人々の心情に寄り添う火葬場
市川 夢乃 2019
人々の心情に寄り添う火葬場
市川 夢乃 2019
死は誰にでも訪れるものであり、ひとつとして同じ死というものはありません。遺族の心情もひとつとして同じものはなく、笑って送り出せる家族から悲しみに明け暮れている家族まで、心情の差はとても大きいです。火葬場は様々な心情の人が利用しますが、絶対的に待合室やロビー、トイレなどでほかの利用者とすれ違うことになります。悲しみに明け暮れている遺族が、他の利用者グループの笑い声や明るい空気を感じてしまったらどう思うでしょうか? 大往生で笑って送り出せた遺族が、泣き喚いている他の利用者グループを見たらどう思うでしょうか? このような様々な心情を抱える人々を、建築の力で少しでも救えるような火葬場を設計したいと思いテーマにしました。