第8回 日本ノルディック・ウォーク学会学術大会 大会長
全日本ノルディック・ウォーク学会名誉会長
全日本ノルディックウオーク連盟山梨県連名誉会長
富士温泉病院名誉院長 矢野 英雄
高齢化時代到来とともに多くのひとびとが過去のさまざまな疾病や障害を背負って生きる時代を向かえています。
WHOは21世紀の高齢化社会のニーズに応えるために過去の疾病と障害から機能(Function)、能力障害(Disability)、殊に社会参加(Participation)を取り入れて障害者だけでなくすべての人々に障害に陥ったとき参加できる社会実現の政策推進を設定しました。
世界に類例を見ない我が国の少子高齢化時代の人生の最終段階を直視するときわが国の高齢化対策事業は小児から青壮年期の国民各層における新たな健康長寿事業が必要となっています。
ひとの起立2足歩行は将に寝たきり障害予防の礎となっています。ランニングからウオーキングと多種多様の歩行運動の事業が展開されています。歩行運動は重力環境のもとで遺伝的素因から生まれた特殊な能力です。体力低下と加齢によって不安定な歩行運動の障害が身体各所に現れます。歩行障害の蓄積の上に様々な成人病の障害発生があります。これは新しい重力環境障害と言えましょう。
ひとの歩行運動の中心に体の起立があり、重力に抵抗して体を支えて1歩足で歩く足の交代動作から障害が発生します。
2本のポールで歩くノルディック&ポールウオークは一本足歩行の重力に対抗する大切な運動機能の促進と育成に貢献しています。
また新たな水中ポールウオークもこれに大きく貢献しています。
平成12年に日本ノルディック・ウォーク学会が発足し本年から全日本ノルディック・ウォーク連盟支援のもとでMedical Nordic Walkがスタートしました。
第8回ノルディックウオーク学会に全国各地のノルディックウオーク及び水中ポールウオークに関わるスポーツ、レジャー、医療福祉に関わる皆さまのご参加とご発表をお願い申し上げます。
おわりに、重力環境障害に対抗するノルディック&ポールウオークが我が国の健康長寿社会実現に貢献することを祈念いたしております。