継承語とは?
親のことばを使わない言語環境にいる子どもが親のことばを学ぶ時に継承語を学ぶという言い方をするのが現在では一般的です。
例えば、日本語を使用しないスイスという国で現地校に通い、親の母語である日本語を学ぶ子どもたちの日本語は、以下の中島の説明で納得できるのではないかと思います。
「こういう子どもたちのことばは外国語と呼ぶわけにはいかないし、かといって母語と呼ぶわけにもいかない。したがって、このことばを親から受け継いだ『継承語』として区別する必要がある。(中島,1998「バイリンガル教育の方法」)
継承語の特徴
継承語は親子のコミュニケーションを円滑にし、親子のつながりを深める
親の現地語の能力によっては家族が理解し合うために必須の言語であり、非常に感情を伴う言語
アイデンティティと深く関わっている言語で、子どもは必ず、親の出身地や母語を知りたくなる
現地校の小学校入学以降、学習をしないと、どんどん、使えなくなっていく言語
継承語教育の特徴
親の意志により学習される言語教育で、公的な義務教育ではない
非常に個人的で様々な言語習得の様相をもっている
継承語教育は生活環境言語の優勢性に左右されやすい
将来、職業選択の際に有利になることがある
学習期に海外に移住し、現地語の学習が始まる場合は、母語の能力をのばすことが現地語の能力をのばすために重要である
継承日本語教育は、親が日本語話者である子どもたちの海外での日本語学習を支援する教育であり、日本語教育の中でも新しい分野といえます。継承日本語を教える多くの機関は公的な支援もなく、継承語に関する知識も乏しく、欧州各地で孤軍奮闘しているのが現状です。