NEAR(認知リハビリテーション)

NEARを知りたい方のための Q&A  

Q.  NEAR (ニアー)って何ですか?

 

A. NEARとは、ひとことで言いますと「認知機能のリハビリテーション」です。

 認知機能が低下すると、普段、記憶できるような内容でもすぐに忘れてしまったり、集中力が続かなくなって長時間の作業ができなくなったりします。精神科の病気では、症状が強くなると日常生活で普段していた料理ができなくなったり、片付けができなくなったり、仕事や学習に集中できなくなったりすることがあります。これは、気分の変化や、活動に対してモチベーションが湧かないということだけではなく、認知機能がいつものように働かなくなっている状態でもあります。

 そんな時は、無理に作業を進めようと思っても、「頑張っているのに、ほとんど進まない...」という状況に陥ります。例えるなら、筋力が低下しているにもかかわらず、無理をして重いものを持ち上げようとしているような感じです。「いつもだったら軽くできるのに…」と、自分を責めて感情的になってしまい、さらに症状が悪化するという悪循環になります。

 NEARでは、認知機能を回復できるように、個別にパソコンを使って色々なソフトに取り組んでいただきます。皆様それぞれの状態に応じて、少しずつ取り組んでいただき、かつ、楽しみながら認知機能とともに自信も回復していけるようにするのがNEARの特徴です。

ちなみに、認知リハビリテーションには、いくつかプログラムがありますが、その中でも米国のアリス・メダリア博士が開発したリハビリプログラムが Neuropychological and educational approach to cognitive remediation  (略して NEAR)です。

 赤穂仁泉病院 デイケアセンター でも、お薬による治療だけでなく、認知機能のリハビリテーションを併せて行えるように、NEARを行っております。

 


個別に専用のパソコンを使用してトレーニングします。

専用のパソコンを使って、自分のペースで進められます。

少人数制

小グループでグループワークをします。

対人関係が苦手で、少しずつ集団の中に慣れたいと考えている方にぴったりのプログラムとなっております。


Q1. NEAR (ニアー)って何ですか?

 

A1. 

 NEARとは、ひとことで言いますと「認知機能のリハビリテーション」です。

 認知機能が低下すると、普段、記憶できるような内容でもすぐに忘れてしまったり、集中力が続かなくなって長時間の作業ができなくなったりします。精神科の病気では、症状が強くなると日常生活で普段していた料理ができなくなったり、片付けができなくなったり、仕事や学習に集中できなくなったりすることがあります。これは、気分の変化や、活動に対してモチベーションが湧かないということだけではなく、認知機能がいつものように働かなくなっている状態でもあります。

 そんな時は、無理に作業を進めようと思っても、「頑張っているのに、ほとんど進まない...」という状況に陥ります。例えるなら、筋力が低下しているにもかかわらず、無理をして重いものを持ち上げようとしているような感じです。「いつもだったら軽くできるのに…」と、自分を責めて感情的になってしまい、さらに症状が悪化するという悪循環になります。

 NEARでは、認知機能を回復できるように、個別にパソコンを使って色々なソフトに取り組んでいただきます。皆様それぞれの状態に応じて、少しずつ取り組んでいただき、かつ、楽しみながら認知機能とともに自信も回復していけるようにするのがNEARの特徴です。

ちなみに、認知リハビリテーションには、いくつかプログラムがありますが、その中でも米国のアリス・メダリア博士が開発したリハビリプログラムが Neuropychological and educational approach to cognitive remediation  (略して NEAR)です。

 赤穂仁泉病院 デイケアセンター でも、お薬による治療だけでなく、認知機能のリハビリテーションを併せて行えるように、NEARを行っております。

 


Q2. NEAR(ニアー)は、認知機能のリハビリテーションという事ですが、プログラムでは、どんなことをするのですか?


A2.  

   NEARでは、スモールステップで少しずつ認知機能を使っていけるように課題に取り組みます。①個別で行うパソコンでのトレーニングと、②少人数の参加者で行うミーティング、この2つに取り組んでいただくのが特徴です。

 まず、週に2〜3回(4ヶ月程度)、個別にパソコンソフトを使って、トレーナーと一緒にトレーニングをします。記憶したり、素早く処理したり、形をイメージしたりするなど色々な課題がゲーム形式になっています。実際に取り組んでみて、どうやったらうまくクリアできるかトレーナーと相談したり、クリアできたら一緒に喜んだりしながら進めていきます。

 また、少人数でミーティングも行います。普段はあまり気にしていない認知機能について、言葉にして話し合います。「そういえば、診察予約をするにも、記憶したり、段取りを組んだりと沢山の認知機能を使っているな〜」ということを理解できるようにします。たとえば、記憶をしたり、集中して話しを聞くための工夫を取り上げて話し合い、工夫ポイントを使いながら仕事や生活で積極的に活動できるように皆さんを後押しします。

 パソコンでトレーニングするだけではなく、トレーニングした内容を、実際の日常生活と結びつけていくことが大切になります。


Q3. NEARの良い所は?

A3. 

    ゲーム形式のソフトになっているので、楽しみながら取り組めます。小さな成功体験であっても、うまくいくという体験を繰り返すことで、認知機能と共に自信も回復していきます。

 もちろん、何度でも間違ったり、ミスしたりしてもOKです。チャレンジしようという気持もアップします。緊張せずに試行錯誤しながら、自分のペースで取り組んでいけるのがNEARの良い所です。

認知機能リハビリテーション(NEAR)は認知機能の改善を目標にしたプログラムです。

NEARプログラムで推奨されている、認知機能を高めるための専用ソフトを沢山用意しています。

Q4.「認知機能」わかるようで、わからない。もう少し詳しく教えて?

A4.

認知機能には、物を見たり聞いたりして把握することや、注意集中、記憶、遂行機能(段取りを立てて活動を効率よく進める)などがあります。これらは、生きていく上で必要不可欠な能力で、自分の力を発揮できない場合には生活の中の様々な場面で支障がでてきます。

例えば、注意集中に問題が出ている場合・・・「会話についていけない」「説明が理解できない」「読書に集中できない」「話の要点がわからない」「気が散りやすい」「複数のことに同時に注意をは払えない」


記憶に問題が出ている場合・・・「やるべきことを忘れてしまう」「言葉を思い出せない」「先ほど聞いた話しを、すぐに忘れてしまう」


処理速度に問題がある場合・・・「思うように作業が終わらない」「理解・反応に時間がかかる」「会話が途切れてしまう」


遂行機能に問題が出ている場合・・・「計画を立てて実行できない」「効率よくできない」「いつも簡単にできている整理整頓や料理で苦労する(段取りを立てる。同時に調理するといった作業が思うようにできない)」


当てはまる点や気になる点はありましたか?

以前と比べて認知機能は低下していないか?

また、日常生活で困っていることは認知機能の状態に関係しているのか?ということをチェックする事も大切です。

 認知機能の状態を把握できると、困りごとに対してより具体的に改善するヒントが見つかります。


Q5. NEARに取り組むとどんな効果があるの!?

A5. 

    NEARによるトレーニングで問題解決力や集中力の向上、ミスの軽減などが期待できます。

 精神科の病気では、気分の変化や対人関係などの困りごとなど色々な問題が出てきますが、近年、認知機能の回復が注目されるようになってきました。
 そのほか、実践の中で、参加者の皆様が感じられている効果には以下のようなものがあります。

・楽しみながら認知機能と自信も回復できる。

・試行錯誤しながら物事に柔軟に対応できるようになれる。

・対処方法を順序だてて説明できるようになる。

・粘り強く、集中して取り組む力がつく。

・定期的に参加することで、生活習慣が変わる。

などなど、NEARが役立ったという感想が多く得られています。


Q6. 認知機能低下と認知症のちがいは?

Q6. 

    認知機能低下とは、あらゆることが原因で認知機能の一部や全部が低下した状態を指しますが、では、「認知機能低下=認知症」なのでしょうか?

結論から言うと、これは完全に「=」ではありません。

認知症とは、いったん獲得していた認知機能が後から低下し、日常生活に支障が出ることを言います。認知症における認知機能の低下は、基本的には進行性で不可逆なものです。

 

また、認知症における認知機能の低下のうち、「見当識障害」(日付、曜日、時間、場所、人物が分からなくなる。ごく単純な状況を判断することが難しくなる。)については、他の精神疾患ではあまり目立ちません。


一方、ADHD(注意欠陥多動症)の方にみられる注意集中力の低下は、ある年齢から発症するものではなく、生まれつきの特性によるものです。こういった生まれつきの特性は認知症とは言いません。また、うつ病になると、頭の働きが鈍くなり、判断力や集中力が低下したり、物覚えが悪くなったように感じることがあります。

このため、「認知症になったのではないか」と考えて精神科を受診されることがありますが、うつ病における認知機能低下は、基本的にはうつ病の改善とともに良くなっていきます。うつ病による認知機能低下は、「仮性認知症」と呼ばれる事もあるほど、認知症との見分けが難しいことがあります。

認知機能低下の原因が何によるものかを見極めることは、その後の対策を考える上でも大変重要ですので、専門家に早めに相談するようにしましょう。

 

なお、赤穂仁泉病院のデイケアセンターで実施を予定しているNEARは、幅広い精神疾患の認知機能低下に効果がみとめられていますが、残念ながら認知症の方には適応となっておりません。

認知症の方には、心理検査やNEAR以外の心理社会的ケアで対応致します。当院では、精神保険福祉士や作業療法士、看護師など専門職が協同して対応しております。



 

赤穂仁泉病院 デイケアセンター では、仕事や学校、日常生活で力を発揮しやすくするため、認知機能のリハビリテーションを行っております。皆さんも、楽しみながら、生活を変えていくためにリハビリテーションに取り組んでみませんか?