Santa Maria del Fiore - Firenze
Santa Maria del Fiore - Firenze
ブルネレスキの設計によるドームはかなり特異な形をしている。球形というよりは縦に長く、頂部は鋭角になっている。それは花の都にふさわしく、花の蕾のように張りのある立体だ。
42mの直径のドームの建設にあたって、その足場を組む事の困難さに直面する。ブルネレスキの提案はドームを内殻と外殻の二重とする事で、最低限の足場で建設を進められるようにした解決策であった。
ミケランジェロを以て、これ以上に美しいものは出来ないと言わせたそのサンタ・マリア・デル・フィオーレは、街と一体となって赤い屋根の見事な風景を作り出している。
ブルネレスキという建築家の偉業は素晴らしいが、この風景を作り出す未来に彼が必要とされたとしか言いようがない。それは当然一人の手による街ではなく、あるいは聖堂ではない。数人の設計者、建築家の名前が残っているが、彼らの業績という範囲に収まるものでもない。作り手の意図、作り出す人間をずっと超えたところに建築は生じる。