お釈迦さまが「仏教」を開かれたのは、お釈迦さまご自身が生きる苦しみ、辛さをお感じになったことがきっかけです。それからおよそ2600年を経たいま、科学技術の発達したいま、生きる苦しみや辛さは無くなったでしょうか。むしろ、ネットなどから知らなくても良い情報に触れ怒りや不安を感じたり、世代を超えたふれあいや対話が減少することで他者の言動に無用なストレスを感じたり、便利なサービスが増える一方で一層孤独を感じたり。苦しみの元はむしろ増えているのではないでしょうか。
浄土真宗を開かれた親鸞聖人は、日々の暮らしを必死に生き、生きづらさを感じている私たちを、“救わずにはおれぬ”とはたらいてくださる仏様、阿弥陀如来があることをお示しくださいました。そして、仏様のみ教えを聞くことを通して、この世界で精一杯生き抜く力と喜びを味わえる人生を導かれました。
「拯済(じょうさい)」というお寺の名前の2つの文字は、どちらも「すくう」と読みます。
「拯」は水の中から手ですくい上げる様子を。
「済」は、苦しみから助け、安心できる場所に渡す様子を表します。
拯済とは、阿弥陀如来が水の中で溺れているような私たちを漏れなく救い、安心できるところへと渡してくださる働きを表した言葉です。
拯済寺は、住宅地にある小さなお寺ですが、都会に暮らすみなさまに開かれたお寺を目指しています。仏教はお葬式や法事など亡くなった方がご縁となって関わる方も多いかもしれません。しかし、仏教を開かれたお釈迦さまや浄土真宗を開かれた親鸞聖人は、今を生きる私たちのために、阿弥陀如来のみ教えを伝えてくださり、受け継がれてきました。
どうぞお気軽にお参りください。
住職 釋瑞樂
略歴
1974年 岐阜県生まれ
1997年 早稲田大学卒業
2009年 総合研究大学院大学文化科学研究科 修了 博士(学術)
アライドコンサルティング株式会社、産業技術大学院大学等を経て、現在、千葉工業大学教授
2018年 真宗木辺派にて得度