「湘南ミサワホーム」を選んではいけない理由

①単純に施工が杜撰過ぎる。

私の家を作った下請けの工務店は、その後も同じように「湘南ミサワホーム」からの仕事を請け負い続けているようです。

「湘南ミサワホーム」の現場監督も同様に、仕事を続けているようです。

工務店も現場監督も、当たり前の施工をやっていなかった理由は説明出来ませんでした。(ただの手抜きだから説明のしようもないでしょうが・・・)

施工不良の再生産があなたの家で起きることのないように、特段の理由がなければ「湘南ミサワホーム」を選ぶことはお勧めしません。

②社内監査が機能していない。

一級建築士の資格を持った社員の方が、ポイントポイントで施工具合をチェックをすることになっており、私の家もチェックでパスしたことになっています。

しかし一見しただけでわかる、床下防湿シートのめくれや、天井断熱材の未施工や施工不良は見逃されていました。

③いくら補修しても良くならない。

床下防湿シートは2回補修しましたが、まだ床下の土が剥き出しの部分があります。

天井断熱材も2回補修しましたが、断熱不良箇所が残っており、まだあちこちで4℃以上の温度差が見られます。天井の隅(外壁と外壁が直交し、天井に接している部分)では、8℃程度の温度低下もあります。確かに一番フィン効果が影響する部分ではありますが、単純に角の部分の断熱材の施工不良が考えやすいです(住所が一番近い横浜のアメダス情報では、その時の気温は6.6℃でした。天井温度は温度が高い部分ではサーモカメラで18℃程度でした)。

④嘘をつく。最後まで認めない。

1)階段手摺の固定が外れた部分は明らかに使用しているネジが問題のおきていない場所のネジとは異なっていました。それでも階段手摺が3年弱で壁から外れたのは自然劣化との説明でした。こちらが指摘してやっと施工不良であることを認めました。

2)床の不陸に関し、床材メーカーから釘打ちが不十分であることを報告されていながら、不陸は自然な木材の伸び縮みであるとの説明を繰り返しました。欠陥住宅検査の報告で釘打ちが不十分であることを指摘されやっとそれを認めました。

しかし、この段階でも釘打ちが不十分なのは、床暖房パネルの特殊な理由(水漏れが起きないよう)によるものとの説明でした。こちらが床暖房パネルのない普通の床でも釘打ちが不十分であることを指摘してやっと理由のないただの手抜きによる施工不良であることを認めました。

3)床下防湿シートがめくれて土が剥き出しになっているのは、一旦きちんと施工した後で配管業者がシートをめくってしまったとの説明でした。

しかしこちらで確認するからどのように施工していたのか問い合わせをするとやっと最初から施工不良であることを認めました。

⑤施工マニュアルを遵守しない。

階段手摺の固定方法は「ミサワホーム」の施工マニュアルに沿っていませんでした。

床下防湿シートの施工方法は、届け出た申請書には「ミサワホーム」の方法が記載されていました。実際の施工はそれとは異なっていました。

床フローリングの釘打ちの施工マニュアルも遵守されていませんでした。

ロックウール断熱材を天井に敷き詰める時に、「吊り木と干渉する部分はマットを切り欠き吊り木回りに隙間を生じさせないようにマットを突き詰めます」と言う、ロックウール工業会の施工マニュアルも無視されていました。

⑥技術力がない。

天井断熱のことや、MGEOのことなどに関して質問しても、返答に2カ月以上の日数を要しました。

毎回「ミサワホーム」の技術担当にこちらの質問内容への回答を照会していたようです。

ここからは、一般論として「湘南ミサワホーム」を選ばない方がいいと思われる理由です。

(あくまで個人の感想です)

⑦布基礎(防湿シートのコンクリート押さえなし)で、床下防湿シート施工だが定期的にシロアリ対策の床下作業が必要。

私の家では床下防湿シートの施工不良があり、2回敷き直しの補修をしましたが、それでもまだ土が剝き出しになっているところが残っています。

これは補修がいい加減だったと言うよりも、床下の狭い空間で作業をすること自体が非常に難しいことが原因と思われます。床下防湿シートを敷き直しながら移動すると、その作業で別の場所の床下防湿シートをめくってしまっていると言う訳です。

防湿シートの補修ですらそうなのですから、防湿シートと直接関係のないシロアリ対策の作業で防湿シートがどうなってしまうかを考えると、定期的な床下での作業が必要な木造建築において、ベタ基礎でなく防湿シート(コンクリート押さえなし)を使用している「湘南ミサワホーム」のようなハウスメーカーは選ばない方が良いでしょう。これは「ミサワホーム」も同様ですので、どうしても「ミサワホーム」系で家を建てたい場合は、オプションでベタ基礎にしてもらうか、少なくとも防湿シートを薄くてもコンクリ―トで押さえてもらうことを相談した方が良いでしょう。

⑧天井断熱材が、天井裏に断熱材を置くだけのもの。

「良くない天井断熱」でネット検索すると、天井下地の上に断熱材を置くだけの施工が、良くない例として数多くヒットします。

単純に考えれば断熱材を敷き詰めるだけなので、問題ないようにも思えますが、実際のところ隙間なく敷き詰めるのはほぼ不可能です。

天井下地には、野縁の凹凸があり断熱材との隙間が発生します。吊り木や照明などの構造もありここでも隙間を埋めるのは困難です。

断熱とは、断熱材の性能も重要ですが、空気の流れを止めることもそれ以上に重要です。いくら性能の良い断熱材を使っていても、隙間を空気が流れれば断熱材は施工されていないとの変わりありません。

「湘南ミサワホーム」の天井断熱材は、ロックウールを使用しています。正確ではないですが、大きなキッチンスポンジが袋詰めにされたようなものです。

そして天井の構造は、大まかに言って下の図のようになっています。(ここでは野縁や野縁受け、吊りボルトなどが金属製になっていますが「湘南ミサワホーム」は木製です。)

主な熱伝導の経路は、「室内→壁紙→石膏ボード→断熱材→天井裏空間」です。

     場所により「室内→壁紙→石膏ボード→石膏ボードを固定する野縁木材→断熱材→天井裏空間」や、

          「室内→壁紙→石膏ボード→石膏ボードを固定する野縁木材→野縁受け→吊り木→吊り木回りの天井裏空間/屋根構造物」の経路もあります。


「湘南ミサワホーム」の断熱材が施工されていなかったり、隙間が大きかったりで天井裏空間から直接石膏ボードが視認出来るような杜撰な施工は勿論問題外です。

そして、野縁や野縁受け、吊り木回りの空気の流れを遮断することです。野縁や野縁受けの上に、大きなスポンジのようなロックウールを敷き詰めても、野縁や野縁受けの横にはどうしても隙間が出来てしまいます(この隙間は天井の水平方向に広がります)。同じように吊り木の回りにロックウールを頑張って寄せて敷き詰めてもどうしても隙間が出来てしまいます(この隙間は天井の垂直方向に広がり、天井空間とつながります)。

この水平方向と垂直方向の隙間は吊り木の部分で連続します。


簡略化していますが、縦方向の隙間と横方向の隙間が繋がり、空気の通り道が、天井石膏ボードと断熱材の間に出来てしまいます。

ここを外気が流れるので、断熱効果は発揮できません。



吊り木回りでは、隙間を作らないために、ロックウール断熱材に切り欠き施工が必要です。

ロックウールを寄せただけでは一見隙間が無いように見えても空気の流れが出来てしまいます。

実際「湘南ミサワホーム」の天井の2回の補修では、サーモカメラで断熱性能が低下しているところを室内から確認してリアルタイムで天井の作業者に断熱不良部位を伝達していましたが、改善はみられませんでした。補修後に「隙間なく断熱材は敷かれている」との返答でしたが、「本当に隙間なく断熱材が敷かれて断熱不良が改善したとすれば、時間が経てばサーモカメラで見た時に周りの温度と同じになるはず。そうはならないのは空気の流れがあるからではないか?」と質問したところ、明瞭な回答は得られませんでした。

施工不良に対する「湘南ミサワホーム」の2回の補修に関しては、下請けの工務店ではなく「湘南ミサワホーム」の会社の職人さんが作業をしてくれました。別のところでも記載しましたが、2回補修しても断熱不良が明らかであり、他に良い方法はないのか?と繰り返し質問して、「3回目の補修として断熱材の切り欠き施工を行います」、との返答でした。「湘南ミサワホーム」としては、吊り木回りの断熱材の切り欠き施工は行わないのが通常のようです。


⑨天井の防湿・結露防止性能は十分か?

住宅の結露対策として、天井石膏ボードの室外側に、別張り防湿フィルムというものの施工が義務付けられています。

欠陥検査でこの別張り防湿フィルムが施工されていないことを指摘されましたが、「湘南ミサワホーム」の回答は以下の通りでした。


「日本住宅性能表示基準・評価方法基準 技術解説(新築住宅)2018」のp309にあるように、一定の基準を満たせば、別張り防湿フィルムの施工は省略しても良いと定められている。「ミサワホーム」はこの基準を満たしており、「ミサワホーム」に準拠した「湘南ミサワホーム」も別張り防湿フィルムの施工は制度上は省略しても良いことになります。


一定の基準と言うのは、「内部結露計算(一次元・定常)」において、

の温度・湿度条件で、結露しなければ別張り防湿フィルムは省略できると言うものです。

「ミサワホーム」は外気の温度条件として、北海道のー11.6℃を使用して、「内部結露計算(一次元・定常)」で結露しない結果を用いて、「別張り防湿フィルム」の施工をしなくても良い型式認定を受けているとのこと。「湘南ミサワホーム」も「ミサワホーム」の工法に準じているので、「湘南ミサワホーム」も「別張り防湿フィルム」の施工をしなくても良いと言う説明でした。

国が決めた基準だから、どうこう言う積りはありませんが、「ミサワホーム」が提出した結露計算では、単に石膏ボードの上にロックルール断熱材が2重に重ねられているものを計算式に従い結果を出したものです。つまり特に「ミサワホーム」の特別な施工方法によるとかと言うものではなく、石膏ボードとロックウール断熱材の熱伝導抵抗と透湿抵抗から決まる結果です。


この「内部結露計算(一次元・定常)」において、結露しないと言う意味は、計算された各部位の水蒸気圧が、同部位の飽和水蒸気より小さければ良いと言うことです。

そして「ミサワホーム」が提出した計算書によると、飽和水蒸気圧と計算された水蒸気圧と飽和水蒸気圧の差が一番小さくなるのは、重ねた断熱材の境界の部位においてで、以下の通りになります。


ここで、2つの疑問が湧いてきます。

(1)そもそも室内で10℃で暮らすか?

(2)計算上は飽和水蒸気圧の方が実在水蒸気圧より確かに高くなり結露しないと言う結果であるが、その差は非常に僅かである(圧差/飽和水蒸気圧=2.7%)。

断熱材は工業製品なので、10%程度の性能のばらつきはあるはずである。

そして、この計算は、ロックウール断熱材が理想的に2重に重ねられている場合の結果である。

より実際の気象条件に近い状態で、「湘南ミサワホーム」の家は対結露性能があるのかを知りたくなりました。

そこで、

では、どうなるかを質問しました。

例によって、2カ月以上回答が来るのに日時を要しましたが、回答は以下の通りでした。

以上の3つの条件で、「内部結露計算(一次元・定常)」から、結露しない結果であるから大丈夫と言うものでした。

ここでも疑問が湧きます。

なぜ、顧客が質問した条件に対する回答をしないのでしょうか?

それに対する回答は、

冬場の室内70%と言うのは、サッシ部で結露が発生してしまうので室内60%として計算したと言うものでした。

今天井で結露する条件の話をしているのに、サッシ部で結露するから条件を変更しましたと言うのはどういうことでしょう?

悪いことをしたのを咎められて他にもっと悪い奴がいると言い訳するようなものでしょうか?

夏の熊谷の湿度条件24%と言うのは、結露を論じるに適した条件でしょうか?湿度24%と言えば関東で、乾燥注意報が出る条件の湿度25%を下回っています。

蒸し暑い場所として沖縄の気象データを使用したとの回答でしたが、この条件も結露を論じるに適した条件でしょうか。

再度この点に関して質問をしたところ、

「顧客が質問した条件では、結露するので別の条件で計算した」との回答でした。

つまり、一度計算して、結露してしまう結果になったので、それっぽい説明をつけて別の条件(しかも勿論結露しないという結果になる条件)での結果を提示したと言うことでした。

「実在の条件の方が良いかと思い実条件を使用した」との説明があったので、沖縄(那覇)の2019年7月15日午前6時0分の28.1℃、湿度97%ではどうかと聞いたところ、やはり結露すると認めました。

さらに言えば、横浜の2020年9月2日の温度27℃、湿度9%の外気条件においても「内部結露計算(一次元・定常)」では、結露すると言う結果になります。


結局は、実際の気象条件でも一次元定常モデルで結露する、と言う結果になり、「湘南ミサワホーム」もそれを認めました。

しかし今度は、「結露するかもしれないが実害は発生しないと考えております」との見解を伝えてきました。

こちらの質問した条件を変えてまで、一次元定常モデルの結果を使って、「結露しない」と言っておきながら、実際の気象条件で一次元定常モデルで結露すると言う結果になると、今度は別の基準(?)を持ってきました。

そこで「実害が発生しないと考える」根拠を問うと、

これまで正しく設計・施工された建物において、本仕様に起因した断熱材内部結露による湿害は確認できていないということになります。

ここでいう湿害とは、結露水を含むことによる断熱性能の低下、結露水による天井仕上げ材の汚れ、カビ発生等を言います。」

との返答でした。



ここでまた、「確認できていない」というのは「正しく設計・施工された建物」で「調査をしたけれど湿害は発見されなかった」と言うことでしょうか?それともただ単に「湿害の報告があがっていない」と言うことでしょうか?

と問うと、

後者になります。本仕様に起因する問題が生じていないことから実績と考えております。

との返答でした。

やはり報告がなければ、問題が起きていないという実績になるようです。そして欠陥住宅の場合は実績には組み込まれないようです。


⑩MGEOに関する考察

天井の「別張り防湿フィルム」の省略に関し、「ミサワホーム」は「費用対効果の観点から、必要な性能を確保しつつ、お客様メリットの最大化を目指した技術開発」 の一環として、「別張り防湿フィルム」を省略しているとのことでした。

ここで疑問がまたひとつ。私の家は2世帯住宅だったので、やや大きめであり、その為、MGEOが2セット必要になるとの説明で、2セット施工されていました。

「顧客メリットを最大限に費用対効果を考慮」すると言うのであれば、MGEOを2セット設置することで、どのようなメリットがあるのか説明が欲しいと質問したところ、

「大きいから2セット必要です」との回答。

それでは全く回答になっていないと質問しても、「ミサワホーム」のMGEOのパンフレットの写真を送ってきてやはり「大きいから」との回答。

大きさとMGEOの枚数での耐震性能のデータはないのか質問したところ、

と言う回答を持ってきました。

家の大きさは耐力壁の数(面積)で近似して、2倍大きい構造2では、構造1と同様に地震の時の揺れを40%低減させるにはMGEOが2倍必要との説明でした。

しかし、構造1のMGEO有りでの変位が18mmに対し、構造2でのMGEOなしの変位は10.8mmです。そもそも構造1+MGEO有り程度の変位で良いなら、構造2ではMGEOは不要となります。ましてやMGEOが2倍必要になると言う結論にはなりようがありません。

単純に言えば、MGEOも耐力壁の一種で、家が大きく耐力壁が多い構造では、MGEOの効果は小さくなるのでMGEOの重要性は下がると言うことです。

家が大きいからMGEOが2倍必要です、と言われた方はいらっしゃらないですか?「顧客メリットを最大限に費用対効果を考慮」なんて一切していないですよね。