Project I「常世ノ国」
- 互恵的利他主義の概念を建築に用いた、地球昇華案の構築 -
筒井 宥剛 2020
Project I「常世ノ国」
- 互恵的利他主義の概念を建築に用いた、地球昇華案の構築 -
筒井 宥剛 2020
日本の自然環境は古来より、農村、漁村、市、名所、行楽地、祭り、盛り場など、多様性に富んだ人間環境を生み出しており、自然環境は生物の根源であると言える。ところが近年、地震、津波、台風、豪雪などの自然災害が拡大してきた。原因は、自然の摂理に反した、人間の利己的な行動にある。今回の舞台となる千葉県船橋市も、豪雨や台風による浸水、地震による液状化などの自然災害が起きている地区である。主な要因として、人口増加、それに伴う市街化、緑減少などが挙げられる。これらを変える為に、生物学用語で言う所の互恵的利他主義(Reciprocal altruism、以下RA)の概念を用いて、自然の浄化力と人間の技術を掛け合わせ、地球に新たな土地を生み出し復活させる事(Neo-earths for the Earth)で、相互に作用し合う高段階に進めると考えた。よって本研究は、NFTE計画と称し、RA建築による地球昇華案の構築を行う。その先駆けとして、千葉県船橋市海老川流域に位置する「海老川調節池」を計画対象地とし、不要素サイクルによって繰り返される緑減少や水害等の問題解決を行いつつ、昇華に向けたNFTE計画船橋案「常世ノ国 -TOKOYONOKUNI-」の設計と計画を行う。将来的には各国で利用が促される昇華プログラムの一事例となる事を目的とする。