ローカルからグローバルへ,グローバルからローカルへ
From the Local to the Global and Back Again
本大会では,「ローカルからグローバルへ,グローバルからローカルへ」をテーマに掲げ,準備を進めております。グローバル化が進む現在,足元の「ローカル(地域)」特有の文化や価値を見つめ直し,それをいかに「世界」へと開き,また世界の多様な視点をどのように地域へと還流させていくかが問われています。独自の表現や感性を育む美術教育において,この双方向の循環は,次世代の創造性を拓き,未来へつなげる教育の在り方を考える上で重要な鍵となるのではないかと思います。 近年,学校教育における美術教育の実践及び研究は,地域社会との接続や,個人およびコミュニティのウェルビーイングに寄与する実践としての意義が拡張しています。特に,身体的経験や文化的文脈に根ざしたローカルな実践は,人々の関係性や自己理解を深める基盤として重要な役割を果たしています。こうしたローカルな実践は,グローバルな視点との往還の中でその意義が再解釈され,新たな価値を生み出していく可能性があります。本学会において,教育・文化・社会を横断していく美術教育の可能性について改めて考えるともに,ローカルとグローバルの架橋となる美術教育の実践及び研究の未来像を構想する契機となれば幸いです。
大分県大分市は,かつて南蛮貿易を通じて西洋の美術や文化をいち早く受け入れ,独自のローカルを築きながら世界へとつながってきた歴史があります。現在,美術館や商店街等をアートの拠点としながら,日常にアートが息づく街として多様な創造性を発信し続けています。大分大会において全国各地の教育実践・研究の成果を結集し,これからの美術教育を展望する,実りある知の対話の場となることを目指しております。学会での熱い議論の後は,ぜひ大分の豊かな芸術文化に触れ,「日本一のおんせん県」ならではの名湯と豊かな山海の幸をご堪能ください。本大会は,大分大学や様々な大学の先生方,学校現場の先生方,企業の方々等から多大なるご支援・ご協力をいただき,開催に向けた準備を進められておりますことに心より御礼申し上げます。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。
大会実行委員長 藤井 康子