投影班では,CNT型PTEフレキシブルブロードバンドカメラ,および”印刷班”・”材料班”・”情報班”での取り組みを一挙に集約させ,全く新たな非破壊検査システムの創出に取り組んでおります.2023年から新設された班であり,原著論文第一報に向けて一気に研究を加速させております.
投影班では高解像集積CNT型PTEフレキシブルブロードバンドカメラによる超広帯域かつ超高感度な透視・材質同定型のMMW・THz・IR計測やCV型3D構造復元に対して,拡張現実(Augumented Reality: AR)やプロジェクションマッピング(Projection Mapping: PM)との融合により検査技術としての新たな付加価値を創出してまいります.特にARはエンタメ,PMはディジタルアートとしての社会的役割が強く認知されておりましたが,視認性の高さから産業現場での検査員を強力にサポートし得る存在と言えます.投影班では,PM研究の第一人者とも言える東京科学大学・渡辺先生との共同研究も推進しております.
投影班での主な取り組みとしては,非破壊検査現場で活躍し得るスマートタブレットのコンセプト実証・基礎動作実証が挙げられます.検査性能および操作性に優れるCNT型PTEフレキシブルブロードバンドカメラですが,依然としてディスプレイの内蔵は達成されておりません.フレキシブルエレクトロニクスの最前線に目を向けると,世界でもフレキシブルディスプレイの開発例はいくつか挙がっております.しかし依然としてフレキシブルディスプレイの作製工程は技術的なハードルが高く,CNT型PTEフレキシブルブロードバンドカメラとの結合は水面下でのアイディア程度に留まっております.
そこで投影班では,CNT型PTEフレキシブルブロードバンドカメラの片面をPM投影面,つまり可視光ディスプレイとして活躍するという着想に至りました.言い換えるとCNT型PTEフレキシブルブロードバンドカメラの片面ではヒトには視えないMMW・THz・IR撮像を行い,シートデバイスとしての反対面では操作員への即時的な情報還元として可視光に変換された透視・材質同定画像をPM投影します.CNT型PTEフレキシブルブロードバンドカメラ自体は薄く柔らかく軽量であり,PMに必要な投影機材の小型化も急ピッチに進められております.これらを踏まえて,投影班ではiPadの様に使いやすいCNT型PTEフレキシブルブロードバンドカメラ・PM結合型スマートタブレットを創出し,難所環境を含み検査現場で完結するオンサイト透視・材質同定の実証を目指してまいります.
投影班では現場完結型(オンサイト)スマートタブレットの創出を志向しているため,CNT型PTEフレキシブルブロードバンドカメラの基礎制御に関しても同じくオンサイトであることが徐々に求められ始めます.それらの背景から,投影班では水に浸すだけで完結するCNT型PTEフレキシブルブロードバンドカメラの高感度化へ取り組んでおります.水(水道水でもok)に浸すだけ,という如何なる検査現場においても完結し得る極めて簡便な工程から,CNT型PTEフレキシブルブロードバンドカメラ・PM結合スマートタブレットの長期オンサイト利用を強力に後押しします.また水に浸すことで紡ぎ出されるCNT型PTEフレキシブルブロードバンドカメラの高感度化に関しても,既に背景物理・詳細原理の大枠は解明しており,水を浸すことで実際に24倍もの高感度化が確認されております.
本テーマではCNT型PTEフレキシブルブロードバンドカメラに対する原子スケールでの観察を行っており,本学・同学科:松永先生との共同研究を推進しております.
これらの代表的な取り組みに加えて,現在の投影班では「CNT型PTEフレキシブルブロードバンドカメラに対するMMW・THz・IR撮像波長選択性の付与」や,「カメラ面/PM投影面から両面カメラへのコンセプト拡張」といったテーマを推進しております.
代表的成果:coming soon!!