第20回医療系eラーニング全国交流会年次大会開催にあたって
木下 淳博
医療系eラーニング全国交流会 会長
Science Tokyo(東京科学大学) 教授
皆さま、医療系eラーニング全国交流会年次大会(JMeL20)は第20回という大きな節目を迎えました。20年という長い時間を歩んでこられたのは、この交流会を支えてくださった世話人の先生方、そして何より各地で大会を開催してくださった開催校のご尽力のおかげです。ここで改めて、過去の開催校の先生方、関係者の皆さま、そして共に歩んできた参加者の皆さまに、深い敬意と感謝をお伝えしたいと思います。
今年のテーマは「先端技術が拓く医療系デジタル教育の深化と挑戦」です。生成AIやXRなど、目覚ましいスピードで進化する技術は、私たちの教育を新しいステージへと導いています。そして第20回記念特別シンポジウム「これからの医療系eラーニングの発展に向けて」では、これまでの年次大会を共に盛り上げてくださった先生方から、これまでの経験や医療系eラーニングに込めてきた思いを語っていただき、皆さまと一緒にその思いを受け止めたいと思います。歴代の開催校の皆さまの熱意と努力の積み重ねがあってこそ、この交流会はここまで続き、育ってきました。その歩みを皆さまと一緒に確かめ合えることこそ、20回記念大会ならではの大きな意義だと思います。
これまでの大会を振り返ると、第17回大会ではコロナ禍を乗り越え3年ぶりに再会できた喜びがあり、第18回大会では「ライフロングラーニング」を掲げ、学び続ける力を考えました。そして第19回大会では「データサイエンス」という新しい視点で未来を語りました。その一つひとつが大切な礎となり、今回の記念大会へとつながっています。
今年も全国から多彩な研究や教育実践が集まりました。新しい教材の開発、AIやXRを活かした試み、実社会との接点を意識した挑戦など、どれも未来を切り拓く大切な芽です。ぜひ積極的に議論に参加し、交流を通じて新たな気づきや仲間を見つけていただければと思います。
さらに、今年は記念企画として、従来行ってきたワークショップをプレワークショップとポストワークショップの2回の開催とし、プレワークショップでは「生成AIと医療教育の未来」というタイトルで医療教育の課題に生成AIをどのように活用していくかという目的で、様々な生成AIを医療の文脈で体験いただき、更に活発な議論を行う企画を準備しております。JMeLならではの自由で活気に満ちた、そして、アットホームなディスカッションになると思うと今から楽しみです。
札幌の地で、この記念すべき大会を皆さまと共に迎えられることを大変うれしく思います。豊かな自然と先進的な学術が息づく環境で、これまでの歩みを確かめ合いながら、未来への新しい挑戦を一緒に描いてまいりましょう。
最後になりますが、本大会の開催に尽力くださった村上壮一大会長をはじめ、北海道大学の先生方、そしてご協力いただいたすべての皆さまに、心から感謝申し上げます。どうぞこの記念大会を存分に楽しみながら、次の挑戦へとつながる実り多い時間を過ごしていただければ幸いです。