ベロ

Bero elegans (Steindachner, 1881)

レア度:いつでも見られる

形態:成魚では体長15㎝程度だが、葛登支では幼魚が観察される。眼の上に房状の扁平な皮弁があり、後頭部にも2対の房状の皮弁がある。口は大きく、上顎の後端は眼の後縁下に達する。前鰓蓋骨棘は4本で、最上棘はやや上方に曲がる。体色は生息場所に合わせて変異に富むが、大抵は地色が暗褐色で多くの白斑や暗色斑がある。眼隔域には水色の小斑が目立つ。見た目が似るニジカジカ Alcichthys alcicornis との識別は、ニジカジカでは後頭部の皮弁が房状でなく単一で扁平なこと、前鰓蓋骨の最上棘が「叉角状(ヘラジカの角のような形)」になりギザギザすること、の2点が見分けやすい。

生息域:浅海の岩礁域に生息するが、潮間帯で見られるのはほとんど幼魚~若魚。葛登支では岩場のカジカはベロ、海藻の周辺のカジカはアサヒアナハゼ、というくらいたくさん見られる。

生態:道南では4~5月が繁殖期。交尾するが胎生でなく、メスの体内で受精し(IGA: Internal Gametic Association、アサヒアナハゼ と同じ繁殖様式)オスが卵保護を行う繁殖様式を持つ(Koya et al., 1993)。岩の隙間などで雄が卵保護を行う。卵塊は美しい青色。

その他:地方名「べろかじか」はニジカジカのことを指し、本種は食用とされない。

2020年11月 大友15㎝くらいのわりと大きめの個体、食えるか?
2020年6月@積丹、成魚 大友
2019年8月@積丹 大友
2020年6月@積丹、幼魚 大友
2020年7月@茂辺地 大友
2016年11月 りった 多分ベロ
2015年8月 りった
2015年8月 りった
2020年11月2日 りった
2020年11月2日 りった
2020年11月2日 りった
2020年11月2日 りった
2020年11月2日 りった
2020年11月2日 りった
2020年11月2日 りった
2020年11月2日 りった
2020年11月28日 りった
2020年11月28日 りった
2020年12月12日 りった
2020年10月 りった
2020年10月 りった
2020年10月 りった
2020年10月 りった
2020年10月 りった
2021年1月 大友
2021年2月@茂辺地 大友
2021年2月 大友15㎝くらいの大きめ個体
2021年3月 深澤
岩の裏に張り付いた卵塊
2021年3月 深澤
よく見ると発眼している
2021年5月 とみよし眉間の小斑がチャームポイント
2021年4月16日 りった
2021年4月 深澤 稚魚(緑) 
2021年4月 深澤 稚魚(茶)育ててみたところ眉間に小斑ができた
2021年10月21日 りった
2021年10月21日 りったアゴハゼと一緒
2021年10月21日 りった
2021年11月6日 りった
2021年11月6日 りった
2021年11月6日 りった

引用文献:

  1. Koya, Y., Munehara, H., Takano, K. & Takahashi, H., 1993. Effects of extracellular environments on the motility of spermatozoa in several marine sculpins with internal gametic association. Comp. Biochem. Physiol. Vol.106A, No.1: 25-29.