メンタル・ヘルス・ウェビナー
メンタル・ヘルス・ウェビナー
「メンタル・ヘルスにおける対話とナラティブの力」
「メンタル・ヘルスにおける対話とナラティブの力」
アナス・モラー・イエンセン(研究者)
VIA University College
健康と福祉センター 認知症プログラム
アナス・モラー・イエンセン(研究者)
VIA University College
健康と福祉センター 認知症プログラム
要旨
その人が生きた歴史と生きてきた記憶は、人のQOL(生活の質)に重要な役割を持つ。すべての出来事が等しくその人にとって重要と言う訳ではない。いくつかの出来事は、他の出来事以上にその人の人生観の礎になる場合もある。そのようにして人は、一人一人ユニークな存在となる。
自伝記憶の研究分野では、ある時期の記憶が他の時期の記憶よりもずっと鮮明に記憶されることが明らかになっている。また物、サウンド、におい等と言う、いわゆるトリガーたるものは、記憶をよみがえらせる上で役に立つ。これは認知症を患っている人々においても変わらない。
認知症を患う人々のリハビリテーションにとって世代を超えた人と人とのつながりがどのように役立つかという観点から、良いトリガーになりえるものの具体例、更にはそのようなトリガーが地域社会のなかの様々な世代の人々をどのようにつなぎ合わせることになるのかについて報告する。
アナス・モラー・イエンセンについて
現在、デンマークのVIA大学健康・福祉テクノロジーセンター内、認知症プログラムの研究員。スポーツ科学と健康を専攻し、修士号を、健康科学にて博士号を南デンマーク大学にて取得。専門は、認知症のケア。認知症を患う人々のリハビリテーションにおいて活動とケアの観点から回想法の調査研究に20年近く従事。QOLの向上を目指し、トリガーは人々が生活史を記憶にとどめておく上でどのような役割を持っているか。トリガーは、職員、配偶者や親戚らとのコミュニケーションの促進にどのように役に立っているかを研究している。