クチベニヒモムシ

Micrura bella (Stimpson, 1857)

レア度:たまに見られる

形態:体長約30 mm。背側は濃い紫色で、白い横線が均等に入る。腹側は真っ白。頭部背面には、小指のツメのような形をしたオレンジ色の模様があり、さながらマニキュア (?) のようでかわいらしい。頭部にむかって細くなり、頭部の幅が胴部より広くなることはない。異紐虫目 Heteronemertea の共有形質である「頭溝」を、頭部とそれ以降の境目に持つ…はず。体の後端にひょろっとした紐のような付属物を持つが、無いこともある。アラスカクチベニヒモムシ M. verrilli がよく似るが、こちらは北米西岸に生息する種。体の白い横線がなければ M. alakensis、頭がオレンジではなければ M. wilsoni と同定される (Invertebrates of the Salish Sea)。

生息域:やや沖のフジマツモかヤナギノリ?に紛れて採集された。日本では本州中部から北海道まで普通に見られ、千島列島やサハリンにも分布する (Kajihara, 2017)。

生態:分泌した粘液に砂礫をつけて棲管とする。ふつう、岩などの裏側に棲管ごと付着して生活する。近縁なアラスカクチベニヒモムシ M. verrlli では繁殖期は春から初夏。Micrura 属の種は一般に、多毛類や他のヒモムシ類を摂餌する、どう猛な肉食性種である (Invertebrates of the Salish Sea)。

その他:アゴハゼにあげたら食べた。

2021年4月 深澤
粘液によって体表に藻屑などが付着し、かなり見辛い。
2021年4月 深澤
チャツボもついている
2021年4月 深澤
2021年4月 深澤
2021年4月 藤本白黒はっきり
2021年 藤本おなかは白い
2021年5月 とみよし

引用文献:

  1. Invertebrates of the Salish Sea: Micrura verrilli Coe, 1901. URL: https://inverts.wallawalla.edu/Nemertea/Micrura_verrilli.html (Accessed on 28 April 2021).

  2. Kajihara, H., 2017. Chapter 16: Species diversity of Japanese ribbon worms (Nemertea). in Species Diversity of Animals in Japan (M. Motokawa & H. Kajihara (eds.)). Springer Japan.