3月12-14日に北海道大学・低温科学研究所にて開催を計画しておりました「同位体物質循環フォーラム」は,新型コロナウイルスの感染拡大防止のため,延期することとしました。新たな開催時期および日程・プログラムは,新型コロナウイルスの終息時期等を注視した上で,決定し次第当ホームページにて公開させていただきます。
また,この度のフォーラム延期に伴い発生した各種問題については,世話人(力石・滝沢・小濱のいずれか)まで個別にお問い合わせ下さい。
よろしくお願い致します。
日時:2020年3月12日(木)16:00 から 14日(土)12:30
場所:北海道大学低温科学研究所 講義室(215室)
参加費(フォーラム):6,000円(教員),4,000円(職員),2,000円(学生)
参加費(懇親会):3,000円(教員),3,000円(職員),1,000円(学生)
申込〆切:令和元年1月24日(金)17時
世話人:
力石 嘉人 北海道大学低温科学研究所(ychikaraishi_AT_lowtem.hokudai.ac.jp)
滝沢 侑子 北海道大学低温科学研究所(takizaway_AT_lowtem.hokudai.ac.jp)
小濱 剛 千葉科学大学危機管理学部(tkohama_AT_cis.ac.jp)
近年「持続可能な開発」という言葉をよく耳にするようになりました。持続可能な開発目標:SDGs(Sustainable Development Goals)は、2012年に、リオデジャネイロで開催された国連持続可能な開発会議(リオ+20)において議論が始まったトピックです。この議論の目的は、世界における貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す普遍的な行動を呼びかけることです。
SDGsには17の行動目標があります。その中に、私たちが自然科学者としてアプローチできる課題はいくつか存在します。私たちは、ひとりの科学者として、これらの持続可能な開発目標の達成に向けて積極的に取り組むこと、そして、具体的な解決策を提案するために議論をおこなうということを試みたいと思っています。特に私たちが所属するグループでは、生態系の有様を理解することや、生物が環境変化に対してどのような応答を示すのか?そして、ヒトと動物は一体どのように共生していくべきか?ということに強く関心を抱き、日頃研究をおこなっています。そこで、第1回同位体物質循環フォーラムでは、SDGsの14つめの行動目標「海の豊かさを守ろう」を対象として、以下の3つのトピック:
■ 現状の正しい理解
今、海洋生態系において何が起きているのか?実際に観測された現象・データから、実態を理解する
■ 課題の共有
海洋生態系の保全とその利用を両立すること考えた時に、実際にはどのような解決すべき課題があるのか?難しさは何か?ボトルネックとなっている要素は何なのか?などの課題を整理する
■ 具体的な解決策の提案
持続可能な開発をおこなう上で、日本や世界で実践されている具体例や、他の考え得る手段について議論し、実現可能性の高い方法論の提案を試みる
を中心に、議論をおこないたいと思います。
世界の海洋はその水温、化学的性質、海流および生物を通じて、地球を人類が住める場所にするシステムを構築しています。この極めて重要な資源をどう管理するかは、人類全体にとって、そして気候変動の影響への対策にとって、本質的な課題となっています。
30億人以上が、海洋と沿岸の生物多様性を頼りに生計を立てています。しかし、今日では世界の漁業資源の30%が乱獲され、持続可能な漁獲を維持するための水準を大きく下回っています。
海洋はまた、人間が作り出す二酸化炭素の約30%を吸収し、産業革命以来、海洋酸性化は26%進んでいます。陸上からの排出が主原因である海洋汚染は危険な水準に達し、海洋1平方キロメートル当たり平均で1万3000個のプラスチックごみが見つかっています。
持続可能な開発目標(SDGs)は、海洋と沿岸の生態系を持続可能な形で管理し、陸上活動に由来する汚染から守ると共に、海洋酸性化の影響に取り組んでいます。国際法を通じて、海洋資源の保全と持続可能な利用を強化することも、私たちの海洋が直面する課題の解決に役立ちます。
海洋資源の保全は、持続可能な開発のための2030アジェンダを構成する17のグローバル目標の一つです。複数の目標を同時に達成するためには、包括的なアプローチが必要不可欠です。