DCS Worldに登場する航空機の塗装を自作しようと思った際にはいくつか方法がありますが、テクスチャテンプレートを使って作成する方法が簡単です。
ここでは、テクスチャテンプレートのダウンロードからGIMP(フリーソフト)での編集・ddsファイルへの出力までを解説します。
主な機体については(本ページ更新日時点で)下記リンク先に記載のリンクからダウンロードできます。
Eagle Dynamics 製モジュール(A-10、F-16C、F/A-18C、Flaming Cliffs 3収録機体など)及びMirage F1、C-101
:www.digitalcombatsimulator.com/en/downloads/texture_templates/
RAZBAM製モジュール(AV-8B、M-2000C)
:www.razbamsimulationsllc.com/paint-kits
RAZBAM製F-15E
:リンク切れ
Heatblur製モジュール(F-14、AJS-37)
:リンク切れ
Leatherneck Simulations (Magnitude 3 LLC)製モジュール(MiG-21、Christen Eagle II )
ここではファイルサイズが軽く、比較的編集しやすいF/A-18C lot20を例にとって解説していきます。
下記リンクからF/A-18C lot 20を探し、Downloadボタンをクリックすると、FA-18C_lot_20_Template.zip がダウンロードできます。
www.digitalcombatsimulator.com/en/downloads/texture_templates/
FA-18C_lot_20_Template.zip を解凍して開くと下記画像のような3つのpsdファイルがあるのがわかります。
GIMPでF18C_1_DIFF.psd を開きます。
上記画像のような画面が出た場合、変換をクリックします。
※維持の場合、カラープロファイルがpsdファイルごとで異なると、最終的な色合いがパーツごとに変わってしまうことがあるためです。
(例.F16_bl50_Main_2_Template.psdと、他のF-16用のpsdファイルではカラープロファイルが異なるので、最終的な色合いが変わる)
レイヤー分けされた画像ファイルになっていることがわかります。
レイヤーは次のような構造になっています。
mesh:3DモデルのUV展開図の線(非表示レイヤー)
AO_low:アンビエントオクルージョン
dirt #1:汚れ(レイヤーグループ)
dirt
shabby
detail:パネルの分割線など
color:メインの塗装(レイヤーグループ)
TI:警告文など(レイヤーグループ)
ejection seat
warning
NAVY
US
text
danger
diff:上塗り部分
radio:レーダーアンテナ部分の塗装
ladder:滑り止め部分の塗装
base:下地の塗装
例えば痛戦闘機などの場合、汚れはあまりいらないので、
dirt #1を非表示にするか、不透明度の割合を低くします。
↑レイヤーグループdirt #1を非表示にしたとき。
下地の色を変更するときはbaseレイヤーを選択した状態で、着色機能を使います。
↑着色機能を開いた状態。色の横の水色部分をクリックすると、色の編集画面が出る。
↑色を黄色に変更した状態。着色ウィンドウのOKをクリックすると、着色が確定する。
絵やマークを追加する際は、1.レイヤーとして貼り付け機能を使う、2.新しいレイヤーを追加し、そこに貼り付けする、などの方法があります。
パネルラインを絵やマークの上に表示したくない場合はdetailレイヤーより上にレイヤーを移動します。
↑detailレイヤーより上にマークのレイヤーを追加したとき
↑detailレイヤーより下にマークのレイヤーを追加したとき
編集が終わり、作業データをpsdかxcfファイルで保存したら、DCSが読み込めるようにddsファイルへ出力してあげる必要があります。
ファイル→名前を付けてエクスポートを選びます。
上記のようなウィンドウが開くので、名前をわかりやすく変更し、末尾を.ddsに変更します。
エクスポートをクリックすると、次のウィンドウが開きます。
変更が必要なのは
Compression
Save
Mipmaps
の3項目です。
透明度の情報がいらない場合、CompressionはBC1 / DXT1に変更します。
透明度の情報が必要な場合(RoughMetなど)は、BC2 / DXT3もしくはBC3 / DXT5に変更します。
BC3 / DXT5のほうが、BC2 / DXT3よりも滑らかな透明度情報を出力できます。
SaveはAll visible layers(すべての可視レイヤーの合成)にしますが、
あらかじめ可視レイヤーの統合を実施していた場合は、Selected layerでも大丈夫です。
※レイヤーのサイズがキャンバスより大きい場合は出力後のサイズも大きくなり、DCS側で読み取れなくなることがあるので、キャンバスのサイズにレイヤーサイズを合わせておくと楽です。(例.もともと4096×4096のキャンバスサイズの場合、レイヤーサイズが5000×4096などになっていると、DCS側で読み取れないことがある)
MipmapsはGenerate mipmapsを選択します。
※mipmaps がない場合、3Dモデルから距離が離れた際に、塗装が読み取られなくなることがあります。
以上が設定し終わったら、右下のExportボタンをクリックすると、ddsファイルが出力されます。
DCSに塗装を読み込ませるには、description.lua というものを作成・編集する必要があります。
その構造については別ページで解説します。→description.luaについて
私がよく用いるGIMPの機能です。
クリックの連続で直線的に選択範囲を作成できます。ドラッグ動作ではフリーハンドの曲線選択が可能です。
クリックしたドットと同じ色で塗りつぶされている範囲を選択してくれる機能です。クリックしたドットと近接した範囲のみ選択される点で色域の選択と異なります。
選択範囲をすべて塗りつぶしたり、同じ色で塗りつぶされている範囲のみ塗りつぶすことができます。
DCSの塗装テンプレートにはレイヤーマスクが設定されていることがあります。レイヤーマスクを表示した際、白色部分の塗装が反映され、黒色部分の塗装は非表示扱いにされます。
選択範囲内の画像をあるレイヤーから別のレイヤー、もしくは同じレイヤーの他の場所にそのまま移動させる際に使う機能です。通常のペイントソフトにおける切り取りに近いイメージです。GIMPでは選択範囲を設定して、移動機能で移動しようとしても、選択範囲の設定のみ移動します。選択範囲内の画像を移動するにはフロート化が必要です。