ニッポンモバヨコエビ

Ampithoe lacertosa Bate, 1858

レア度:たまに見られる

形態:体長2~3㎝くらいの、葛登支ではかなり大型のヨコエビ。体色は様々だが、淡い褐色~赤褐色の個体をよく見る。第1・2触角は同程度の長さで、体長の半分くらい、剛毛は生えない。第1咬脚は第2咬脚より小さい。第1底節板がやや前に張り出すこと、第2・3腹節から側面に垂れる部分(側板)の後縁下部にトゲがあることが特徴。オスの第2咬脚の「てのひら」の部分(”前節”)の前縁下部が、前に向かって張り出すことで、モズミヨコエビなどと見分けられる。

生息域:葛登支では褐藻、紅藻、石灰藻のどこからも見つかる。藻体表面に巣を作っているらしい。日本沿岸では、北海道から九州まで広く分布する。

生態:

その他:近縁他種との識別では、特に第2咬脚の形態が大切になる…のだが、性差がとても大きい。メスはときに、種の標徴を示さないことすらあるので、第1・2咬脚が同じような形をしているときは注意が必要。

2020年5月 大友
2020年12月 大友たぶんオスの個体
2021年1月 大友
緑色の個体、上はおそらくチョビヒゲモクズ

引用文献:

  1. 有山啓之, 2016. ヨコエビとはどんな動物か?―形態・色彩・成体について―. Cancer 25: 121-126.