大会長挨拶
大会長挨拶
日本吃音・流暢性障害学会第12回大会
大会長 福永 真哉
川崎医療福祉大学 リハビリテーション学部
言語聴覚療法学科 教授
このたび、第11回大会(つくば市)宮本昌子大会長に引き続き、日本吃音・流暢性障害学会第12回大会を2024年9月7日(土)・8日(日)に岡山県倉敷市の「川崎医療福祉大学」で開催させていただくことになりました。この会が発足して今年で12年目になりますが、この間に本邦の吃音・流暢性障害の評価と治療は、幼児吃音臨床ガイドラインの策定や、リッカムプログラム、認知行動療法などの新たな介入方法の普及によって、大きな変革の時代に入ってきました。このような折、今回は、テーマを「当事者、医療者ともに吃音臨床の更なる発展に向けて考える」と題し、当事者、医療者の両方の立場から、本領域の評価と治療における新たな飛躍を模索したいと思います。
本大会では特別講演として、当事者でもあり、医療者でもある旭川荘南愛媛病院・院長の岡部健一先生に、「一隅を照らす一当事者医師が吃音相談外来を始めて思った事」から吃音臨床への提言を、教育講座として慶應義塾大学の富里周太先生には「クラタリングに社交不安症を併存した思春期例」について、九州大学の菊池良和先生には「"なおしたい"吃音にどう向き合っているのか?」について、目白大学の坂崎弘幸先生と、ことばの相談室なかのの仲野里香先生には、それぞれ小児と成人の「吃音臨床の実際」 を、教育講演として国立リハビリテーションセンターの北條具仁先生に「はじめて納得、認知行動療法」について、それぞれお話しいただく予定にしております。そして、シンポジウムは学際的視点として「吃音臨床に生かせる他領域の知見をさぐる」で、吃音臨床に生かせる他領域からの知見を学び、当事者視点として、「吃音との共生を目指し、障害にとらわれない生き方を目指して」をともに考えてゆきたいと思います。学会企画の臨床講座、本学の音声障害領域教員による臨床レクチャーや、一般演題、ポスター演題、女性吃音者の方と吃音当事者に関わる女性の会、マイボイスのコーナーも企画していますので、当事者、医療者いずれの聴衆の方々にも積極的に参加して楽しんでいただける大会にしたいと考えております。
今回の会場である川崎医療福祉大学は倉敷にあり、「倉敷美観地区」には、白壁や格子窓のある屋敷、倉敷川沿いの柳並木など江戸時代や明治、大正時代の建造物も多く残っております。また、大原美術館もあり、歴史と文化の匂いを漂わせる街を是非訪れていただきたいと思います。本大会が皆様の知的好奇心を刺激し、最新の知見を最大限に吸収していただくことで、明日からの臨床に役立てられる場になることを祈念しております。ぜひ、多くの方々の参加を心からお待ちしております。
最後にはなりましたが、本大会を企画・開催するにあたりご支援ご協力をいただきます実行委員の川崎医療福祉大学の関係者の皆様、本大会事務局の皆様、本学の学生さん、本学会役員の皆様、後援企業様、関係の皆様のご協力に深く感謝申し上げます。
令和5年11月10日