『糸賀一雄研究の新展開 ひとと生まれて人間となる』 webガイダンス
『糸賀一雄研究の新展開 ひとと生まれて人間となる』 webガイダンス
本書の各章には、関連する資料へのアクセスを示した「ガイダンス」があります。それには収まっていないものや、webからアクセスできる最新の資料・情報を、ここでご紹介します。
【第1章:冨永健太郎関係】
●糸賀一雄年譜・著作目録
『糸賀一雄著作集Ⅲ』の巻末にあった「年譜・著作目録」を基に、糸賀没後40年の際に筆者が補訂を行い、2008年に社会福祉法人大木会が刊行したものです。その後、糸賀生誕100周年を機に、2015年版の改訂が行われました。
≪国立国会図書館サーチ≫
【第2章:蜂谷俊隆関係】
●蜂谷俊隆『糸賀一雄の研究―人と思想をめぐって』
糸賀一雄の先行研究に欠けていた視点をふまえ、歴史研究の方法により、著作と関連する資料を可能なかぎり収集・分析することで、糸賀思想の全体像に迫った一冊です。
≪関西学院大学出版会の書籍ページ≫
●『福祉にとっての歴史 歴史にとっての福祉』
本書では、近代の発展という光の影で人を支える実践を地道に行ってきた人物や取り組みにスポットをあて、福祉に生きた人々による近代史を描き出しています。筆者は、第11章で「糸賀一雄と木村素衛─教養の思想を中心に」と題して執筆しています。
≪ミネルヴァ書房の書籍ページ≫
【第3章:垂髪あかり関係】
●垂髪あかり『近江学園・びわこ学園における重症児者の「発達保障」―〈ヨコへの発達〉の歴史的・思想的・実践的定位―』
近江学園・びわこ学園における重症児者の「発達保障」のあゆみについて、思想史研究、施設実践史研究、個別事例研究を連関させた複合的アプローチにより検討した一冊です。本書では、「発達保障」思想の中心概念である〈ヨコへの発達〉を、歴史的・思想的・実践的に定位することを目指しています。
≪風間書房の書籍ページ≫
https://www.kazamashobo.co.jp/products/detail.php?product_id=2372
●垂髪あかり『<ヨコへの発達>とは何か―障害の重い子どもの発達保障―』
何かが「できる」ようになること、物事を積み重ねていく「タテへの発達」だけが「発達」なのだろうか。そのような視点だと、障害の重い子どもたちの「発達」をどうみるのか。今できることを豊かに、その子らしさを広げていく「ヨコへの発達」とは何か? インクルーシブ教育が求められる今だからこそ、発達観の転換をせまる一冊になっています。
≪日本標準の書籍ページ≫
●垂髪あかり「思春期における療育・教育実践の歴史から学ぶ―近江学園、あざみ寮、びわこ学園における実践と糸賀一雄の思想」
(要旨)終戦後から1970年代における近江学園、あざみ寮、びわこ学園における思春期の子どもたちへの教育実践と糸賀一雄の思想について検討した。学園開設初期に行われた生産教育では、技術の向上や生産量の増大を目指す指導が主となり、教育的な指導が蔑ろになったことを糸賀は自省している。その後、糸賀の職業教育観は「さくら組」「杉の子組」等の実践で障害の重い子どもたちの変容を捉えたことや、産業教育部での生活指導を基底とする職業教育の実践、あざみ寮での知的障害女子への実践のなかで、子どもたちが人格的に成長していく姿を確認し、その変容や成長を「発達的な視点」で捉えたことで転換していく。さらに、重症心身障害児施設びわこ学園における実践で、重症心身障害児者の無限の発達の可能性を捉えた糸賀は、彼らが自己実現する姿を「重症児の生産性」として提起した。思春期の子どもたち一人ひとりの内面に心を寄せながら、自分自身とも格闘し続けた糸賀の姿勢は、びわこ学園における重症心身障害児者への実践にも継承されている。
≪『障害者問題研究』第49巻第4号のページ≫
●垂髪あかりインタビュー「“できる/できない”の社会を「ヨコへの発達」で問い直す。社会福祉の父・糸賀一雄を、垂髪あかりさんが研究する理由」
福祉をたずねるクリエイティブマガジン「こここ」で紹介された、インタビュー記事です。
≪マガジンハウス「こここ」のページ≫
【第4章:門前斐紀関係】
●門前斐紀『木村素衞「表現愛」の人間学―「表現」「形成」「作ること」の身体論―』
糸賀が師と仰ぎ、大正・昭和期に活躍した思想家・木村素衞の教育思想を導きとし、その一つの特色である身体論を軸に、実践的表現を重視する今日の学びを捉えなおした一冊です。「表現」「形成」「作ること」を生命現象として深く探究した木村教育学を紐解き、文化と教育の有機的で創造的な連関構造を解明することで、木村教育学が今日に果たす意義と可能性を問うています。終章「『表現愛』の人間学からの展望」において、糸賀一雄について触れられています。
≪ミネルヴァ書房の書籍ページ≫
●『現代思想』2021年1月号
「特集:現代思想の総展望2021」として、技術と身体に関し、筆者の「交響する技術的身体―木村素衞における異文化交流圏の構想」と題した論稿が掲載されています。
≪青土社の書籍ページ≫
【第5章:國本真吾関係】
●中海テレビ制作「看護大・とりたんセミナー」(2020.12)
本書のタイトルにもなっている、糸賀一雄の言葉「ひと(人)と生まれて人間となる」。この言葉をもとにして、コロナ禍での人間関係のあり方について語っています。
≪鳥取県民チャンネルコンテンツ協議会≫
●糸賀一雄、故郷・鳥取での最期の講義録『ミットレーベン』
糸賀一雄が、故郷・鳥取の地で語った「ミットレーベン」の言葉。その言葉が登場する、鳥取県立皆成学園での講義録(1968.1.18)は、以下のリンク先からPDFでダウンロードできます。
≪鳥取県障がい福祉課≫
【コラム1:川内紀世美関係】
●川内紀世美「『糸賀一雄の最後の講義』ドイツ語共訳を終えて―翻訳の苦労・工夫と翻訳による新たな発見」
『糸賀一雄最後の講義』ドイツ語翻訳の作業をもとに、翻訳の苦労やその後の発見などを紹介しています。
≪CiNii検索結果≫
【第6章:玉村公二彦関係】
●『戦争孤児たちの戦後史2』
戦後、西日本に暮らしていた孤児に着目した一冊です。孤児救済に尽力した施設や原爆孤児たちのための精神養子運動などの取り組み、大阪大空襲や引揚、沖縄戦における実態が詳述されています。筆者は、第1部近畿地方の第2章で「知的障害のある孤児・浮浪児たちと京都府立八瀬学園―京都における障害児教育の発足と担い手たち―」を執筆しています。
≪吉川弘文館の書籍ページ≫
【第7章:山田宗寛関係】
●山田宗寛「糸賀一雄らの福祉思想の今日的な実践とその意義について―浮浪児・戦災孤児と児童虐待問題を考察して」
佛教大学の『福祉教育開発センター紀要』第13号に掲載された、筆者の論文です。
≪佛教大学論文目録リポジトリ≫
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/FC/0013/FC00130L033.pdf
【第8章:遠藤六朗関係】
●岡崎英彦先生資料
本章で取り上げられている岡崎英彦に関する資料として、びわこ学園のHPで公開されているコンテンツには、以下のアドレスからアクセスできます。
≪びわこ学園≫
●第35回しんらん交流館公開講演会(2018.5.23)
「糸賀一雄『この子らを世の光に』―共に生きる方へ―」と題して、筆者が行った講演の動画です。
≪しんらん交流館≫
●『糸賀 一雄「この子らを世の光に」ひかりの顕現ー重症心身障がい福祉が照らす生命・共生・ネットワークー』
筆者が、びわこ学園在職中に執筆した論文を基に構成された一冊です。糸賀思想を基に、重症児者の福祉の課題や実践を検討しています。
≪中川書店の書籍ページ≫
【コラム2:和崎光太郎関係】
●企画展:京都における特別支援教育のあゆみ
筆者が、京都市学校歴史博物館に在職中に企画した、京都市の障害児教育の歴史を扱った取り組みです。田村一二についても紹介されています。詳しくは、解説図録をご覧ください。
≪京都市学校歴史博物館≫
企画展 http://kyo-gakurehaku.jp/exhibition/h27/1212/index.html
解説図録 http://kyo-gakurehaku.jp/exhibition/h27/1212/img/271212_zuroku.pdf
【第9章:森本創関係】
●森本創「近江学園70年のあゆみ―『発達保障』の思想と実践の視点から―」
『人間発達研究所研究紀要』第30号に掲載された、筆者の研究ノートです。近江学園創立70年を迎え、それまでの学園の歩みを4期に分けて整理し、学園が抱えている課題や展望を検討しています。
≪人間発達研究所≫
【第10章:増野隼人関係】
●増野隼人(ますの・はやと)さん 重症児者相談支援センター びわりん
滋賀県内の福祉実践者を紹介するサイトで、筆者がインタビューに応えているものです。
≪SHIGA-FUKU≫
【第11章:中山慎吾関係】
●中山慎吾「障害者施設職員の肯定的仕事観に関する研究―自由回答に基づく分析」
『福祉社会学部論集』第38巻第1号に掲載されている筆者の論文です。考察で、糸賀一雄について触れています。
≪鹿児島国際大学リポジトリ≫
●中山慎吾「地域包括ケアの広がりと多職種連携―ウェルビーングの多元性に対応する支援体制」
『福祉社会学部論集』第38巻第3号に掲載されている筆者の論文です。地域包括ケアと地域共生社会の関連性に着目しつつ、地域包括ケアにおける多職種連携のあり方について、そして、身体的、心理的、社会的側面を含むウェルビーングの多元性を念頭に置き、地域包括ケアにおける適切な多職種連携を達成するための専門職教育のあり方について考察しています。
≪鹿児島国際大学リポジトリ≫
【第12章:山﨑将文関係】
●「津久井やまゆり園事件」に対する裁判の判決文を読んで(2020.12)
筆者が読んだ「津久井やまゆり園事件 ( 相模原障害者殺傷事件)」に対する裁判員裁判の判決文、NHKオンライン「19 のいのち―障害者殺傷事件―」のページをもとに、事件について考えたことを述べています。
≪Art&Art≫
https://kamatakeimu.wixsite.com/mysite/%E8%A4%87%E8%A3%BD-the-study-vol-3-1 (リンク切れ)
【第13章:中野リン関係】
●英訳版『糸賀一雄の最後の講義』=Education with Love and Empathy: The Last Lecture of Kazuo Itoga
神戸大学大学院人間発達環境学研究科『教育科学論集』第21号に掲載された、筆者らによる英訳版は下記のリンクを参照してください。
≪神戸大学学術成果リポジトリKernel≫
●中野リン「『糸賀一雄の最後の講義』の英訳を通して考えたこと」
『人間発達研究所研究紀要』第32号に、英訳版に関連した筆者の研究ノートが掲載されています。下記のリンクは、当該号の目次です。
≪人間発達研究所≫
【第14章:金仙玉関係】
●韓国語版『糸賀一雄の最後の講義』=이토가 카즈오 최후의 강의―사랑과 공감의 교육
神戸大学大学院人間発達環境学研究科『教育科学論集』第19号に掲載された、筆者らによる韓国語仮翻訳版は下記のリンクを参照してください。
≪神戸大学学術成果リポジトリKernel≫
【コラム4:平田勝政関係】
●平田勝政先生 略歴
『長崎大学教育学部紀要 教育科学』第83号「平田勝政教授退職記念号」に掲載された、筆者の略歴です。
≪長崎大学学術研究成果リポジトリNAOSITE≫
●平田勝政「後藤静香とハンセン病」
『長崎大学教育学部紀要 教育科学』第83号「平田勝政教授退職記念号」に掲載された、筆者の論考です。社会教育家で知られる後藤静香が、戦前・戦後に「救癩」事業に取り組んだことに注目した内容です。
≪長崎大学学術研究成果リポジトリNAOSITE≫
【第15章:渡部昭男関係】
●日本の福祉教育の先駆者―糸賀一雄
鳥取市が発行した『きらめく120人 鳥取市人物誌』に筆者が執筆した、鳥取市出身の糸賀一雄の紹介です。
≪神戸大学学術成果リポジトリKernel≫
●渡部昭男「地域を創る教育福祉―『障害児教育原論』の授業実践」
『地域教育学研究』(鳥取大学地域学部地域教育学科紀要)第3巻第1号に収録されている、筆者が鳥取大学時代に行った授業実践に関する論稿です。
≪神戸大学学術成果リポジトリKernel≫
●渡部昭男「生誕百年・糸賀一雄の魅力を若い世代にどう伝えるかー講義「教育政策」の2013度前期実践」
神戸大学大学院人間発達環境学研究科『教育科学論集』第17号に掲載された、筆者が神戸大学で行った授業実践に関する論稿です。
≪神戸大学学術成果リポジトリKernel≫
●渡部昭男「テキスト2『糸賀一雄の最後の講義』主要箇所の日本語&英訳」
筆者が神戸大学の授業で用いた、教材資料です。
≪神戸大学学術成果リポジトリKernel≫
●渡部昭男「ひとと生まれて人間となる―糸賀一雄からのメッセージ」
筆者が神戸大学附属特別支援学校の第25回障害児教育研究協議会において行った、全体会オンライン講演のです。
≪神戸大学学術成果リポジトリKernel≫