2022年度慶應義塾大学法学部 井上正也研究会
ゼミの概要
日本外交をめぐる文献を輪読する。前期では、明治期から1945年の敗戦に至るまでの外交や安全保障をめぐる書籍を輪読し、後期では現代日本外交を取り巻く諸問題を検討する。日本外交の歴史的事例を深く掘り下げることによって、ナショナリズム、グローバリゼーション、政軍関係、民主主義といった政治学における重要概念について理解を深めていく。
ゼミの進め方
指定された報告者は、課題図書の内容の要約と、それに対する疑問点・論点を記したレジュメを準備した上で報告を行う。またそれ以外の参加者は、課題図書に関するコメント(単なる感想ではなく3つのポイントを提示すること)を準備しておく
成績評価
① 授業中の貢献(50%)
② レジュメ報告・課題提出(50%)
※ 課題の提出は原則K-LMS(Canvas LMS)で行う
開催時限
木曜3限
後期スケジュール(10月~1月)
オリエンテーション
安倍政権とは何であったか(1) アジア・パシフィック・イニイアティブ『検証安倍政権』文春新書、2022年 1~4章 済
安倍政権とは何であったか(2) API『検証安倍政権』5~9章 済
日本の対中戦略 兼原信克『日本の対中大戦略』PHP新書、2021年 済
日米同盟と負担分担(1)武田康裕『日米同盟のコスト』亜紀書房、2019年、序論~3章 済
日米同盟と負担分担(2)武田『日米同盟のコスト』4章~結論 12/1
ロシアと領土問題 鈴木美勝『北方領土交渉史』ちくま新書、2021年 12/8
歴史認識問題とは何か 大沼保昭『「歴史認識」とは何か』中公新書、2015年 12/22
戦後の安全保障政策 千々和泰明『戦後日本の安全保障』中公新書、2022年
米中対立を考える 佐橋亮『米中対立』中公新書、2021年 1/12
沖縄基地問題 宮城大蔵・渡辺豪『普天間・辺野古 歪められた20年』集英社新書、2016年 1/19
現代日本外交の総括
※11月3日(木[祝])、12月15日(木)、23年1月7日(土)は休講
前期スケジュール(4月~7月)
オリエンテーション
安全保障と国防 佐藤誠三郎「『国防』がなぜ『安全保障』になったのか」『外交フォーラム』1999年特別篇
ナショナリズムを考える(1) 植村和秀『ナショナリズム入門』講談社現代新書、2014年 1~5章 大蔵
ナショナリズムを考える(2)植村『ナショナリズム入門』6~10章 各務
リアリズムとは何か(1) E.H.カー(原彬久訳)『危機の20年』岩波文庫、2011年 1~2部 天童
リアリズムとは何か(2)カー『危機の20年』3部 阿部
リアリズムとは何か(3) カー『危機の20年』4部 加園
リアリズムとは何か(4)遠藤誠治「『危機の20年』から国際秩序の再建へ」
外交史料館見学
日清戦争を考える 佐々木雄一『リーダーたちの日清戦争』吉川弘文館、2022年 大藏
日露戦争を考える 横手慎二『日露戦争史』中公新書、2005年 天童
極東ロシアと日本 麻田雅文『シベリア出兵』中公新書、2016年 各務
日本はなぜアメリカと戦争になったのか 森山優『日本はなぜ開戦に踏み切ったのか』新潮選書、2012年 阿部
大学合同ディベートの打ち合わせ