換します。
DXプロジェクトを推進するための社長管轄のDX推進チームを設置し、事業部全体のデジタル化の推進を行うと共に、業務の見える化を迅速に進める。
現場担当スタッフは社外研修(DXに関する方針に準ずる)に参加。またサポート企業と協力し、DX推進プログラムを社内で開催。ITツールやAIの知識を学びながら、実際に取り組んだ内容を共有し、改善を繰り返す。
半期に1回の社長とDX推進チームが主体となり「成果報告会」を開催し、課題や課題解決にどのようなデータやツールを使ったのか?を各部門で発表。成功例の共有を行っている。
DX推進チームによるヒアリングにより、ツール開発のサポートを行う。
IT人財に求められるスキル
IT人財に求められるスキル
DX_AI 成果事例共有会・DX推進プログラムの実施
ITツールやAIを活用した業務改善の成果事例の発表会を実施。発表した優良事例は、他部門で積極的にマネする。グループワークを通して、AIやDXツールを活用すれば改善できる業務などの意見出しを行い。半年間のDX推進プログラムで実行する仕組みを行っている。
半年に1回、DX推進を行った成果の報告を実施。DX推進チームを中心に振り返りを行う。
半年に1回、各部門の担当者・責任者がITツールやAIを活用し業務改善を行う推進プログラムを実施。グループディスカッションを行い、改善できる業務の案出しを行う。施策を決定し、毎月振り返りを行う。
DX推進プログラムで取り組んだ成果について各部門が発表。参加者全員でフィードバックを実施。様々な意見を基に、さらなる改善に繋げる。
今現在は、AI活用をテーマとした改善に着手中。
おもてなしDXスキル一覧
幅広い人財が従事する宿泊業において最初から高いスキルを求めるのではなく、デジタルツールをまず触って活用して、利用技術を高めていくことを大切にする。導入している社内のDXツールの基本活用から、もう一歩進んだ利用技術を高めるために、上記にあるDX推進プログラムやDX大会、DX推進チームのサポートにより、スキルを高めていく。ボトムアップ型の支援を行う。
データ活用人財の育成
弊社の経営計画は、MQ会計をベースに作成を行っています。経営の数字を理解し、現場の意思決定のスピードをあげるため、「マネージメントゲーム」を毎月社内で開催し、若手からベテラン迄、製造業の社長の疑似体験を行います。ゲームを進める中で自らの意思決定で会社の業績がどのように変化したかを体験できる研修内容です。
研修を行う目的は、3つ。
①社内の共通言語の浸透
②社長の意思決定を学ぶ
③将来の幹部育成
損益計算書や売上、粗利益を共通の用語に。
例.PQ宿泊売上=P宿泊単価×Qお客様数
P=Price(価格)、Q=Quantity(数量)
毎月社内MGを開催。社長の疑似体験で会社経営を5期行う。データ活用で必要な「意思決定」の重要性をゲームを通じて学ぶ。
社内のインストラクターがゲームの合間に実際の会社のデータの事例を紹介し、会社の数字の理解を踏まえる。データ活用の土壌づくりとして研修を実施。
各部門の業務プロセスにおいて、業務の要件定義、マニュアル化を進める。自動化の必要な業務を選定し、業務フローの見直しを行う。取り扱うデータ量や更新頻度に合わせて、データ蓄積を行う。全体に影響する自動化が必要な業務は、外部パートナーに協力を依頼し、システム構築を行う。
事例.
フロントサービス業務。ひとつの顧客データから「料理確認表」「夕食時間の確認表」「座席表」を作成。
総合型DXプラットフォーム「Lark」で紙で提出していた宿泊アンケートや、会社での稟議書・出張申請書・研修報告書・クレーム報告書などの社内フォームをノーコードのアプリで作成。集計からデータの可視化を一元化。
宿泊部門の売上データの自動集計化。毎日AM8:00とPM4:00にデータがスプレッドシートに自動集計。入力や転記ミスを防ぐ。
RPAを活用して、日常集計業務の自動化を行う。ロボが行うため、業務のミスが0に。
生成AIを活用して、採用の求人のオファー文章の自動生成。ひとり当たりの作成時間が10分から5分に短縮。
事例1.お客様アンケートアプリ
改善前 / 課題
アプリ導入前は、紙・WEBのアンケートの両方を取っていた、月多い時で約300枚以上アンケートの回答があったため、紙の内容をExcelに打ち込みを行っていた。月締めのアンケート集計業務は外部委託しており、それでも3日~5日時間を要していた。紙は都度PDFにして、メール等で送信していたため、毎日5分~10分の作業も負担になっていた....
改善後 / 成果
お客様の声をリアルタイム収集&自動グラフ化
コロナ禍に非接触対応のため、紙のアンケートからGoogleフォームを活用して、お部屋にQRコードの入ったPOPを作成し、お客様の声を収集していました。フォームに回答するとGASを組んで、gmailへ自動転送していましたが、メールを開かないとお客様アンケートがいつ回答されたのか分かりませんでした。そのためクレームがあっても、気づかず、そのままチェックアウトとなり、お客様対応が疎かになっていました。
総合型DXプラットフォーム「Lark」のBASE(ノーコードアプリ作成ツール)でお客様アンケートを作成し、社内のチャットグループに通知が届くことで、すぐにお客様の声を確認でき、チェックアウト時にお声かけや、対応ができるようになりました。さらに、届いたアンケートは即時にグラフ化され、会議資料などの作成時間(約1時間)が0分になりました。
①お部屋のアンケートPOP、客室TV内のインフォメーションから、QRコードをスキャンすると、Larkのアンケートアプリへ。
②お客様がアンケートに回答すると、チャットグループに即座に通知が届く。グループで情報共有が簡単に。
③お客様がアンケートに回答するとダッシュボードのグラフも自動更新。いつでもお客様の評価が見える化されている。
④アンケートのテキストを自動(テキストマイニング)で見える化。よく記述があるキーワード(自社の強み)を把握。
事例2.社内の報告書・決裁などを紙からアプリ化
改善前 / 課題
今までは、社内の稟議や申請書類などは、紙で提出をして、担当者→上司→社長→経理と、承認者がたくさんおり、誰かが休みの場合は、稟議がストップしたり、忙しくて確認が出来ずに、承認までの時間がかかっていました。そのため急ぎの案件も対応が後手に回っていました...
改善後 / 成果
研修報告書の提出や社内決済までの承認時間を削減
こういった悩み(現場の声)がDX推進チームに届き、総合型DXプラットフォーム「Lark」のBASE(ノーコードアプリ作成ツール)で決裁が必要な紙の稟議書、帳票類をアプリ化。すぐに稟議が届く仕組みに改善しました。
担当者が決裁アプリに日付/参加者/内容/金額/領収書などの項目を入力し、ボタンを押すと、次の上司に自動的に通知がポップアップで届き、内容を確認し上司がチェックBOXにチェックを入れると、社長へ。社長がチェックをすると、最終管理者の経理担当へアプリを経由して届く仕組みになり、今まで半日から1日かかっていた業務時間が、最短1分で決裁が確定できるようになりました。また経費の支払いも行うことができ、業務時間の短縮に繋がりました。
①稟議書をアプリを開いて、部署、報告書、日付、参加者を選択する。
②アプリに撮影した領収書や詳細の明細を添付する。
③写真と領収書などを添付した後、アプリ内の送信を押すと、上司→社長→経理担当者へ承認がとんで、即時に決済が行われる。
④今まではインセンティブの承認も紙の書類だったため、記入なども面倒でせっかくインセンティブを支給しても利用がされませんでした。アプリにして、利用率20%→100%へ。
事例3.情報の集約!経営の見える化ダッシュボード「KINSUI Studio」
改善前 / 課題
各部門の業績データは、毎月の月例会議で実績報告する仕組みになっています。館ごとの業績データは、各館の責任者がExcelで管理しており、シートごとにデータを管理していたのですが、行や列がズレてしまい、誤った数字を報告する。大きなミスもありました。また集計業務は、チェックアウト後にシステムの日次処理を行うため、処理が終わるまでの時間は待機しないといけない状況でした...
改善後 / 成果
経営者、部門責任者の意思決定スピードアップ。データを基に改善アクションや販売タスクを実行。
今までは、社内の部門ごとの業績データは、各部門責任者が管理していて、ある意味ブラックBOXでした。各部門の業績データをリアルタイムに把握するために、Googleサイトに各部門のデータを集約するデータハウスを作成。Googleアカウントを取得したスタッフにダッシュボードが見れる仕組みにしました。管理職まで見れるデータなどもあり、職責によって閲覧できるデータを制限。
ダッシュボード内にある業績データは、基幹システムに蓄積された顧客データ・販売データをクラウドに接続。クラウド内にデータを蓄積し、Googleルッカースタジオで見える化し、8時、14時にデータが自動更新される仕組みになり、集計・更新業務の手間が無くなりました。
業績データがリアルタイムで集計され、グラフが更新。最新のデータを基に、各部門の実行計画(改善アクションや販売タスク)の作成が楽になりました。毎日の朝礼での数字報告。毎月の月例会議で、各部門のマネージャーから実行計画の進捗にも活用しています。
会議資料の作成に半日かかってい時間が0時間に。リアルタイムでデータが更新されるため、常に報告資料更新されるため、補足資料の準備で済むようになりました。
①経営の見える化ダッシュボード「KINSUI Studio」に各部門の業績データを格納。管理職しか見えれないデータには★。全員が見れるデータは☆。
②業績データは、ビッククエリとスプレッドシートを連携し、蓄積したデータがリアルタイムでグラフで可視化される。
③毎朝の朝礼時に、各部門より数字報告を行っているが、以前は担当者ごとでExcelや電卓などで集計していたため、実際の数字と異なっていたり、報告するフォームがバラバラだったため、ルッカースタジオで報告する内容を統一。集計業務や個人の力量に頼らなくても良くなった。ひとつのデータから、複数の報告データに変換しているので、更新すると関連するデータも自動更新され、手間いらず。資料作成時間が約30分→0分へ。
④業績データを基に、毎月の「月例会議」で改善アクションや販売タスクを各部門のマネージャーから報告。ルッカースタジオのデータを基に、3カ月から半年先の販売促進をスプレッドシートなどで管理。各部門で成功した事例などを共有できるように、他部門のタスクも管理職は確認できるので、良いものは真似る。横展開のキッカケになっている。
事例4.データ収集の自動化→データの可視化→生成AIで分析。
改善前 / 課題
各OTA(オンライントラベルAG)の宿のクチコミ評価は、今まで生成AIを活用してGAS(Google Apps Script)を組んで実施していましたが、どうしても欲しいデータを取得することが出来ず、手作業での情報収集を行っていました。集計業務に約3時間程かかっていました。
改善後 / 成果
RPA(Robotic Process Automation)人間が行うパソコン上の定型的な事務作業(マウス操作やキーボード入力など)をソフトウェアロボットに自動化させる技術を活用して、データ収集を行う。ロボが自動でデータを収集するため、転記作業のミスは0。自動でロボが作業を行うため、約3時間程の作業時間が0に。
その後、集めたデータをPDF化し、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成AI)にデータを読み込ませ、自社の評価をAIが分析。強み・弱み・ライバルとの比較を実施し、サービスの改善に活用している。
事例5.生成AIで食材の発注業務を時短。 (宮島別荘_洋食調理)
開発担当:ホテル宮島別荘 洋食調理 河戸宏之
改善前 / 課題
朝食の発注をするのに30分程度かかってました。更に大体の必要数を把握するのに約半年ほどの経験が必要。発注ミスも多発。
改善後 / 成果
AIに動員数を打ち込むと必要食材の数を自動で算出。在庫と必要数の差のみ発注すれば生成AIが数を算出。
現在の計算方法 生成AIにお客様数を入力
必要数ー在庫数=発注数、発注時間約10分 年約260回=43.5時間
年間約86.5時間の削減、また新入社員でも発注業務をできるようになった。時間短縮よりも誰でもできるようになったことが1番の成果です。
【Before】
在庫チェック表の商品の横に80人ベースの数量を記載していた。そのため、まずは必要な発注数を電卓で計算し、在庫の状況を確認後に発注していた。
80名ベース×お客様数=必要数
必要数−在庫数=発注数
発注時間約30分/1回 年約260回=130時間
【After】
現在は生成AIのプロンプトに、
・60名ベースの発注量
・指定数の割合で計算すること
・パートナー様ごとに商品分けをすること
をいれておき、発注する時にお客様数を打ち込めば発注必要数をAIが算出。
事例6.売店商品の発注作業 効率化。 (錦水館_サービスチーム)
開発担当:錦水館 サービスチーム 田中雄太
改善前 / 課題
錦水館の1F売店には約50品目の商品があるため、在庫管理と発注業務に時間がかかっていた。改善前は、発注が必要な商品は、業者名や商品名、ロット数を都度入力し、印刷してFAXするという業務フローで、パソコンの入力作業の手間が多い状態でした。
在庫をチェックし、発注したい商品と数をメモする。約10分
各業者毎に発注書を手書きFAX、メール発注はExcelでの発注書を記入し送信する。約20分(商品毎に業者を自身で把握し、商品毎の最低ロットも覚える必要があった。その為、新任はさらに時間がかかる)
改善後 / 成果
発注業務の時短を行うために、発注アプリを開発。商品にあるバーコードをアプリを起動し読み込む→発注日を選択→数量を入力し登録→登録ボタンを押すと、連携されたスプレッドシートの発注書にデータが自動反映。パソコンの入力作業の工数が無くなりました。
アプリを起動して、発注したい商品のバーコードを読み取り発注数を記入する。約5分。
(業者毎の発注書に自動に振り分けられ、ロットの指定がある物は最低ロットに自動的に変換される為、発注業者とロット数を覚える必要がなくなった。)
スプレッドシートの発注書をPCから直接FAX、メール発注はPDFにし添付。約5分。
デジタル化した為ペーパーレスを実現。
発注ログも同システムに付け加え、二重発注や発注漏れを軽減することに成功した。
また、同システムを応用し毎月の棚卸しを2時間から40分に削減することにも成功しました。
①発注アプリを起動して、商品のバーコードを読み取る。
②スマホで誰でも売店商品の発注業務ができるので、業務時間の短縮に繋がる。
③発注日と数量を入力し、登録ボタンを押すと、発注書も自動更新されるので、入力ミスも0。
事例7.学生様に送付するオファー文章の作成効率化。 (錦水館_採用チーム)
開発担当:錦水館 採用チーム 西谷友美
改善前 / 課題
見込みのある学生さんにオファーを送る際、主な課題が3つありました。1つ目は一斉送信できず時間がかかる点、2つ目に送信するスタッフによりオファー内容に差が出る点、3つ目がオファー文が定型文だとオファー承諾率が下がる点です。
改善前は、学生検索をしてオファーしたい人材を探す→PR文など学生さんの登録内容を読む→オファー文を作成し送付する、という手順でした。時間は一人あたり平均10分です。基本的には定型文を作成しておき、魅力を感じた点・活躍頂けそうな点を、個人に合わせて入力し送付しておりました。
改善後 / 成果
改善後は、オファーしたい人材を探す→学生さんの登録内容のページを「Fireshot」でPDF化する→RAGチャットにそのPDFを入れ、作成してと入力する→30秒程度でAIがオファー文を作成→オファー文の齟齬が無いかチェック→コピー&ペーストで送付という手順です。時間は一人当たり平均5分に削減できました。
今まではほぼオファー文が定型でしたが、学生さんに合わせて企業のアピールポイントも変えるなど、より個人に合わせたオファー文が作成できています。
年間250時間かかっていた作業が、125時間削減できました。
①オファしたい人材の学生様の登録内容ページを「Fireshot」でPDF化する。
②RAGチャットの「採用オファ文章作成」のプロンプトを選択。先ほどPDF化した学生様の登録内容のデータを読み込んで、入力実行。
③約30秒程度で、生成AIが学生様の今までの経験から個人に合わせた文章内容を作成。作成した内容をチェック修正する。
④RAGチャットで作成したチェック&修正した文章をコピー&ペーストして送信完了。今までひとり当たり10分かかっていた作業が、5分に短縮。
経営の意思決定に必要な顧客データ・業績データを見える化し、データ更新を自動化することで、スピード決定を行う。早く決定することで成果に繋がり、成果をもとにまたスピード決定→実行のサイクルを回す。KKD(勘・経験・度胸)ではなく、新KKD(科学的・計画的・データ)を決定のプロセスにする。
事例1.飲食事業の商品アイテム 販売改善
改善前 / 課題
コロナ禍で観光地を訪れるお客様が激減しました。これまで、お客様に喜んでいただこうと、品数を増やし、多様なニーズに対応するため商品アイテム数を増やしていましたが、お客様数が減少し、食材の賞味期限切れなどが発生し、多くのロスが出ました。メニューも多かったため、お客様が入店して選ぶ時間、メニューも多かったため、異なる食材、工程で調理しなければならなかったため、料理提供も遅く、お客様に迷惑がかかる状況でした。
改善後 / 成果
「あれもこれも売りたい!」から、本当にお客様に選ばれる商品は何なのかをPOSデータを分析し、販促物の見直しを実行。
課題の改善のために、DX推進チームと現場スタッフでミーティングを実施し、「本当にお客様が選んでいる商品は何か?」を、まずはPOSの実績データを分析することにしました。その結果、ほとんどの売上が特定のメニューに集中していることが分かりました。
実績データを、スタッフにも分かり易く解析できるように、GoogleのLooker StudioでPOSデータをグラフ化し、ダッシュボードでABC分析やOPQR分析を行いました。スタッフのミーティングの中で、「売れているメニューが目立つように画像を大きくしよう。」「この商品は画像を載せずにテキストだけでいいんじゃない。」「もう思い切ってこの商品は止めませんか。」という意見なども活発にでるようになり、販促物(メニュー・POP)の見直しを行いました。
その結果、いらないメニューを無くして、重点販売メニューに変更し、席案内・オーダー時間・料理提供時間の一連の業務時間の短縮が行われ、席の回転数が改善。コロナ前の良かった時の業績と比較してコロナ前対比 売上175%アップという成果に繋がりました。
この経験から、今では現場の料理長もデータを見る習慣が生まれ、定期的な商品の入替案が上がるようになりました。
①POSシステムから、商品実績データを抽出。→Googleスプレッドシートにデータを蓄積。
②スプレッドシートのデータを、Googleのルッカースタジオで見える化。ダッシュボードでグラフ(ABC分析)化を行い、売れている商品の全体像を把握。実は売上上位70%を4アイテムで占めていることが分かった。
③同じくダッシュボードのグラフ(OPQR分析)で販売数量も多く、粗利益の総額が高い商品。粗利益は高いが数量が少ない商品。数量は多いが粗利益が少ない商品。見直しが必要な商品。を散布図で把握。
④POSデータを見える化し、ABC分析やOPQR分析を行った後、ランチメニュー、ディナーメニューの合計40アイテム数を20アイテムまで絞り込み。売りたい商品がより売れるようにPOPやメニューを改善。商品アイテムを絞り込むことで、回転率が上がり、席案内+オーダーを聴く時間+料理提供時間 合計12分から合計5分(7分の削減)に短縮。
事例.2 予約販売業務のレベニューマネジメントに宿泊データを活用。
改善前 / 課題
宿泊・観光業は、繁忙期と閑散期の波が激しく、日々の宿泊料金のコントロールが収益アップの要になります。以前は、担当者の経験に左右され、宿泊料金の決定もまばらでした。パートナー企業にも販売促進に携わる業務を委託しているため、共通の認識の元となるデータ管理が出来ていませんでした。
改善後 / 成果
利益(粗利益)の最大化を行うためのレベニューマネジメントに宿泊データを活用。
レベニューマネジメントとは、需要と供給のバランスを調整して、売上や利益を最大化させる販売管理の手法です。現場のマネージャーと、パートナー企業の担当者で販売計画を考える上で、判断するために必要な業績データをGoogleルッカースタジオで見える化。担当者同士で意見の擦り合わせを行い、意思決定できるようになりました。
責任者は、毎日の出勤時に、半年先の先行予約を確認しながら、休前日、平日などの価格を日々変動させています。以前は、システムの都合上、自社HP、OTA(オンライントラベルAG)のデータしか抽出できなかったのですが、基幹システムを新システムに移行してから、電話予約のお客様情報もデータとして積み上げることができるようになりました。
日々の宿泊データを参考に、宿泊料金の上げ下げを行い、利益(粗利益)の最大化を目指している。データは、マネージャー以外のスタッフも閲覧でき、意思決定に必要な情報を「見える化」(ビジュアライゼーション)。
データ活用と設備投資を行い、粗利益の最大化を目指した結果、平均宿泊単価は、28,000→48,000円(今現在)に改善。
①基幹システムから、宿泊データを抽出する。→Googleスプレッドシートにデータを蓄積。
②マネージャーは、日々のレベニューマネジメントをデータをもとに意思決定。利益(粗利益)の最大化を目指す。
③蓄積されたデータは、Googleのルッカースタジオ(BIツール)を活用して、見える化し、意思決定に必要な数字・条件などが各館ごとにまとめられている。
④勘や経験に頼らず、宿泊データの現状を見て、昨年対比(AG別、部屋タイプ別など)の情報を整頓し、どのように販売するのか?を決定。データを元に改善を行う。
事例.3 データと生成AIの活用で新店舗オープン。
改善前 / 課題
既存ビジネスモデルの強みは、高い利益率の宿泊がメイン(粗利益80%)、その半面弱みは、定期的な設備投資が必要。また利益率が良い分、付加価値を生むための人件費やエネルギーコストがかかるため。今後、少子高齢化に向かう日本にとって、採用コストや物価高の影響を受けやすい業界でもあると認識しています。影響が大きい分、少数精鋭でも運営できるオペレーション設計とパートスタッフが主体となったビジネスモデルに挑戦が必要と認識。
改善後 / 成果
新たにチャレンジしたことがテイクアウト事業への挑戦です。
ホテル宮島別荘では、経営体制の刷新を機に、現場主導の「宮島新名物プロジェクト」を始動しました。料理人の河戸と経営陣は、BIツールのデータ分析から競合の少ない「コロッケ」に着目。宮島名物の穴子や広島牛を使用した独自のレシピを開発しました。
製造コストや投資回収の課題に対し、生成AIを活用してシミュレーションを行った結果、適切な販売価格を設定でき、早期の収益化を実現。さらにAIは販促活動にも波及し、スタッフによる楽曲制作など自発的なアイデア創出を促しました。データに基づく現状把握と、AIによる柔軟な発想を掛け合わせることで、現場の声を活かしたDXの成功モデルを構築しました。
開発時は生成AIを活用し、原価率から投資回収プランを試算して最適な販売価格を決定。開店後は在庫欠品や多言語対応の不備に直面しましたが、販売データの蓄積と口コミの分析により、発注のルール化やメニュー修正を迅速に実施しました。
現在はデータ共有の仕組みが整い、繁忙期でも欠品のない安定供給を実現しています。現場の熱意にデータとAIを掛け合わせた本件は、ボトムアップ型DXの成功モデルとなりました。
取り組んだ結果、ホテル宮島別荘の全体売上の4%を実現。利益に関しては全体の利益の6%を生む成果に繋がっている。
①現場主体で、新規事業に挑戦。宮島新名物プロジェクトを始動し、宮島コロッケを2024年11月23日にOPEN。
②商品開発から商品仕入(原価)れなど、既存の飲食部門のデータを活用し、季節指数や売れ筋商品の特徴や価格帯などを参考に、生成AIが適正な販売価格を分析。シュミレーションを行う。
③商品情報や商品のポイントなどを参考に生成AIを活用して分析。商品POPやキャッチコピーなどを制作。また店舗のBGMもスタッフの提案で生成AIが作成したテーマソングを流している。データ活用以外にも、生成AIを活用。
④新規事業でスタートした宮島コロッケは、ホテル宮島別荘の全体売上シェアの4%を実現。今後もデータ分析と生成AIを活用して、顧客満足アップに貢献する。
情報セキュリティに関する方針
対策前 / 課題
災害についてのBCPや対策の方針については整備されていたが、情報セキュリティに関する規定や方針が足りなかった、またはルールが明確でなかった。
対策後 / 成果
CYBERGYM広島にて、インシデントの発生やサイバーセキュリティの事例なども学ぶことができ、経営者だけでなく、幹部や顧客情報を扱う部門責任者とも、共通の課題や認識を共有できた。情報セキュリティに関する規定やルールなど専門家の意見を取り入れ、▶情報セキュリティ規定・サイバーセキュリティ対策の方針を作成した。
改善前 / 課題
顧客情報を活用するためのデータ収集や数値の見える化は、取り組んできましたが、顧客の資産となる大切な情報を守るための社内啓発やルールが明確になっていない。いざインシデントの発生、サイバー攻撃にあった場合の対策などを知らないスタッフも多いため、勉強会などでセキュリティ対策の基礎知識を学ぶことが必要でした。
対策後 / 成果
CYBERGYM広島でセキュリティ対策の勉強会を実施。
顧客情報を扱う部門の責任者とホテル全体を運営する幹部層や経営者が同じ認識で、セキュリティ対策を実行できるように必要な知識を学びました。インシデント発生の原因や、ウイルスがどのように侵入するのか?また最新の事例の共有など、セキュリティ対策の基本を学びました。
年に1回、全社員勉強会をセキュリティ対策の専門家を招いて実施。情報セキュリティ対策の浸透を行う。(毎年12月or1月に実施)
【参加者の声】
「実際の流れや重要な物が点を理解しやすかった。状況を再現することで、危機感を体感でき改善すべき部分を意識することができた。具体的な事例があったため、身近に感じることができた。」
「マルウェアによる攻撃被害を、実際に体験できたのが新鮮でした。発生を防いだり、攻撃に気づくのはなかなか難しいと思うので、まずは、事前に進行状況に応じた対策を考えておく・決めておくことが大切だと感じました。」
「分かりやすい資料と共に、実際にPCにて演習をおこなうことでより具体的に理解をすることができたのでよかった。」
サイバー攻撃対策、社外パートナーとの情報共有と連携。
サイバー攻撃の初動と被害の拡大防止の対策のために、「Acronis EDR 」を導入。Acronis EDRは、単なる脅威の検知・対応に留まらず、バックアップやディザスタリカバリといったアクロニス社の他の機能と深く連携している点が大きな特長です。これにより、インシデントレスポンスの時間を短縮し、より確実な復旧を実現します 。異常を検知した場合は、弊社セキュリティー担当と、パートナー企業とデータを確認の上、対策を打つ。
【AIを活用した分かりやすい攻撃の可視化】
攻撃の連鎖(サイバーキルチェーン)を、人間が解釈しやすい自然な形で表示します 。
攻撃が「どのように侵入し、どのように拡散したか」などを業界標準の「MITRE ATT&CK」フレームワークにマッピングし、専門知識が豊富でない担当者でも理解しやすく解説します 。これにより、攻撃分析を迅速に行えます 。
【単一コンソール・単一エージェントによる統合管理】
EDR、バックアップ、ディザスタリカバリ、パッチ管理など、すべての機能が一つの管理コンソールとエージェントで管理・監視できます 。
【バックアップと連携した強力な修復・復旧機能】
「Advanced Security + EDR」では、EDRがバックアップおよびディザスタリカバリ機能と統合されており、マルウェアの駆除だけでなく、被害を受けたシステムを正常な状態へ復旧させることが可能です 。
【インシデントレスポンスプロセスへの対応】
業界標準のインシデントレスポンスの各フェーズ(特定、封じ込め、根絶、復旧)に対応した機能を提供します 。
【このシステムでできること】
このシステムは、インシデントの検知から分析、対応、復旧、予防までを包括的にサポートします。
社内で使用する情報に関する文章及びマニュアルなどは、LarkのDocsに統一。
社内で使用する情報に関する文章及び、マニュアルは、総合DXツール「Lark」で作成。閲覧や編集権限等、データの開示に関して制限を行う事で、職位によって情報の提供を選択できる。退職した場合なども、システム内にログが残るため、データを削除された場合でもバックアップできる体制を整える。