1 日目
LSW(ライフストーリーワーク)といえば「真実告知」や「生い立ちの整理」など何か重いテーマをこどもに伝えないといけない、というイメージが先行しがちではないですか…?ここでは、「こどもまんなか」の視点にたって、日々の生活を振り返るような『低いゴール』から始める、分かりやすく、楽しいセッション型LSWについて考えてみたいと思います。
実践例(概要は以下参照)の紹介と合わせ、実際にセッション型を取り組むにはどのような準備が必要なのか、セッションの内容はどのようなものになるのかなど、具体的に皆さんと考えていきたいと思っております。
・里親委託に向け実施したが結果的にこどもと施設との関係構築が出来た事例
・養子縁組里親からの依頼で縁組後の生活を振り返り、親子の関係が深まった事例
吉村拓美さん(京都府福知山児童相談所)
児童福祉・対人援助の現場には、様々な機関・立場・職種の違いがあります。そこには協力や連携が欠かせませんが、常に対立や葛藤、混乱が存在するのも事実です。
児相と施設、市町と学校、福祉と医療、福祉職と心理職、上司と部下などなど…。互いに欠かすことのできない存在だけれど、思い通りにならない相手。そんな「できれば仲良く、ときにはケンカしても決別できない関係性」を、より良いものにするために、TIC(トラウマインフォームドケア)の視点が役に立つのでは?そんな想いから始まった企画です。
「分かり合えないからこそ、話し合う」ことを大切に、小さな分断やモヤモヤについて、ともに考えていきませんか?ご参加お待ちしています。
* TIC(Trauma-Informed Care:トラウマインフォームドケア)とは、トラウマの影響について理解を深め、こころの傷に気づきながら、安全感と安心感を回復することを重視する支援の考え方です。
団士郎さん(仕事場D・A・N)
家族心理臨床家で漫画家のご存知団士郎さんが、長年の対人援助現場で培ってきた、
「家族を支援する=理解する」についてアレコレ語りワークするセッション。
とはいえ、あの団さんですから、いつものフリートークから何が飛び出すか・・・?乞うご期待です。でも最後はちゃんと本題につながるのですけどね。
2 日目
菅野 道英さん(そだちと臨床研究会)
衣斐哲臣さん(和歌山県児童心理治療施設 みらい 施設長)
迫り来るケースの対応に手一杯…結局、その場しのぎや後手後手の対応になりがち…。そんな苦しい毎日の脱却を図りませんか?
ここでは、家族療法のポイントを踏まえ、グループによる事例検討を行い、家族を見立てる練習をしていきます。皆さんも対応のロールプレイを通して、対応のバリエーション(略して”対バリ”)を増やしてみませんか?
ロールプレイが苦手な方も安心して参加できるワークを目指します。さぁ、一緒に次の一手を考えてみましょう!
岡田隆介さん(広島市児童相談所嘱託医)
宮井研治さん(京都橘大学)
「事例検討」と聞いて、アナタはどんなイメージを持ちますか?
「やり玉にあげられるのかな…」「ダメ出しされたらどうしよう…」「準備が大変だな…」
仕事で事例の検討する時は、何かを決定する大事な場面だったり、関係者との会議だったり。なかなかシビアな状況が多いかもしれません。そんな事例検討を、もっと自由に、ラクに、元気が出る新たな発見の場にできないか?普段の事例検討という枠組み・イメージを「動かす」こと。これがこの分科会のテーマです。
そもそもこの「児相と近接」の研修が始まったのも、もっと自由に事例検討をやろう!という思いからでした。原点回帰?新たなチャレンジ?事例検討をより豊かに、柔軟に、楽しくを目標に、2人のSVと新たな試みをします。
井戸美和さん(静岡県富士児童相談所)
早野仁也さん(浜松市児童相談所)
水谷祐樹さん(PwCコンサルティング合同会社)
こども家庭庁も、児相職員の育成・定着のために、いろいろ策を練ってくれています。こういった話題やテーマもこの数年、目にすることが多くなっていると思います。
でも、日々の業務に忙殺されて、とても大事なことなのに、どうしても後回しや落ち着いて時間をとって話しをするって、そんな余裕もないのが現実ではないでしょうか。
昨年度、今年度と実施されている「児童相談所職員の採用・人材育成・定着支援事業」に参加させてもらった立場から、来ていただいた皆さんと共有できることや、一緒に深めたいことなど、こども家庭庁の流れに乗って、現場の変化につなげていけるようなきっかけもあったらいいなと思っています。