最新の研究会

直近の研究会情報を掲載しています。

研究法研究部会 第6回研究会

研究法研究部会 クロストークセッション2

研究会概要

心理学・行動科学の研究の中で,研究の方法に関して以下のような思いを抱いたことはないでしょうか。

こうした思いを共有する場として,研究法研究部会では来たる3月にクロストークセッションを開催いたします。各10分程度で内容について発表いただき,研究法に関心のある聴衆と広く情報を共有したり,投げかけた問いについて議論することを意図しています。発表内容は完結した研究の報告である必要はなく,研究法に焦点を当てたものであれば手法の紹介や研究手法の提案などでもかまいません。分野については特に制限はありません(ただし,認知心理学関係の参加者が多くなる見込みです)。大学院生の発表も歓迎いたします。奮ってご応募ください。

研究会までの日程

発表者の募集締切:2024年2月29日(木) 締め切りました

プログラム掲示:2024年3月2日(土)〜

研究会の開催:2024年3月16日(土)(対面開催)終了しました

発表者の募集(締め切りました)

研究会に際して,研究法に焦点を当てたご発表してくださる方を募集しています。発表は各10分程度でお願いし,その後,意見交換を10-20分程度で行う予定としております。ただし,そこまで形式張って実施するわけではございませんので,お気軽にご発表いただきたいと思います。

発表してくださる方は下にある発表申込みフォームにお名前,ご所属,ご連絡先,発表タイトルと概要をご連絡いただければ幸いです。発表を申し出てくださった方には募集締切後に事務局より発表に関するご案内をご連絡差し上げます。多くの方のご参加をお待ちしております。

参加の申し込みについて

今回は対面開催(のみ)となっております。参加をご希望される方におかれましてはお手数ですが,下にあるフォームより3月15日正午までに参加の登録をお願いいたします。こちらの情報は,配布資料の目安の把握と,当日,会場へ入構するための申請に使用させていただきます。登録なしでも当日参加可能ですが,入構時に正門で別途入講手続き(書類記入等)が必要となる可能性がございます。あらかじめどうぞご了承ください。


開催概要と開催場所(対面開催)

開催日:2024年3月16日(土) 14:00〜17:00(当初のご連絡から1時間遅い開始となりました盛況のうちに終了しました

参加費:無料

開催場所:日本大学文理学部3号館3301教室

アクセス:https://chs.nihon-u.ac.jp/about/access/


特別講演

統計的な基準に基づくサンプルサイズと実験刺激の設計について

藤田 和也 先生(筑波大学)

認知心理学実験においては,参加者数,試行数,さらには参加者に提示する刺激を研究者側が決定する必要がある。この実験計画の決定方法については,推定精度や検出力を基準とするような統計的な観点から行うこともできる。本発表では,ベイジアン認知モデリングにおける実験刺激について説明をした後に,GLMMを含む階層ベイズモデルにおけるサンプルサイズ設計および実験刺激選択について説明を行う。

2024年3月25日追記

藤田先生より当日のご講演について公開する許可をいただきました。多くの方にご覧いただければ幸いです。また,当日のスライドについても共有いただきましたので,以下からご覧ください。なお,資料の2次配布はご遠慮ください。

本HPにおける動画と資料の公開は2024年5月6日までです。

第6回研究会_藤田先生_20240316_認知心理学会.pdf

発表者と発表概要(敬称略,50音順)

クラウドソーシングサービスでのサンプリングは信頼できるのか

井上和哉(東京都立大学)

先行研究及び発表者の経験から,クラウドソーシングサービスを利用した実験のデータの質は比較的高いと感じている。その一方で,特定の条件(男性のみ,40歳未満など)で参加者を募集した場合に,適切なサンプリングが行われているかについてはやや疑わしいと考えている。今回の発表では,クラウドソーシングサービスで適切なサンプリングが行われているかを確かめる方法や適切なサンプリングが行われている程度を調べる方法を議論したい。

Reading Span Testのオンライン実験の可能性検討

岡 隆之介(三菱電機株式会社 情報技術総合研究所)

Reading Span Test (苧坂, 2001)は、記憶の保持と操作を同時に行う課題を通して、参加者のワーキングメモリ容量を測定する課題である。本発表ではjspsychのようなオンライン実験環境でこの課題を実施する上で、発表者が苦労した点や、未解決の問題を共有する。

経験サンプリングによる時系列データの扱いについての相談

反田智之・河原純一郎(北海道大学)

経験サンプリングによる時系列データの分析について相談したい。動画の再生中に,被験者が手元のダイヤルを操作し,任意のタイミング・回数で動画の好ましさを25段階で評定する実験を計画している。評定値は毎秒記録され,ダイヤル操作が行われない間は,直前の値が記録され続ける。このとき,横軸に再生時間を,縦軸に評定値を取る線形データの最適な分析手法について相談したい。また,この手の実験のサンプルサイズ設計についてご教授願いたい。

研究法についてのモヤモヤ ―自分の知りたいことが正しく測られ,分析できているのか?―

古荘智子(名古屋大学大学院博士後期課程)

英語語彙力および語彙学習の制御焦点の違いが,語彙学習活動中のモニタリングの正確さに影響するかどうかを,先行研究(Koriat, 1997; 清水, 2009;山根, 2022; 2023)らにならい検討した。データを収集し,分析を行なう過程で,問題(モヤモヤする疑問)がいくつか生じた。適切な方法で問題を解決するために,先生方からのご助言を頂戴したく,どうかよろしくお願い申し上げます。