2025年4月10日、兵庫県政の是正を求めるために県庁を訪れたAさん、Bさん、Cさんは、誰でも入ることのできる6階の知事室の前に、誰にも止められることなく正面玄関からエレベーターを使って立ち入りました。当時は立ち入り制限がありませんでしたので、誰にも止められていません。3分1秒で自発的に6階から退去しましたが、退去の求めや注意等をされないまま、6階の秘書課の職員によって警察に通報されていました。
4分9秒で1階正面玄関を出て、約1時間後に元町駅まで移動すると警察によって突然「現行犯逮捕」されました。
県庁は誰でも利用のできる建物です。県民を中心とした、この国に生きる全ての人のための公共施設です。兵庫県庁第2号館の1階には、広報広聴課、相談窓口、案内所、喫茶室があり、県庁の中でも1階はより公共性が高い場所です。誰でも入れるのが当然で、決して誰も排除をしてはならない場所です。
秘書課の職員及び県庁職員は、相談窓口への案内などの業務を怠った上で、窓口のある1階を含めた館内の全ての場所から3人を排除して通報までしました。それによって、3人が当然に持っている、立ち入りの権利や、意見を言ったり相談したり許可申請をしたりする権利を侵害しました。
Aさんの勾留を決定した裁判官は、「Aさんが抗議目的で立ち入ったので勾留している」と明言しました。目的が抗議をすることであれば、県庁に立ち入ったその瞬間から建造物侵入罪になるのだと言うのです。抗議をすると心に決めていれば、ただ県庁に立ち入っただけで、何もしていないうちから建造物侵入罪にできるということになります。
県庁内に居る人物の、誰が抗議の目的を持っているのか、これから何の抗議をどのように行うつもりでいるのか、まだ行動に移していない心の中のことについて、県庁職員や警察官が決めつけて、逮捕をして刑罰まで科して良いなどという前例は、一市民として恐ろしくてとても受け入れることはできないです。
知事や県政へ意見や抗議をするために県庁を訪れることは正当な目的ですし、ごく普通のことです。これが禁止されることがあってはならないです。
AさんとBさんは4月10日、県庁を出た後1時間も経ってから建造物侵入容疑で「現行犯逮捕」されました。Cさんは県庁内で何も発言をしていないにも関わらず「2人と共謀した」として建造物侵入容疑で4月18日に逮捕されました。3人は長期勾留をされた後、BさんとCさんは略式起訴、Aさんは5月1日に起訴されました。Aさんは起訴された後も保釈されずに、今も人質司法が続いている状態です。(追記:6月20日にAさんが保釈されました。)
罪が確定していない3人の長期勾留は深刻な人権侵害です。捜査と拘禁は分離するべきです。そうやって苦しめることで自白を求めることがあってはなりません。
2025年4月10日、兵庫県政の是正を求める請願を行うために兵庫県庁に立ち入った3名が、建造物侵入容疑で逮捕された。この事件で起訴されたAさんの判決が、11月27日に出された。72日間も勾留されたにもかかわらず、検察からは拘禁の必要がない罰金刑が求刑され、求刑通りに10万円の罰金となる有罪の不当判決であった。
業務妨害罪も不退去罪も、最後まで成立させられなかったことがこの裁判の核心である。業務妨害罪に問えなかっただけではなく、県庁の業務に支障が出たという証明もされなかった。県庁の中でも、誰でも入って良い場所にしか立ち入っていない事は裁判でも事実認定されており、それを建造物侵入罪のみで有罪にするなどということは狂気である。県庁は民家ではない。公共施設だ。知事や県政へ意見・抗議をするために県庁を訪れることは正当な目的であり、禁止されることがあってはならない。
庁舎管理規則は立法府によって制定される「法律」ではなく「条令」ですらもない、行政機関が定めるただの規則である。庁舎管理規則では、規則違反者には「退去等を命じることができる」とされている。だが本事件では、退去命令も注意も行わないまま立ち入り後すぐに警察に通報されている。職員は市民の意見を聞くことが業務であり、窓口の案内や申請の方法の案内も業務である。しかし、職員はそれらを放棄して怠り、規則違反であると伝えず、管理権者の意思も伝えず、退去命令を出さなかった。
「規則違反」を「違法」として有罪にするならば、「規則の周知」や「注意」などの段階が必要である。
そうでなければそれは「規則」ではなく事実上「法律」の扱いになってしまう。
法律であるなら制定に立法権が必要である。
「管理権者の意思」は立法とは無関係の県職員である「管財課長」ただ1人で決めることができ、有罪か無罪かが1人の職員の「解釈」に左右されるというのは法治国家として成り立っていない。
事件当時、庁舎管理規則が書かれた貼り紙が貼られた玄関扉は屋内側に開いていた。たまたま運よくその扉から立ち入ったとしても、玄関を1歩か2歩立ち入った上で90度横に向かないと貼り紙は読めない。規則を知るためには1歩立ち入る必要がある環境であったのに、「立ち入った1歩目から建造物侵入罪が成立した」などという判決を許すことはできない。
仮に、逮捕された3名よりも穏便な方法で県庁に意見を言いに行ったとしても、県庁職員の裁量で「規則解釈」によって、「法律違反」にすることができる強権を認め、「公的機関に意見を言う」という本来当たり前の行為に対してリスクを持たせる判決である。そのような独裁的な規制強化はあってはならない。
このように、施設管理権を用いて規則に法的拘束力を持たせることで、法改正をしないまま管理社会を実現する動きは、公的機関に限らず医療施設、介護施設、店舗などでも急拡大している。これは全ての人が影響を被る戦争準備の一環である。
兵庫県庁では知事の応援であれば、規則違反を行い通路をふさいで数十人で大声をあげていても許されており、政治的中立性が損なわれた運用を行っている。この点について判決文では、抗議目的であることが事情を大きく異にすると記載されており、県庁に抗議に行くというごく当然の権利が有罪理由であると不当な判断をされた。公的機関及び公務員が政治的中立性を保つことは義務である。また、表現の自由は認められなければならない。県政の権力を判決に反映することによって憲法と法律を壊し全国に悪影響を与える判決であり、法的根拠に基づかない。
このような判決が前例となることは到底認めることができない。不当判決を糾弾する。
裁判長 入子光臣
裁判官 金川誠
裁判官 山谷奈々緒
また、本来この事件は起訴すべきではなかった。下記の者にも抗議する。
検察官 宮西謙昌
特別刑事部長 望月健司
2026年1月2日
4.10兵庫県庁弾圧救援会
2025年4月10日、兵庫県政の是正を求めるため県庁を訪れたAさん、Bさん、Cさんは、当時は立ち入り制限のなかった6階知事室の前まで、誰にも止められることなく正面玄関からエレベーターを使い立ち入った。5分も経たないうちに自発的に退去し1階まで降りたが、退去の求めや注意等をされないまま6階の秘書課職員によって警察に通報されていた。1階に降りて初めて退去の求めがあり、3人は速やかに退去した。
県庁は誰でも利用のできる建物であり、県民を中心としたこの国に生きる全ての人のための公共施設である。兵庫県庁第2号館の1階には、広報広聴課、相談窓口、案内所、喫茶室があり、県庁の中でも1階はより公共性が高く、決して誰も排除してはならない。
秘書課の職員及び県庁職員は、相談窓口への案内等の業務を怠った上で、窓口のある1階を含めた館内の全ての場所から3人を排除し通報をした。それにより、3人が当然に持つ立ち入りの権利や許可申請の権利をも侵害した。
Aさんの勾留を決定した裁判官は、Aさんが抗議目的で立ち入ったので勾留していると明言した。目的が抗議であれば県庁に立ち入った瞬間から建造物侵入罪になるのだと言う。ただ立ち入っただけで何もしないうちから建造物侵入罪にできるということである。
知事や県政へ意見・抗議をするために県庁を訪れることは正当な目的であり、禁止されることがあってはならない。
県庁内に居る人物の誰が抗議の目的を持っているのか、これから何の抗議をどのように行うつもりでいるのかというまだ行動に移していない心情について、県庁職員や警察官が決めつけて逮捕をし刑罰を科して良いなどという前例は、一市民として到底受け入れることはできない。
拡声器の使用について県庁職員は、拡声器の使用は禁止されていないこと、許可を得れば拡声器を使用できること、許可を得るために申請書を提出するように説明するべきであった。案内業務や意見を聞く業務を怠った上、誰にでも認められるべき許可申請の機会を奪った兵庫県の対応こそ異常である。
3人が県庁に立ち入った目的は兵庫県政の是正を求めること、及び、斎藤知事に辞職を求めることである。そのスピーチ内容からすると政治的表現であることは明らかであり、政治的表現が憲法第21条第1項で保障されたものであることを踏まえると、他者に危害が加えられるに至る切迫した危険性が生じている場合を除き、制限することは許されない。
AさんとBさんは4月10日、県庁を退去した後1時間も経ってから建造物侵入容疑で「現行犯逮捕」された。Cさんは県庁内で発言をしていないにも関わらず「2人と共謀した」として建造物侵入容疑で4月18日に逮捕された。3人は長期勾留された後、BさんとCさんは略式起訴、Aさんは5月1日に起訴された。Aさんは起訴された後も保釈されず人質司法が続いている。
罪が確定していない3人の長期勾留は深刻な人権侵害である。捜査と拘禁を分離し、ただちに代用監獄の廃止をするよう強く求める。
私たちは4月10日の弾圧に抗議し、一刻も早いAさんの解放と無罪を求めるとともに、兵庫県庁、兵庫県警、神戸地検、神戸地裁の行った不当な取り扱いに対し糾弾を続け是正を求める。
2025年5月22日
4.10兵庫県庁弾圧救援会
2025年4月10日に兵庫県庁への「建造物侵入」容疑で2人が逮捕された事件において、無罪推定の原則を無視して報道機関各社は2人の実名を報道した。逮捕された時点では有罪が確定しておらず『罪を犯していない人』として扱わなければならないのが原則である。
一度報道されたものはデジタルタトゥーとなり完全に消すことはできない。実名報道ではプライバシーの侵害や社会生活への影響、社会復帰への阻害、家族や親族への影響まであり、その被害は甚大である。
政治家など特定の職業や地位にある人物の実名であれば公共性のある情報となるケースも考えられるが、本事件で逮捕された2人の実名に公共性があるとは思えない。公共性がない以上、これは表現の自由とは言えず、警察と報道機関による制裁が行われたに等しい。
無罪推定は重要であるが、仮に有罪であっても私刑が行われて良い理由にはならない。刑罰は人権を制限するものであるから慎重に取り扱われることが原則であり、刑罰を科すための法的手続きを踏まずに制裁を行うことは単なる人権侵害である。
これまでも実名報道には様々な問題があると指摘されてきたことを、警察と報道機関は重く受け止め、匿名報道を基本とするべきである。
今回、実名報道をした報道機関の中で把握しているものを下記に記す。まだ記事を削除していない場合は一刻も早く削除するよう求める。
神戸新聞、産経新聞、MBS、TBS、共同通信、東京新聞、高知新聞、下野新聞社、山陽新聞、日日新聞、北海道新聞
2025年5月22日
4.10兵庫県庁弾圧救援会
2025年4月10日に「建造物侵入」で逮捕されたAさんBさんに続き、「2人と共謀した」として4月18日にCさんが逮捕されました。私たちはこの逮捕に強く抗議し、3人の一刻も早い解放を求めます。
そもそも4月18日のAさんの勾留理由開示公判ですら、裁判所は県庁に立ち入った事実として「客観証拠と供述証拠の両方ある」としつつも、弁護人の証拠の閲覧謄写の求めにも応じませんでした。日本国憲法第34条では正当な理由なしに何人も拘束されてはならず、要求があればその理由を公開の法廷で示さなければならないとされているのに、証拠を示すことすらできませんでした。つまり、共謀したとされるAさんとBさんが今に至るまで勾留されている理由自体に正当性があるかどうか疑わしいのです。
また3人は一般市民であれば誰でも訪問ができる県庁の中でも、立ち入りも規制されていないスペースにしか出入りしていませんでした。さらに、4月18日の公判でAさんについては「抗議目的で県庁に入った」事実をもって警察と検察が「建造物侵入」に問おうとしていることを裁判官が認めました。どういうことかというと、現在の日本で行政機関に抗議目的で入ることは、逮捕され一週間以上勾留・『実名報道』される理由になりうるということです。これを許せば、民衆の政治に対する自由な意見表明や表現の自由も脅かされることになり、民衆は委縮し、まさに民主主義にとって大きな脅威になります。
このようにAさんとBさんが逮捕され、勾留されていること自体にも問題があるのに、新たに3人目であるCさんが逮捕されたのは、法に則って活動しているという警察への信頼を大きく損ない、警察は表現の自由を侵すような行動もいとわないと社会に示しているようなものです。これを権力の濫用という言葉の他にどう言い表せばいいのでしょうか。裁判所はこうした人権を踏みにじる捜査機関の行動を抑制する責務があるはずなのに、現状では捜査を追認するための機関となっています。これは司法制度の大きな欠陥です。
私たちは3人目の逮捕をうけても屈することはありません。むしろ、みなさんの社会運動の自由と言論の自由と基本的人権を守るため、より一層団結し、戦っていきます。兵庫県警と検察には4月10日の弾圧に抗議し、逮捕された3人の一刻も早い解放を求めます。
2025年4月18日
4.10兵庫県庁弾圧救援会
2025年4月10日、AさんとBさんの2人が、JR元町駅近辺で兵庫県庁への「建造物侵入」容疑で兵庫県警に「現行犯逮捕」されました。私たちは、兵庫県警に対して強く抗議し、2人の一刻も早い解放を求めます。
容疑とは、4月10日、兵庫県庁に正当な理由なく侵入したというものです。そもそも2人は、確認できている限りの事実において、来庁者であれば誰でも立ち入り可能な区域にしか出入りしておらず、他人を害したり業務を妨害したりするなどの不当な目的で兵庫県庁に立ち入ったわけでもなく、刑法130条建造物侵入罪の要件である「正当な理由がないのに」を満たしているかどうか疑わしいです。また、兵庫県庁は一般市民の自由な立ち入りを許している公共性の高い空間であり、ここでは何人であろうとも、自由な主張や意見の表明が許されるべきです。報道で出ているような「拡声器で騒いだ」ことをもって、不当な目的と見なすのであれば、これは表現の自由に対する脅威に他なりません。このように、建造物侵入罪の構成要件を満たしていない可能性が高いにも関わらず2人を逮捕したのは警察による法の恣意的な解釈によるものであり、警察の権力の濫用であると言わざるをえません。
警察に通報した兵庫県側に己の政策に反対する人間に対し警察を用いてその言論を封殺しようとする意図があったのであれば、これは行政による表現の自由と政治的自由の明確な侵害です。兵庫県政に様々な疑惑と批判が集中する昨今、この対応は市民の声の抑圧であり許されません。
権力にとって都合の悪い表現の自由への弾圧はこれまでもずっとありました。同時に、私たちには、そのたびに弾圧をはね返してきた歴史があります。今回の逮捕は、さらなる基本的人権の制限、社会運動抑圧の足がかりです。絶対に許してはいけません。
私たちは4月10日の弾圧に抗議し、逮捕された2人の一刻も早い解放を、兵庫県警に求めます。
2025年4月14日
4.10兵庫県庁弾圧救援会