令和7年2月15日、多くの方に支えられ、防災キャンプを実施することができました。
受付から児童にも手伝ってもらいながら、参加者多数のため4つのグループ分け、外部向け広報の同意、グループ別プログラムの配布などを行いました。
実際の避難所開設時同様、運動場の半分を駐車場として開放し、多くのご家庭が車で来校されました。
まずは、参加者の皆さんに、災害の危機感を持ってもらうために、交野市危機管理室の方にお越しいただき、過去に交野市で起きた災害、これから起きるかもしれない災害やその規模についてご講演いただきました。
身近に起きた被災時の写真を見て、驚きの声が上がっていました。
このご講演のおかげで、なんだか受付時と顔つきが変わったようにも感じました。
交野市では、被災時に最も課題となるトイレ問題の対策として、現在大型トイレトラック1台、小型2台を配備しており、今回小型トイレトラック1台を派遣してもらいました。
当日は大型トイレトラックを能登へ派遣しているとのことで、参加者の皆さんも、交野市の防災意識の高さを感じられたと思います。
今回の防災キャンプでは、校舎内のトイレ内に簡易トイレを男女各2セット用意し、実際にたくさんの参加者にもやってもらうことができ、貴重な機会となりました。
被災現場で実際に活躍されている大阪災害ボランティアさんに、被災地で最も課題の簡易トイレ体験を実施してもらいました。
被災地では、不慣れな簡易トイレで用を足すことから、トイレ環境の衛生状態が悪く、トイレを我慢すること起きています。
結果、トイレに行かないようにするため、食べること、飲むことを控え、体調不良を引き起こすことにつながっています。
こういったことからくる災害関連死も珍しくなく、大阪災害ボランティアさんは、簡易トイレに慣れておくことの重要性を、伝えてくれました。
児童、保護者の皆さん、簡易トイレの組み立てから、疑似で水を注ぎ、凝固剤で固めて捨てるところまで、体育館で疑似体験しました。
被災地で危ない場所、広い範囲、高いところから、など様々な場面で活躍している災害用ドローンのご紹介をしてもらいました。
ラジコンなどに関心が高い小学生児童は、驚くと同時に大盛り上がりで、ドローンの飛ぶ姿、ドローンの映し出す映像に目を輝かさせていました。
この機会から、実際にドローンへの関心が高まり、ドローンの資格取得者が出ることが楽しみです。
今回の防災キャンプに、特に多くのご支援を賜りました4社さまをご紹介し、ご挨拶いただきました。
株式会社ライブメディアさま、有限会社 大平技研さま、NPO法人大阪災害ボランティアさま、当日都合によりこれませんでしたが株式会社サルバドールさまへ、感謝状を贈呈させていただきました。
本当にありがとうございました。
大阪災害ボランティアさまが、実際に被災地でふるまわれている炊出しと同様に、実施していただきました。
当日のメニューは、うどん、炊き込みご飯、海鮮ピラフ、コーンポタージュで、児童は自分で盛り付けて、運んだりする経験をし、万が一の環境でも、守られる側ではなく、地域の担い手として活躍する気持ちの芽生えにつながったと思います。
また、被災地でこのように活躍されている方々を目にし、社会貢献、共助の重要性を感じたと思います。
保存水とコップをつなげ、コップの中にLEDを入れるだけで完成するランタンづくりを実施しました。
斜め掛けできるランタンを作成し、この後の夜の校舎内や運動場で足元を照らしてくれました。
食事の待ち時間を活かし、作成してもらったため、食事時間に歩き回る児童がほとんど出ない工夫が功を奏しました。
夢中で色塗りをする子どもたちの顔が真剣そのもので、被災時にどのように避難所生活を送るか、どのように子どもたちの心を守る工夫を凝らすか検討することの重要性を再認識できました。
7年保存の保存水配布
お楽しみ会の一環として、星空プロジェクトさまに、夜の運動場で、惑星などを見る天体観測をご準備いただきました。
また、待ち時間にプロジェクターを使用し、星の授業をしてもらいました。
せっかくの機会できしたが、曇り空となってしまい、星を見ることは叶いませんでしたが、近所のスーパーの看板などを見てみるなど、工夫していただき実行していただき、子どもたちは本物の高機能な望遠鏡に大喜びでした。
暗い運動場でしたが、自分たちで作成したランタンを斜め掛けしているので、子どもたちを見失うことなく、安全にできたと思います。
大人は、避難所開設時の各教室の役割を、実際に教室を見ながら回りました。
実際に避難してきたとき、長期間に滞在することなどを想像すると、様々な感想が上がり、これからそのご意見を集約し、避難所運営計画に落とし込みしてもらえるよう提言していきたいと考えています。
子どもたちは、夜の校舎内を回るだけでドキドキわくわくの時間でした。
同時に、災害に関連したクイズラリーを実施し、参加賞として、長期保存食のチョコようかん(無印良品)、ビスコ(森永)などをプレゼントし、実際に食べてみてもらいました。
チョコようかんは、パサパサしないのに、長期保存可能で、食べやすいスティックタイプの高カロリーなおやつとして高評価を得ているもので、同様の感想が聞けました。
普段ようかんは苦手という方々からも、これはチョコの要素が強いため食べられる!などの声も聞け、ローリングストックの1つとして、選択肢が増えたのではないでしょうか。
大平技研の代表様より、今回の防災キャンプの趣旨にご賛同いただき「自社の製品が被災者の心を癒すことができるなら」と社会貢献の一環としてMegastarⅡの貸出提供を受けました。
本物の星空と同じ星空を室内に投影できる最大規模で最高の製品であるため、大人も子どもも心を奪われました。
避難所生活の夜、暗闇が怖い、余震が怖い、この先どうなるのだろうという不安や恐怖から、少しでも心を癒すことができたらいい。そんな思いで、動く満天の星空の常夜灯を試してみました。
参加時点で「真っ暗の体育館で寝るのが怖い」と言っていた児童も、動く星空に目と心を奪われ、気づくと寝てしまっていたと言っていました。
こういった災害や避難所生活から命と心を守る工夫や仕組みが全国に広がれば幸いです。
交野市危機管理室さまより、交野市の避難所用の簡易ベッド105個、クイックパーテーション50個、毛布30枚の貸出しを受け、100人を超える規模で宿泊体験させていただきました。
暖房器具はこの日のために大型ジェットヒーター5台を使用し、凍えることなく就寝できました。
当日はほとんどのご家族が、寝袋や掛け布団を持ち込んでいただき、本番同様の体験ができました。
また、事前に参加者の中の医師、看護師として働く保護者さんの協力体制も準備できており、体調不良が出た際の対応など、ガイダンスすることで安心してご宿泊いただけました。
加えて、夕食後に作成した保存水活用ランタンをパーテーションに引っ掛けるなどの工夫により、夜中のトイレなどから戻る際、自分たちのパーテーションがどれか判別できる工夫がなされていました。
交野市危機管理室さまより、保存食のわかめご飯(アルファ化米)のご提供を受け、大阪災害ボランティアさまから調理器具やみそ汁、前日の夕食の残りご飯類などのご提供を受け、保存食体験を実現できました。
わかめご飯は「意外と美味しい!」「多すぎて食べられない」「お湯がなかった時を想定して水で作ってみたい」など、今後に活かされるお声をたくさんいただきました。
ご家庭でも、こういった経験から家族構成に応じた備蓄が実現されるよう引き続きサポートしていきたいです。
みんなで、クイックパーテーションと簡易ベッドを畳んだり、トラックへの積込作業も行いました。
特に、クイックパーテーションは畳むのが難しく、畳み方をレクチャーする人が現れたり、手こずている家庭のものを畳んであげたりと、助け合いの一コマが見られ、助けるときの声掛けの練習になったり、得意、不得意を実感する機会にもなったのではないでしょうか。
今回の経験が、今後、地域の担い手としての意識の芽生えにもなることを期待しています。