第67回 日本脂質生化学会を開催するにあたって
実行委員長
順天堂大学医学部 横溝岳彦
2025年6月9日(月)、10日(火)の両日、第67回日本脂質生化学会研究集会を「船堀タワーホール」で開催いたします。歴史ある日本脂質生化学会を主催させていただくのはたいへん光栄なことであり、その喜びと共に重責を感じております。脂質研究の魅力・醍醐味を直接感じながら、熱くご討論いただけるような会にしたいと考えています。
私が日本脂質生化学会に初めて参加したのは比較的遅く、2001年に帯広畜産大学で開催された第43回大会でした。地平線が見える広大な大学の敷地内での豪快なバーベキューと、女性のロックシンガーのミニコンサートに度肝を抜かれ、肝心の学会の内容はほとんど覚えておりません。しかしながら、厳しくも暖かい家族的な雰囲気が気に入り、それ以降はほぼ全ての大会に参加させていただいています。2000年から2006年にかけては事務局を担当し、現在のUMINを用いた演題投稿システムを構築しました。このシステムが現在まで使用されている事に誇りを感じると共に、自分が実行委員長としてこのシステムを利用することに深い感慨を覚えます。
第67回の研究集会では、九州大学生体防御医学研究所の馬場健史教授に特別講演をお願いし、超臨界クロマトグラフィーと質量分析計を利用した脂質解析に関するお話を頂く予定です。シンポジウムでは私の専門である「脂質メディエーター」と、近年著しい進化を遂げている「イメージング質量顕微鏡」を取り上げます。「脂質メディエーター」のシンポジウムでは、比較的若手の演者に登壇いただき、実際に手を動かして実験している研究者から直接発表していただく予定です。一般演題は15分枠の口頭発表を基本としますが、10分枠のショートトークも設定します。昨年の66回大会で三浦進司教授が始められた若手および学生を対象とした優秀発表賞を今回も設ける予定ですので、皆さんの積極的な発表をお待ちしております。また、株式会社島津製作所と株式会社エービー・サイエックスのご支援を得て、二つのランチョンセミナー開催を予定しています。
今回の会場であるタワーホール船堀は、コロナパンデミックのために紙上開催となってしまった第62回大会(花田賢太郎実行委員長)を行う予定であった施設です。花田先生が企画された内容をほぼ踏襲する形での開催を予定しており、花田先生には心から感謝申し上げます。
多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。