RTV
- 21世紀の家具調テレビ -
鳥居 怜央 2021
フラットテレビが当たり前となった今日、人々はその薄さを追い求めています。しかし、果たしてテレビは薄いほどかっこいいのでしょうか? 例えば最初から壁掛けを想定した物件ならば、テレビを壁に埋め込むことでスマートに収まるのかもしれません。とはいえ実際には壁の大工事に抵抗があったり、賃貸のため不可能だったりと壁掛けユーザーは少数派で、ほとんどの場合置き型スタイルになります。となると、どれほどテレビが薄くなっても転倒防止のため奥行きのあるスタンドが付けられ、さらにそれが収まる台に、テレビという名の「黒い板」がポツンと載せられています。この光景は、空間に調和していると言えるのでしょうか。確かに、テレビを電化製品として単体で見れば、薄いディスプレイには近未来感があり、かっこいい印象です。しかし多くの場合、テレビが置かれるのは様々な家具が並ぶ空間であり、薄さを追求してもそこには馴染みません。つまり、インテリアの中でのテレビという存在を捉えると薄型化だけが正解では無いと考えた私は、21世紀の家具調テレビであるRTVを提案します。