はじめに
はじめに
日本語レベル別読み物のサイト「本 だいすき!」にようこそ!
このサイトは、早期リテラシー期の子どもたちに、日本語レベル別読み物を配信するためのサイトです。幼稚園から小学校1年生の学齢の子どもたちが、はじめて自分で読むことを学び始める時期に、読みの支援、または指導に使える日本語の本のコレクションを作ろうというプロジェクトを2023年春に開始し、その成果をまとめたものがこのサイトです。このサイトから、子どもたちの読みの力のレベルにあった本にアクセスができます。本のコレクションサイトには、このサイトのリンクから行くようになっていますが、本のコレクションをご覧になる前に、まずこのサイトの情報をお読みいただき、プロジェクトの目的、レベル別の読み物について、またその使い方の例をご理解いただけますよう、お願い申し上げます。
本サイトをご利用いただく前に必ず利用規約をお読みください。その後、このページの上(Home レベル別読み物について)にカーソルをあてていただくか、このページの最後に、「レベル別読み物とは」と「レベル別読み物の使い方」のページへのリンクがありますので、そちらをお読みください。
就学前の子どもたちにとって本は、大人に読んでもらって、お話を楽しむためのものですが、就学を機に自分で努力して読まなければいけないものに変わります。自分で読めるようになるためには、本とはなにか、本の構成、どこから読むか、どこを読むかなど本自体の知識を獲得し、本の中の字と音を結びつけて、語の単位を認識して意味を理解し、語と語を繋いで文を理解し、さらに文章の内容を理解するという力が必要になります。また、お話を読むときは、話の流れを理解したり、先を予測するという力や、情報文を読むときは、大切な情報を読み取る力も必要となります。この転換期をできるだけ速く通過するためには、読みの力に合った本をたくさん読んで練習を積んでいくことが必要になります。
私事ですが、25年前に息子が英語と日本語で読みを学び始めたころ、英語の読みのレベル別の教材の豊かさに驚きました。子どもたちの読んでいるレベルは違いますが、一つのレベルの本をどんどん読み、次のレベルに上がっていくのをみて、日本語でもこのような指導が必要だとは思ったのですが、日本語ではレベルを細かく分けた教材がなく、既存の絵本を使って作るには著作権の問題があり、また市販の本を各レベルの条件に照らしてレベル分けをすることにも無理がありました。25年間に何度か試みましたが、結局成果なしでした。
今回このプロジェクトを遂行することができた背景には、著作権を心配しなくていいクリエイティブコモン(Creative Common, 以下CC)というライセンスのついた本のコレクションができたこと、テクノロジーのおかげでそれらの本がウェブサイトで入手可能となったこと、そして作成した本がオンラインで無料で広く配布できるようになったことなど、すべての条件が整ったことがあります。
当プロジェクトから生まれた本は、Bloom Library (https://bloomlibrary.org/read)とStoryWeaver (https://storyweaver.org.in/en/)といういずれもCCのライセンスを持つ本のコレクションのサイトから早期リテラシ―期に読めて、かつレベルAからレベルJの合計10レベルに分けられそうな本を、内容を吟味して選び、日本語に翻訳をし、翻訳の際には各レベルごとの基準に合わせたフォーマットで作成しました。
日本語への翻訳は、米国の小学校のイマージョンプログラムで、このレベル別の本を読む年齢の子どもたちを長年教えておられる三人の先生方がご担当くださいました。教育現場での経験と自身がバイリンガルであるという背景から、子どもたちの目線からの日本語訳をしてくださり、どの本も子どもたちをひきつける楽しい本になっていると確信しています。また、この本の公開前には、最終校正作業を継承日本語学校の先生が引き受けてくださいました。先生方のご紹介は、「プロジェクトメンバー紹介」のところをご覧ください。この4人の先生方の限られた時間の中での集中的な作業がなければ、このプロジェクトは完成できませんでした。ここに厚くお礼を申し上げます。
2023年春にプロジェクトを開始して以来、100冊あまりの早期リテラシーのレベル別の本のコレクションを作るというプロジェクトを一緒に進めてきたメンバーをご紹介します。レベルごとの基準と文化的な要素を考慮して集めた本を、分担して日本語へ翻訳し、編集担当からのコメントをもとに修正をし、最終校正を行い、さらに修正をするというインテンシブな作業を1年間続けてきたメンバーです。
ダグラス昌子
Professor Emerita
California State University Long Beach
本を読むことが大好きな子どもたちが増えることを願っています。
荒山 メラニー
DLI Japanese Kindergarten Teacher
Dunsmore Elementary School
子供たちに文字を通して世界を知ってほしいと思います。
藤江千絵
3rd & 4th grade DLI Japanese Teacher
Verdugo Woodlands Elementary
本を通して、子供達が楽しく日本語を学べて、世界観を深める事が出来ますように。
降矢 恵美子
3rd Grade Japanese Immersion Teacher
South Academy of International Languages
日本語で絵本を楽しんでもらえるように翻訳作業をしました。
武田千絵
JHL1-2 Class Teacher
Orange Coast Gakuen
良い本と出会うことは、子供達の財産になると思います。本を通して色々な世界を学んでくれたら嬉しいです。
謝意
このプロジェクトは、国際交流基金のJapanese-Language Education Project Grantから資金面での主なサポートをいただきました。そしてカリフォルニア州立大学ロングビーチ校のHeritage Grantからもサポートをいただきました。また、米国日本語教師学会(AATJ)からは、このプロジェクトの遂行にあたり事務面で全面的なサポートをいただきました。ここに厚くお礼を申し上げます。
ダグラス昌子 Ph.D.
プロジェクトディレクター
カリフォルニア州立大学ロングビーチ校名誉教授