コブワレカラ

Caprella verrucosa Boeck, 1871

レア度:いつでも見られる?

形態:体長1㎝程度のワレカラ。体色は全体に淡い黄色を呈する。咬脚の後ろの2対のエラはやや歪んだ丸形で小さい。頭部におにぎり形の低い突起がある。胸節の背中側には各節に数個のこぶがある。第1触覚は第2触角より長いが、体長の1/2よりは短い。第2触角の鞭部には下向きの長毛が生える。基質をつかむための第5~7胸脚はかなり立派で、がっしりしている印象を受ける。近縁なホソコブワレカラ C. arimotoi は、頭部の棘がほとんど後頭部から生え、より細く尖ること、鰓は明確に長卵形であることで識別できる。また胸節の背面のこぶが2個以下ならホソコブ、3個以上ならコブとされているがやや変異がありそうなので、他の形質とも合わせて検討したほうがいいように思う。

生息域:三陸以南のガラモ場にしばしばみられるとされる。初見は9月だったので、もしかしたら流れてきたのかもしれない。

生態:キイロウミシバの中に混ざって大量に見つかるが、擬態しているのか見た目がとても似ており、動かないとわからないほど。

その他:ホソワレカラなどは丈夫で簡単に飼えるのだが、本種は脆弱で、持って帰ってくるまでにほとんどが死んでしまう。できれば野外観察だけにしてあげよう…。

2020年9月 大友中央あたりにいるが、見事な擬態っぷり
2020年9月 大友オスの個体
2020年9月 大友
2020年9月 大友頭部に低い三角形の突起がある
2020年9月 大友メスの個体、育房が開いている
2020年10月 大友ややおしゃれな個体(メス)