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8:50:受付 ※当日は大変混雑が予想されるため, お早めの受付をお願いします
9:20~ 9:40:開会行事(大講義室)
9:50~10:50:特別講演(大講義室1)・課題研究発表(大講義室2)
11:00~12:20:ワークショップ ①–②(5教室)①11:00~11:35 ②11:45~12:20 (各教室)
11:00~13:20:ポスター発表 (コアタイム 12:40~13:20)
12:20〜13:30:昼食・休憩
12:40~13:20:賛助会員プレゼン(大講義室)
13:30~15:00:シンポジウム(大講義室)
15:10~17:00:自由研究発表 1 ①15:10~15:40 ②15:50~16:20 ③16:30~17:00 (各教室)
協賛企業展示 9:00~17:00(予定)
8:30:受付
9:00~10:00:授業研究 1(大講義室2)・授業研究2(大講義室1)
10:10~11:20:自由研究発表 2 ④10:10~10:40 ⑤10:50~11:20 (各教室)
11:30~12:10:総会(大講義室)
12:10~13:00:昼食・休憩
13:00~14:50:自由研究発表 3 ⑥13:00~13:30 ⑦13:40~14:10 ⑧14:20~14:50 (各教室)
15:00~16:30:基調講演(大講義室)
16:40~17:00:閉会行事(大講義室)
◎プログラム
(1)課題研究発表
『地球市民育成を目指した小学校外国語科の授業で,児童は何を学んだか』
石森 広美(北海道教育大学)・阿部 始子(東京学芸大学)・東 優也(海老名市立東柏ケ谷小学校)
グローバル化、多文化化が急速に進展する現在, 外国語教育においても地球市民(グローバルシティズンシップ)育成や国際理解等にも意識を向けた取り組みが模索されている。本研究は, 小学校外国語科において,教科書の単元に絡め地球市民育成の視点から授業を構想・実践し,その成果を検証するものである。
授業実践は, 地球市民育成の視点から開発した第5学年・第6学年の計6単元分の授業案を,2022年7月から2023年2月かけて小学校2校で実施した。本実践研究のデータは、グローバルシティズンシップの指標を精査して作成した質問項目を用いた授業実践開始直後・授業実践終了後に実施したアンケート, 記述を含めた各授業後の振り返りシート, 一連の授業実践終了後に行った抽出児童へインタビュー, 授業者の授業ジャーナルからなり, これらのデータを組み合わせて, 児童の学びについて総合的に検証した結果を報告する。
(2)特別講演
『小学校英語の教え方を演劇学から考える』 太田 耕人(京都教育大学・学長)
英文学科で長年にわたり学生指導に当たられた太田学長に, このたびご登壇いただける運びとなりました。嬉しい驚きでこのニュースを聞いた(小中高大の教壇に立っている)教え子もたくさんいることでしょう。演劇学やシェイクスピア研究でご高名な太田先生の言葉をお借りすると, 演劇の舞台では, いかに対話をほんとうらしく聞かせるか, そこに精魂をこめます。相手役がその日どう反応するかに連動して, 応答のしかたも変わります。本講演では事例を引きながら, イントネーション, 協調の原理(cooperative principle), 話者交換(turn-taking)といった言語学的な視点にも触れながら, 対話によるコミュニケーションのありようを ,小学校英語の実際にひきつけてお話ししてくださいます。
(3)ワークショップ
①『ICT が活きる・活かせる英語授業デザイン』 三ツ木 由佳・ニシカワ ブライアン・シャーリー ジャニール (立命館小学校)
英語学習とICTは親和性が高いと言われて久しい。一人一台のデバイス活用による音源教材の配信や発表活動のスライド作成等、活動の幅の広がりと同時に、各単元のタスク・ゴールに合わせた授業デザイン力が求められる。本ワークショップでは事例をもとに、どんなタイミングで、どのようなICT活用をすることが児童の学びを促進するのか、参加者の皆さんの各校の文脈に応じた、夏休み明けの授業に活かせる視点を考える機会としたい。
②『児童の自信と意欲を引き出すパフォーマンステストへ向けた指導 』大脇 裕也(大東市立北条中学校)
先生方の中にはどのように指導すれば児童・生徒の「面白そう」「達成させたい」という気持ちをくすぐり、児童・生徒自らパフォーマンス課題へ向かう態度を育成することができるのか、お悩みではないでしょうか。そこで、Keller(1983)によって提唱された学習意欲モデルのARCSモデルを参考にしてMissionシートを作成しました。そのシートを活用した指導例を皆様に体験していただきながら、児童・生徒の自信と学びの意欲をより高めるための「Mission」について、皆様と一緒に考えアイデアを共有する時間も設定したいと考えております。
③『KEET発読み指導手順―全ての児童が読めるようになるために―』 湯川 笑子(立命館大学)
本ワークショップは2018年2月にJESの京都支部(KEET)で議論・合意しまとめた『KEET発 小学校英語ハンドブック』(102~110頁)に基づき、英語の専門家ではない方を対象に読みの指導の重要ポイントを体験的に学んでいただくワークショップです。英語の音素、音の足し算、単語や文の音声化の各種練習、サイトワードの4つに特化して練習します。英語に自信がない方、専門知識のない方、大歓迎です。
④『児童の思考力・判断力・表現力を育む言語活動と評価―中・長期的な視点で児童の見取りを考える―』 幡井 理恵(昭和女子大学附属昭和小学校)
児童の思考力・判断力・表現力は長期的な指導の中で育まれていくものと考える。教師がブルームの分類法による6段階の目標を意識することで、児童の発達段階に合わせた活動を設定しやすくなるのではないだろうか。本ワークショップでは、低学年から高学年の英語学習の中で、低次から高次の思考を育む具体的な活動例を示す。児童の成長に合わせて思考力・判断力・表現力が育成されていく流れを体験し、その評価についても考える。
⑤『実践研究の進め方』 JES 実践研究支援委員会 酒井 英樹(信州大学)・フェネリー マーク(四国大学)・
飯島 睦美(群馬大学)・カネフラー クリストファー (北海道教育大学)・中田 葉月(甲南女子大学)
本ワークショップは2021年度・2022年度実践研究支援委員会のメンバーが担当します。実践研究をどう計画したらよいか、先行研究を基にどのようにアンケートやテストを作ったらよいか、データをどのように整理・分析したらよいか等々、実践研究を進める際に抱く疑問を取り上げます。対面実施の良さを活かして、参加者の皆さんには、分析や検索を体験してもらったり、グループでの議論に参加してもらったりする予定です。
(4)シンポジウム
『これからの小学校英語教育―現在と未来をつなぐ―』
コーディネーター:中村 典生 (JES 会長・長崎大学)
シンポジスト:堀田 龍也 (東北大学)
若梅 健 (フィンランド セイナヨウキ市 小中学校教員)
粕谷 恭子 (東京学芸大学)
新学習指導要領が小学校で全面実施となって4年目となります。前回の指導要領の告示は2017年。ここ2回の同改訂が9年周期であることを考えると, 2023年度は現状を確認し, その成果と課題を踏まえて今後を考える, 大変重要な年となるように思われます。本シンポジウムではこれを踏まえ, 『これからの小学校英語教育―現在と未来をつなぐ―』と題し, 3名の方々にご登壇いただくことと致しました。
東北大学の堀田龍也先生は, 文部科学省「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議の座長を務められております。ご専門の教育工学,情報教育等の知見をもとに, 教育の未来に関するお話を伺うことができると楽しみです。若梅健先生はフィンランド小中学校正規教員としてご活躍されています。
フィンランドは英語教育の先進国・成功国として知られています。成功の裏には必ず理由があります。日本の英語教育の未来を考えるにあたり, その成功の秘訣を具体的に知ることは大変意義のあることと考えます。東京学芸大学の粕谷恭子先生は3月までJESの会長を務められた優れた研究者・実践家です。全国津々浦々の小学校英語教育の事情に精通されていますので, 現状の成果と課題を的確に捉えたお話が聞けると楽しみです。
どうぞ皆様、本シンポジウムにご期待下さい。
(5)授業研究(映像での授業提案)
①『遊び感覚を大切に児童が気持ちを伝え合うやりとりの工夫―My Winter Vacation(6 年)―』 能勢 誠 (八幡市立美濃山小学校)
「好きこそものの上手なれ。」英語が好きであれば英語の力はどんどん身に付きます。しかし, 高学年になるとクラスの雰囲気が重くなり, 言語活動が停滞する現象が起こります。
アンケートを取ると英語が好きだと答える児童が, 6年生になると減少することが分かりました。英語が嫌いだと答えた児童の主な理由は「できないから」という能力面での劣等感からくるものが多数をしめます。つまり、子どもたちは, できるようにならなければもっと学びたいと思えないのです。では, できるようにするにはどうすればいいのでしょうか。大事なのは, 外国語活動がスタートする3年生からの積み重ねです。まず英語を好きにさせること。そして英語が好きであるという状態を保った, まま力をつけていく。その際, 遊び感覚を大切にすることを忘れてはいけない。やりとりができるようになるまでに, どんなアプローチができるかについて言及します。
②『絵本の読み聞かせに始まる Learning by Storytelling の指導―全学年を通して思考・判断・表現力 をつける―(5 年,一部 3 年)』 オーガスティン 真智・兵田 千紗子・ウィリアム 八木(ノートルダム学院小学校)
本授業提案では, Learning by Storytelling(以下、LBSと略す)指導法開発の過程で作成したオリジナル絵本の読み聞かせに始まる活動事例を紹介します。高学年を対象としたLBS指導は, 1)インタラクション豊富な読み聞かせ, 2)絵本の場面の並べ替え, 3)リテリング, 4)自作のワークシートを使った発信活動を行いました。本時では, 絵を並べ替え, リテリングに挑戦し, 端末を使いその録音を行った第4時(単元全9時間)の紹介をします。また, 中学年の場合は、4)の発信活動は, 読み書きは行わずに, 音声で聞いた英語の理解を基に英語で表現する劇活動や, Let’sTry1“Who are you?”を使ったオリジナルページ作り発表を行っています。3年生児童によるMomotaro英語劇の指導の様子も紹介します。学年の英語知識及び認知能力の発達の違いに合わせてLBS指導モデルを応用させた活動を通して, 全学年の児童の思考力・判断力・表現力を養うことができました。
(6)基調講演
『主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善の具体―GIGA スクール構想の下での一人一台端末の活用も踏まえ―』
直山 木綿子(文部科学省 初等中等教育局 視学官 初等中等教育局 外国語教育推進室 教科調査官
国立教育政策研究所 教育課程研究センター 研究開発部 教育課程調査官・学力調査官)
学習指導要領(平成29年告示)の着実な実施に当たってのキーワードはいくつか考えられますが, その一つに「主体的・対話的で深い学び」があげられます。この文言は、全校種総則及び、全教科等の学習指導要領に記されており, 「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を通して資質(・能力を育む効果的な指導、授業改善が求められています。基調講演では、外国語教育における「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善の具体及び, これを支える「個別最適な学びと協働的な学びの一体的に充実」, またそれに伴う「GIGA スクール構想の下での一人一台端末の活用」及び「学習者用デジタル教科書の活用」も含めて, 皆さんと考えたいと思います。