はじめに

 新年度が始まって3ヶ月が経とうとしています。今年度の始まりは、全ての人にとって今まで経験したことのない新しい環境となりました。たくさんのサークルと出会えるフレッシュマンウィークが中止になったり、そもそもキャンパスで集まれない…といった活動が限られる今の状況で、私たちは何ができるでしょうか。

 今回上智大学グローバル・コンサーン研究所は例年秋学期に開催しているブックフェアを、少し時期を早め春学期に開催することにしました。毎年テーマを立てて中央図書館1階の展示スペースなどでブックフェアを開催してきましたが、残念ながら今年は新型コロナ感染拡大のため6月上旬時点では自由に図書館に出入りすることができません。そこで、初の試みですが、オンラインでの開催を決定しました。

 本ブックフェアでは、男性/女性や異性愛/同性愛といった二項対立に回収されない、境目のないグラデーションである性自認(自分自身をどういう性と認識しているのか)と性的指向(どんな性別を好きになるのか)を副題に置き、多様な性自認・性的指向とそれらを取り巻く社会状況と制度について知り、学ぶための書籍と映画を紹介します。上智大学の現役の学生から、卒業生、大学院生、教職員まで、多くの方々が幅広い選書をしてくださいました。図書館や研究所の蔵書もチェックできるようになっています。オンライン・ブックフェアをどうぞお楽しみください

レインボー・ブックフェア企画チーム一同

ブックリストの一覧

関連のイベントについて

 新型コロナ感染症が流行り出した時、特定の人種や見た目の人が差別の対象になり始めました。この時思い出されるのは1980年代の日本。エイズパニックの中で、差別の対象になった集団の一つが(男性)同性愛者でした。今回も例えば韓国で性的少数者が多く集まるクラブで集団感染が起こり、感染者を巡って見えない差別が浮き彫りになりました。同時に「家」に留まることが求められる中で、「家」というもの自体を考えさせられる時間でもありました。LGBTQ+にとって安全な場所とは?家や家族とは?こういうときだからこそ考えられることが私たちにはあるし、安心してなんでも話せる時間・場が必要だと考えました。そのため、ブックフェアと並行してオンライン座談会も随時行っていく予定です。そちらの方も、多くのご参加をお待ちしております。 ⇨ check!