祝祭空間の再興
- 水道橋櫓酒場 -
住吉 祥季 2022
祝祭空間の再興
- 水道橋櫓酒場 -
住吉 祥季 2022
新型コロナウィルスは私たちの生活を大きく変え、さまざまなものを奪った。行動を制限され、他者との身体的な接触も希薄になり、それが当たり前の世界になった。大学2年生の頃からこの生活を送る私たちも、多くの体験や出会いの機会を失ったように思う。テクノロジーの進歩によって、家にいながら仕事をし、授業をうけ、基本的な生活を営むことは可能である。この3年間で家での過ごし方の幅は大きく広がった。しかし、どんなにテクノロジーが進歩しても、他者と同じ空間で同じ時間を共有することは出来ない。コロナの影響でその欲求が高まっている人は多くいるだろう。自分の学生生活を振り返り、一番多くの人と出会い、関係を深めたのは”お酒の場“だったように思う。“お酒を飲みながら“だからこそ、話せることやできる振る舞いがあり、関係を深めることができる。そこで今回、飲み屋街建築の設計を行った。失われた"他者との空間の共有"を実現する、日本の伝統的な祝祭空間を目指した。