第3回研究会
2025年2月22日 於:国士舘大学
「教科書(教科学習)の語彙」をテーマにワークショップを行い、研究で得られた知見をどのように教育実践の改善につなげることができるか、意見交換しました。(参加者31名)
ワークショップ「WEB版小学校教科書語彙リストの活用」
講師:山本裕子氏(愛知淑徳大学)・ 川村よし子氏(チュウ太プロジェクト)・
鷲見幸美氏(名古屋大学)
「教科書(教科学習)の語彙」をテーマにワークショップを行い、研究で得られた知見をどのように教育実践の改善につなげることができるか、意見交換しました。(参加者31名)
ワークショップ「WEB版小学校教科書語彙リストの活用」
講師:山本裕子氏(愛知淑徳大学)・ 川村よし子氏(チュウ太プロジェクト)・
鷲見幸美氏(名古屋大学)
●小学校教科書の各学年、各教科で用いられている語彙の基礎的資料として「WEB版小学校教科書語彙リスト」https://shogakugoi.nihongo-de.com をご紹介いただきました。
●「用例」を見ると、例えば「かける」は、生活科では「電話をかける」、社会科では「手間をかける」、理科では「水をかける」、算数科では「3に4をかける」など、同じ語が教科によって様々な使われ方をしていることがわかる。指導者が意識することが大切。
●「日常生活/学校生活/社会活動」の使用場面による意味グループでの検索、感情・疑問・行為・比較など、語の意味によるグループでの検索ができる。例えば「見る」の意味グループでは、「観察」は理科、「見学」は社会科、「見つける」は算数科でよく用いられているなど、各教科の語彙の特徴もわかる。
●学習にとって必要なことばが頻度という数値でわかるのがよい。外国人児童に限らず、子どものつまずきを予測するための根拠資料になる。
●検索機能で派生語を拾うことによって、例えば「虫」→「昆虫」など、どの学年になるとどのような語が使われるのか、学習の見通しをもつことができる。関連語を見て漢字学習に活用することもできる(例えば「育」は「子育て」「飼育」など)。
●就学前の園や学校で、季節の掲示などに小学校1、2年の「生活基礎語」をちりばめて、ことばに自然に触れられるようにするとよい。
●教材開発、支援者や保護者への啓発に活用できる。高学年なら、子ども自身でリストを作るなどの活用も可能。
●実践現場でのデータベース活用例が集められるとよい。
●単元ごとに検索できるとよい。
●学びの豊かさということを考えたい。語彙を豊かにするためにはどうするかを話し合う必要がある。
【感想・提案など】
●こんなにいろいろな情報を調べられるデータベースがあるのか・・・と驚きました。さっそく使ってみようと思います。
●義務教育段階の学校で教えている日本語教師に、このデータの存在をぜひ教えて頂きたいと思いました。カリキュラムを作成する上で、よい指針になると思います。
●皆さんと話し合いながら操作してみて、とても広い可能性のあるものだと感じました。
●指導する側の視点と学習者側の視点の両面が、実用性、使い勝手の鍵を握っていると思いました。
●多大な労力を投じて作成されたデータベースを今後はいかに使うか目的を明確化する必要があると思います。単に日本語を増やすことが目的になるともったいないと思います。在籍学級の授業に参加させるために使用することを目的として、いかに子供が自立して学べるようにするかがポイントだと思います。
●子どもたちと一緒に使って、日本語学習への興味関心を高め、取り組ませたいと思います。子どもが気軽に使える電子辞書やデータベースのような資料が充実するといいなと思いました。
●様々な活用場面が想像でき、今まで経験的なものに頼っていたことに対して、根拠のあるアプローチができそうだと思いました。日本語指導担当の先生や、外国につながりのある子どもたちが在籍する学校の先生方に紹介して、好事例を共有していきたいと思います。
●いろいろな立場でこのデータベースの使い方について話し合う機会が大変有意義でした。この莫大なデータと作成者の労作の願いを受けとめて広げていくのが現場の使命と思っています。
●様々な立場の方と交流をもったことで、自分だけでは気づき得なかったことに出会うことができました。データベースの活用方法についても、誰が使用するのか、何を目的とするのか、どのタイミングで使用するのか等、アイデアをたくさん聞くことができ、実践したいと思いました。
●自分と異なるお立場の方のご意見をお聞きできて大変勉強になりました。
●いろいろな立場の方との話し合いの時間では新しい視点をいつももらっています。
●様々な分野に熱心な方々がいらっしゃるのがわかり、視野が広がりました。
●様々な立場の方のお考えを聞くことができ、大変有意義でした。このようなつながりを今回限りではなく継続的なものにしていただきたいと思いました。
→ 「3人寄れば・・・」のオンライン茶話会を随時開催したいと思います。
ご希望の方は、かけプロ事務局:本サイトお問い合わせ欄の小池までメールにてご連絡ください。