クロヘリアメフラシ

Aplysia japonica G. B. Sowerby II, 1869

レア度:いつでも見られる

形態:体長10cm程度のアメフラシ類アメフラシアマクサアメフラシと比べて、かなりスマートな体形をしている。本種の特徴はその名の通り背中のフリル(側足という)が黒く明確に縁取られること。また、体は赤みがかる。側足は一番後ろで繋がっている。足面は白っぽく、背面とのコントラストが強い。

生息域:日本および韓国に分布し、潮間帯から潮下帯の岩礁に生息する。葛登支では主要2種のアメフラシより少ないものの、平磯に広く分布している。

生態:紅藻類・緑藻類をよく食べる (Rogers et al. 1995 )。本種の外套膜には、餌である紅藻由来の化学物質が含まれており、魚類捕食者に対する防御効果をもつ (Ginsburg & Paul 2001)。

その他:本種はこれまで A. parvula という世界的に分布する1種のアメフラシだったが、系統分類学的再検討によって10種にわけられた (Golestani et al. 2019)。日本国内には本種と、沖縄産のAplysia sp. が分布する。

生で口にいれると舌が痺れるので、賢明な方々はマネしないでほしい。

2020年10月 大友 夜も伸びる
2018年11月 山上
2015年8月 りった
2019年3月 山上アマクサアメフラシ(左)との比較
2020年7月@積丹 大友
2015年7月 りった びよーんと伸びる
2015年7月 りった くるっと見返り美人
2015年8月 りった 薄い色の個体もいる
18年11月 山上幼体の表面張力フローティング
2019年6月 山上
2020年12月 青木エアーが気に入ったのか、しばらく泡を浴びていた
2020年12月12日 りった水槽内での交尾行動
21年4月 とみよし 色抜けて元気なくても目線をくれる健気さ
2021年4月11日 りった晩年を2人で過ごす
2021年4月29日 りった晩年を2人で過ごす

引用文献:

  1. Rogers, C. N., Steinberg, P. D. & de Nys, R. 1995. Factors associated with oligophagy in two species of sea hares (Mollusca: Anaspidea). Journal of Experimental Marine Biology and Ecology, 192: 47–73.

  2. Ginsburg, D. W. and V. J. Paul 2001. Chemical defenses in the sea hare Aplysia parvula: importance of diet and sequestration of algal secondary metabolites. Marine Ecology Progress Series, 215: 261–274.

  3. Golestani, H., Crocetta, F., Padula, V., Camacho-García, Y., Langeneck, J., Poursanidis, D., Pola, M., Yokeş, M. B., Cervera, J. L., Jung, D.-W., Gosliner, T. M., Araya, F., Hooker, Y., Schrödl, M. & Valdés, A. 2019. The little Aplysia’s coming of age: from one species to a complex of species complexes in Aplysia parvula Mörch, 1863 (Mollusca, Gastropoda, Heterobranchia). Zoological Journal of the Linnean Society, 187: 279–330.